<エルフヘイムの戦い 第2ターン結果>
第2ターンの開始状況
●堕落騎士イグマイヤ:Battle32いかなる清流であろうとも、時を過ぎれば淀みは生じる。
妖精騎士団を清流とするならば、エルフヘイムの高級住宅街を荒らしている一団は、妖精騎士団における淀みのようなものであっただろう。
「ハハハ! さあ道を開けろ! 伝説の妖精騎士様のお通りだ!」
高級住宅街を荒らすのは、堕落騎士イグマイヤと、彼の率いる軍勢だった。
家々を荒らし、金品を略奪し、人々を狩りたて、抵抗する者には容赦なく死を与える。
彼らの下品な振る舞いには、妖精騎士の誇りなど微塵も感じ取ることは出来なかった。
無論、それでもエルフヘイムのために妖精騎士の寝所で眠りについていたのだから、この都市を守ろうという気持ちはあったのだろうが……。
マスカレイド化を受け入れた彼らの心は、完全なる悪に染まっていた。
「エルフは俺達に従えばいいんだよ!」
冷笑を浮かべ、イグマイヤは捕らえたエルフ達に棘(ソーン)を流し込もうとし……不意にその場を飛びのいた。
一瞬前まで彼の手があった場所を、風切音を立てて矢が飛びぬけて行く。
「チッ、いいところを邪魔しやがって!」
「今のうちだ、頼む!」
避難誘導を請け負ったエンドブレイカー達が、囚われていた人々を救出する間に、その他のエンドブレイカー達はイグマイヤ配下の軍勢との戦闘に突入していた。
「飛べよ妖精ども、俺のためにな!」
イグマイヤの放つ棘(ソーン)に絡め取られてか、黒く染まった妖精が飛ぶ。その姿は、エンドブレイカー達の目に、妖精達が苦しんでいるかのように映った。
「……君には、妖精騎士の誇りは無いの?」
問いを放った爪の魔獣戦士・スフィア(c15752)に、イグマイヤは蔑むように吐き捨てた。
「ヘッ、テメェも脳味噌がキノコで出来たようなジジイどもの同類か? 誇りだなんだと、一銭にもならねぇようなもんを後生大事に抱えてられるかよ!」
エンドブレイカー達に指を突きつけ、狂気に歪む顔を手で隠すようにしてイグマイヤは言う。
「スフィクス家は俺を評価してくれるんだ。貴様らをブチ殺せば、俺が妖精騎士団の団長だぜ!」
嵐のように乱れ飛ぶ妖精達。
マフラーを振り、急所に針を突き刺されるのを防ぎながら、スフィアはチャンスを待ち、爪に意識を集中していく。
「く、くそっ、てめぇら! 俺を守りやがれ!!」
そうする間にもエンドブレイカー達の攻撃を受けて窮地に陥り、イグマイヤは慌てた様子でそう命じる。だが、彼の援護に回る者はいない。エンドブレイカー達の猛攻に圧倒されつつある妖精騎士達に、そのような余裕は無かった。
「余裕があっても、来たかどうか……」
呟きスフィアはイグマイヤに狙いを定めると爪を振るった。五筋の衝撃が突き抜け、イグマイヤはそのまま倒れ伏す。
「……よし」
スフィアは小さく口にする。
イグマイヤが倒れても、心まで棘(ソーン)に染まった妖精騎士達がそれを顧みることは無かった。
●大地母虫ガルガンチュアウォーム:Battle13
「……あれを倒すんですか」
エンドブレイカー達の口から、半ば唖然とした声が漏れる。
視線の先にあるのは、森の向こうを行進するガルガンチュアウォームの姿だ。
「エルフヘイムの森の基礎を作り上げた大地母虫の子孫……」
クライブが配下としているマスカレイドの中でも、おそらくは最も巨大な存在であろう。その体を蠢かせながら前進するガルガンチュアウォームの周りには、その半分ほどの体躯のギガンウォーム達までもが群れ集っている。
無論、それらの体には、見間違えようもない白い仮面が張り付いていた。さらには巨獣達の足元では、虫型マスカレイド達が行進していく。
巨獣達と比べると遥かに小さいが、それでもその大きさは人間と同程度はあるだろう。
「感覚がおかしくなりそうですね」
軽く額を押さえると、宵闇の傍らに・フィリー(c11839)は他のエンドブレイカー達と共に木々に隠れながら巨獣へと接近した。
エンドブレイカー達の接近に反応してだろう、体表面を覆う穴から、続々と虫型マスカレイド達が湧き出して来る。
さらには周囲の虫たちが一斉に行動を開始し、周囲は時ならぬ喧噪に包まれた。
ギチギチと体の節を鳴らして迫る敵を蹴散らしながら、エンドブレイカー達はガルガンチュアウォームへの距離を詰めた。
建物を並べたほどもあろうかという太さの胴が近づいて来ると、もう壁にしか見えない。
「……行きなさい」
静かに命じると、レギオスブレイドはそれに応じた。
堅固な甲殻を食い破る邪剣に呼応するようにして、他のエンドブレイカー達の攻撃もさらに集中。巨体を取り巻くように、森の各所から矢や魔法、衝撃波といったものがガルガンチュアウォームへと撃ち込まれていく。
