<エルフヘイムの戦い 第3ターン結果>
第3ターンの開始状況
●漆黒の騎士ノワール:Battle8指揮を執る妖精騎士は、夜の様な黒をその身に纏っていた。
全身を覆う鎧はつやのない深い黒、携える大弓も黒い。ごく僅かに入った銀の装飾が夜空を渡る流星の様だった。
漆黒の騎士ノワール。
黒を身に纏う騎士は、静かに命じた。
「……全軍、敵の迎撃に移れ」
視線の先にあるのは、こちらに向けて接近しつつあるエンドブレイカー達の姿。
ノワールの黒髪に一房だけ混じった銀髪が、その髪にぶら下がった忌まわしき『仮面』と共に戦場の風に揺れる。
「僕達は、勝利しなくてはならない」
確かめるように言うと、ノワールは弓を天井へと向ける。
「いずれも譲れぬ勝利ならば、勝敗を分かつは実力のみ……。妖精騎士の寝所を奪われた借りは、ここで返そう」
打ち上げられた矢が無数に別れ、エンドブレイカー達の頭上から降り注ぐ。
それに足が止まった瞬間、妖精騎士達の攻撃がさらに飛んだ。だが、クイックシルバーラプソディー・ヴィオレッタ(c18927)はそれをものともせずに突き進む。
「ふん! 愚図の攻撃などきくものですか!」
ウィズローブを貫いての攻撃に痛みが走るが、それを微塵も見せずにヴィオレッタは言った。
「何をしているのです。守りたい者があったのではなかったのですか。エルフヘイムの妖精騎士とは愚図の集まりですか!? 違うと言うなら返事をしろ黒いの!!」
「……無粋な」
内心に苛立ちを覚えたかのような顔で、ノワールは呟く。だが、それが自分に対するものか、相手に対するものであるか、彼自身にも判断がつかない様子だった。
その間に、ヴィオレッタの杖の先に紋章が浮かぶ。
「行きなさい黒鉄兵団!」
紋章から現れた黒の兵士達が、漆黒の騎士を蹂躙する。
血を吐いたノワールの体は、仰向けに倒れ込んだ。
「なるほど……僕達の待ち望んだ救世主とは、こういうものか」
「目が覚めましたか?」
「ああ……だけど」
言葉を切って天井を見上げ、体から力を抜いたノワールは苦笑気味に微笑むと目を閉じる。
「口の悪さは真似たくないものだね」
言い捨てて気絶しようとしたノワールを、ヴィオレッタは靴のカカトで力強く踏んだ。
●妖精騎士ドロシー:Battle15
「来たわね。総員戦闘態勢!」
ドロシーの号令のもと、妖精騎士達は一様に臨戦態勢へと入る。
時ならぬ煌めきが起こる中、妖精騎士達によって召喚される妖精の数はそれこそ無数だ。背中から生えた羽をひらめかせ、妖精は大群となって眼下のエンドブレイカー達を無表情に見つめる。
「逃さず殺しなさい」
冷然と放たれたドロシーの言葉を受けて、妖精騎士達は妖精の群れに攻撃を命じる。妖精の群れは戦場に姿を見せたエンドブレイカーへと、妖精達は群れを為して襲い掛かった。
妖精の圧力に耐え、反撃を繰り出しながら、アンサング・リーリヤ(c06157)は必死で言葉を紡いだ。
「目を醒ませ! お前を必要としている者達がいるのだ!」
「戯言を……! くっ」
吐き捨てたドロシーは、頭を押さえてよろめいた。
周囲でもエンドブレイカー達の説得を受け、妖精騎士達に動揺が走る。
その動揺は次第に伝播し、エンドブレイカー達は、妖精騎士を徐々に押し始めていた。
倒れる妖精騎士達からマスカレイドの仮面が消え、そのまま倒れていく。
地面に倒れた彼らの命が救われたのか否か、激戦の中では確認する余裕も無い。ただ、彼らが生きていれば良いと願うばかりだ。
「今ならまだ間に合う。だから……!!」
「私は……!!」
腰に浮かんだマスカレイドの仮面が、彼女を縛り付ける。
矢継ぎ早に繰り出されるシールドスピアで受け流し、ドロシーは妖精を召喚した。鋭い針を手に手に携えた妖精の群れが、リーリヤへと襲い掛かる。
ひたすらに針を刺して来る妖精達の攻撃を耐えると、リーリヤは身を低くして地を蹴った。
ドロシーはそれに反応し切れない。
一瞬にして、リーリヤの蹴りがドロシーへと繰り出された。
ドロシーの腰についていたマスカレイドの仮面が割れると、彼女の体は地に伏した。
慌てて彼女の元に駆けより、リーリヤは息があるのを確かめる。
「全く。感傷だが、もっとロマンチックで出会いたかったぞ……。まぁ、助かったのだから良しとするか」
安らかな表情で気を失ったドロシーを担ぎ上げると、リーリヤは彼女を収容するべく騎士団へ歩き出した。
●スフィクス家当主ダクディオン:Battle40
エルフヘイム政府の官庁街に構えられた陣には、スフィクス家の家紋を描いた旗が翻る。
その旗の下、悠然と翼を空に広げるのは、スフィクス家の現当主、ダクディオンであった。
孔雀の如き美しき翼は、しかし紛れもない悪鬼のもの。
周辺にいた警備兵なのだろう、抵抗したと思しき武装したエルフの屍が、ダクディオンの足元に転がっている。
その血臭を楽しむかのように屍を踏みにじると、ダクディオンは翼をはためかせた。
身の丈を上回る翼が、彼の体を宙に浮かせる。
「スフィクス家が『密告者』を手にする喜ばしき日に、スフィクス家の当主として長老のために刀を捧げられるとは……身に余る光栄よ」
接近するエンドブレイカー達は、スフィクス家の軍勢と真っ向から衝突した。
『密告者』が封印されて以来の大戦に、エルフヘイムの街は揺れるかのようだ。
「命を惜しむな! 我らの大願を妨げんとする者どもに、断罪の刃を振り下ろせ!」
ダクディオンの叱咤に、マスカレイドの軍勢は前進で応じる。
「百余年のこの命! ここで捨てるも一興!」
翼をはためかせ上空からの振りおろしでエンドブレイカーを襲うダクディオン。だが、その勢いは急激に鈍る。
地上から撃ち出された幾つもの魔法の力が、彼の動きを縛り付ける。
腕の自由を制限され、炎や毒に冒されたダクディオンが地上に降り立つ。
ソードハープの星霊術士・ムク(c14317)は、その隙を見逃さず、星霊に命じた。
「行って、バルカン! これでとどめだ!」
「おのれ人間! その短い耳を削ぎ落して、さらに涼しくしてやろう!」
振り上げた刃が衝撃を生もうとするが、その寸前に星霊バルカンの炎がダクディオンを包み込んだ。炎に包まれ、羽を焼き尽くされたダクディオンが街路に倒れる。
「よし!」
ムクがガッツポーズを取る。
指揮官を倒したことで、大勢は決した。
程なくして、ダクディオンの軍勢は壊滅したのだ。
「これで、残るは妖精騎士伯ウェンディ、そして……スフィクス家長老」
スフィクス家の戦力をほぼ撃滅したエンドブレイカー達は、スフィクス家との最終決戦に向けて気を引き締めるのだった。
●バグラバグラ将軍ソルテンピカラ:Battle11
木々を繋ぐ吊り橋は、ぶつかり合う軍勢同士の重みで大きくたわんでいた。
「私達はスフィクス家の勢力を削ぐことを考えましょう。こちらの勢力が健在であれば、僅かずつであれ敵戦力を削ることは可能です」
流暢な言葉づかいで配下のバルラバグラに命じるのは、ソルテンピカラだった。
クライブによってバグラバグラの将軍に任ぜられたソルテンピカラは、ツリーハウスを吊るすロープの上から、彼の率いるバルバ達を指揮していた。