圧倒的な巨体は、次第に動きを鈍らせていく。
「……町中に現われてたら、大惨事でしたね」
指示を出したクライブが人家への被害を嫌ったのか。
それとも、リコッタの守りがそれほど大事だったのか。
その意図は分からないが、眼前の巨獣が倒すべき敵であることには変わりない。
「……とどめです」
ガルガンチュアウォームの甲殻に空いた穴から飛び込んだフィリーのレギオスブレイドが、体内で荒れ狂った。轟音を立てながら巨体が崩れ落ちる。
もうもうと上がる土煙の中で、エンドブレイカー達の歓声が上がった。
●ファッションばばあマンドーラ
「なんじゃ、その軟弱そうな服は! ファッションセンスも感じられん!」
戦場に現れたエンドブレイカー達へと、ファッションばばあマンドーラは怒りの篭った声を向けた。特に怒りの対象となっているのは、金光輝・クレ(c15929)のように鎧を着ていない軽装の術士達だ。
「そのような軽薄で軟弱な衣服が幅をきかせるとは……ああ嘆かわしい。チャイム様が密告者の力を得た暁には、このマンドーラがエルフヘイムの服飾界を支配し、最新モードを広めねば!」
「……密告者の力を得た後で、服飾界が残るのか?」
当然の疑問を抱くクレ。
妙に色めかしい色彩のローブを着たマンドーラが作ったという衣服の中で、クレをはじめエンドブレイカー達が知るのは2つ。
一つは、先代の沼地の魔女ヴィオラの着ていた服。
もう一つは、沼地の魔女チャイムの着ていた服。
共通点は、身体的に自信がおありの女性以外が着ないと気の毒なことになるという点だ。
(「許してはいけない」)
大体、男性はどうするのだ。尋ねると怖い答えが返ってきそうなので問わずにおきながら、クレはマンドーラを見やる。
「私怨で力を使わないで貰いたいものだな」
「やかましいわ! 私欲で力を使うのがマスカレイドじゃろうが!!」
正論で返され、クレは一瞬言葉に詰まった。
その間に、マンドーラは恐るべき力を露わにする。
「……と、どうやらこちらが劣勢のようじゃのう。こうなれば、このマンドーラの服の力を見せてやろう!」
「いかん、マンドーラ……!! それは禁断の秘密兵器じゃ……!」
側にいた沼地じじいが止めようとするが、制止を振り切ってマンドーラはローブを脱ぎ捨てる。
ローブの下には、自ら縫い上げた服を着こんだ老婆の肢体があった。
それは、もはやファッションというものへの冒涜ですらあった。
これが広まればエルフヘイムの老人向け服飾界に激震をもたらすことは確実であっただろう。
悪い意味で。
「く……」
戦う意欲が塩をかけられた青菜のようにしなびていくのを感じつつも、エンドブレイカー達は嫌そうに武器を構えてマンドーラを見た。
「なんて恐ろしい精神攻撃……」
「どうじゃ、儂の服の素晴らしさ、思い知ったか! さあ、お前の服を脱がしてやろうかー!」
確かに凄まじい破壊力であった。
ので、エンドブレイカー達はなるべく視線を逸らすと言った。
「みんな、一気に行くぞ!」
クレの描いた紋章が鳩の群れを呼び、マンドーラを翻弄する。
「我が力により滅び去れ」
「うおおお!? じゃが、儂を倒してもファッションは死なず……!!」
嫌なことを言い残しながら、マンドーラの体は沼地に消えて行った。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
---|---|---|---|
漆黒の騎士ノワール | 549 | 10勝16敗 敗北 | 【拒絶体】1287⇒327 |
堕落騎士イグマイヤ | 1534 | 32勝0敗 完勝! | 【虐殺】1572⇒0 |
妖精騎士ドロシー | 691 | 11勝25敗 敗北 | 【拒絶体】1750⇒599 |
バグラバグラ将軍ソルテンピカラ | 252 | 0勝20敗 敗北 | 【勢力争い】638⇒367 |
『枯れ木』 | 340 | 0勝13敗 敗北 | 930⇒546 |
大地母虫ガルガンチュアウォーム | 674 | 13勝0敗 完勝! | 【ガード】1040⇒0 |
ファッションばばあマンドーラ | 502 | 13勝0敗 完勝! | 420⇒0 |
「動く島」ジャグバンドウ | 251 | 0勝6敗 敗北 | 【隠密】520⇒459 |
ゴレムゴレム | 225 | 0勝5敗 敗北 | 【鈍重】640⇒487 |
ブレイクゲージ残量(第2ターン終了時点) |
---|
49093−327−599−367−546−459=46795 |
ターン終了時能力 |
---|
バグラバグラ将軍ソルテンピカラの【勢力争い】! 漆黒の騎士ノワール 327⇒291 |