スフィクス軍の方から飛んで来た弓や魔法を機敏にかわしたソルテンピカラの目に、エンドブレイカー達の姿が映る。
『むむ……こちらを攻撃して来るようですね。止むを得ませんので各自適宜反撃を行って下さい』
ソルテンピカラは、人間には聞き取りづらい声で言う。
状況を見ての対応を行うことこそ出来るが、事前にクライブに伝えられていた通りの対応をしているだけだ。有効な戦術を思いつける程の頭があるわけでもない。
戦いは長期戦にもつれ込み始めるが、既に大勢は決していた。マスカレイド側は劣勢を挽回もできず、その数を減じて行く。ソルテンピカラの顔に汗がにじんだ。
『ムムム……』
「何やら悩んでるようだが……その悩み、終わらせてやるぜ」
「!」
剣の魔獣戦士・ライアン(c05183)は、ソルテンピカラが咄嗟に振るった剛腕をかいくぐると懐に潜り込んだ。
両腕で抱き締め、押し潰そうとする動きを同じく両腕で受け止めると、全身の力を腕に集中させる。
「ハ……!!」
ソルテンピカラの両腕から血が弾けた。
魔獣化したライアンの腕が、バグラバグラ将軍の両腕を叩き折ったのだ。
激痛が走り抜け、バルバの体から力が抜けて行く。
「人間に、知性ばかりでなく、腕力で負けるとは……」
「まじないにも、効果はあったようだな」
ライアンが両腕を放すと、ソルテンピカラの巨体はそのまま地面に倒れ込んだ。バグラバグラ将軍の体から、マスカレイドの仮面が消えて行く。
●『枯れ木』:Battle7
「ある意味、壮観ですね……」
三日月の導士・キョウマ(c04427)は眼前の光景に目を見張った。
森が動いている。
無数の植物類のマスカレイド、そしてそれらの植物にしがみつくようにして、マスカレイド化した獣達が移動していた。
まさしく森そのものが動くようなマスカレイドの軍勢とぶつかり合うエンドブレイカー達のうち、キョウマをはじめとした一部の者達はその「動く森」の中央部へと辿り着いていた。
マスカレイドの敵意が身を貫く中、エンドブレイカー達の眼前に現れるのは途方も無い大きさをした一本の『枯れ木』だ。
その幹の表面には、間違えようもないマスカレイドの仮面が浮かんでいる。
「こいつが親玉か!」
エンドブレイカーが叫ぶと同時に、地面を割って根が飛び出す。
「くっ!」
咄嗟に飛びのくが、エンドブレイカー達はその時既に樹木の迷路に閉じ込められていた。
「まとめて燃やせないか!?」
「こんなところで火をつけたらみんな巻き込まれるだけだ!」
足に絡み付こうとする根を、頭上から降り注ぐ刃のような葉を振り払いながら、エンドブレイカー達は巨大樹の本体を目掛けて突き進む。
根を引きちぎり、時に燃やして進む彼らの進撃をマスカレイドの軍勢は阻まんとするが、その勢力は既に半減している。
やがてキョウマが『枯れ木』の幹の元に辿り着いた時、既に勝負は決していた。
その締めくくりとなる一撃を、彼はレギオスブレイドへと命じる。
「さて、そろそろ終わりにしましょう。……舞え、剣の軍勢」
邪剣の群れが、枯れ木の枝を斬り裂いて飛んだ。伸びて来る枝、防御のために広がる葉を斬り裂いて、最後の一撃が幹を断つ。
砕けるような音が巨樹の全身に走り、それはひび割れとなって目に見えるものとなる。
「眠りなさい。森が再生する時には、マスカレイドでない姿で会いたいものです」
崩れ落ちる『枯れ木』だったものに背を向けると、キョウマは他のエンドブレイカー達と合流するべく歩き出した。
●猛る風雷バルキウス:Battle17
エルフヘイムの一角に、時ならぬ暴風が巻き起こっていた。
雷嵐とも言うべき自然現象の中、無数の獣と共に見え隠れする巨体は、翼ある虎の姿を持っている。だが、その体躯のきたや、生半可な巨獣すらもの上回るものだ。
「あれも、予言者のしもべなのか……」
咎の仔・カルム(c00780)は、森の木々の上に悠然と身を晒すバルキウスの姿を、森を一望する丘から見下ろした。
「クライブとも因縁はあるが、まずはこいつをなんとかしないとな」
クライブがいる場所に行くためには、バルキウスの引き起こしている暴風を消去しなければならない。その事実を確認し、カルムは弓に矢をつがえる。
「来るぞ、気をつけろ!」
カルムの警告が
木々の間から音も無く現れた無数の獣達が、その牙を、爪を、エンドブレイカー達へ向けて振り立てる。木々を薙ぎ倒して迫るランドホエールを先頭に、獣達は荒れ狂う。
あたかも体重が無いかのような軽い動きで樹を蹴ると、バルキウスも自らエンドブレイカーへと向けて飛んだ。
激しい風と雷とが、エンドブレイカー達の体を打ち据える。
「だが……これでどうだ!」
カルムは言って、バルキウスへと顔を向けた。
数秒の間をおいて、バルキウスが突然巨体をひきつらせる。
森の木々を薙ぎ倒しながら倒れたバルキウスに歩み寄ると、カルムは顔の辺りに撃ち込まれた針を見た。
「ふむ、案外なんとかなるものだな」
あえて嵐に巻き込むようにして撃ち込んだポイズンニードルが、風に乗ったままバルキウスの体を貫いたのだ。
悶絶するバルキウスが息絶えると同時に、その体に浮かんでいた棘(ソーン)も消える。
「さて、次は……」
カルムの視線の先では、強烈な棘(ソーン)の気配がエンドブレイカー達を待ち受けていた。
●「動く島」ジャグバンドウ:Battle8
沼地にマスカレイドを満載した「動く島」がいる。
その報せを受け取り、エンドブレイカー達は沼地の奥へと急行した!
果たして、「動く島」の存在は真実なのか!
「なんて言ってる場合じゃねぇだろ!!」
周囲は騒然としていた。
動きを活発にした「動く島」ジャグバンドウが、その長い足でマスカレイド達を掴みあげると、思いっきりエンドブレイカー達に向けて投げつけて来ていたのだ。
直撃を受けるような者はいないが、陣中に突然マスカレイドが出現した形となり、エンドブレイカー達の中にも動揺が走る。
だがエンドブレイカー達は混乱から立ち直ると、着実にマスカレイド達を撃破していく。
「問題はこいつだな……」
エンドブレイカー達は、沼の中央部に浮かんだジャグバンドウに視線を投げた。
文字通り島のように巨大なジャグバンドウは、足を蠢かせてエンドブレイカー達を寄せ付けない。「まあデカイ奴相手になることは一つ」
「飛び乗って、叩き潰す!」
助走をつけると、エンドブレイカー達は一気にジャグバンドウへと跳んだ。
ぬるっとぬめるジャグバンドウの触手の上に乗り、一気にジャグバンドウの頭へと迫る。もちろんジャグバンドウは、それを振り落とそうとする。
「わ、わわわ……」
「ヤバッ、掴まれ!」
落ちかけた者を傍にいた者が咄嗟に支え、一方バランスを保って駆け抜けた面々が一斉に攻撃を仕掛けた。
次々と放たれる攻撃。幾筋もの傷が刻まれ、さすがの巨獣も体を揺らす。
「っ……ですが、これで終わりでございます!」
振動に耐えた鞭の星霊術士・リュミドラ(c11717)は鞭の持ち手をぐっと握り、その先へオーラの刃を生やすと一気に振り抜いた。
刃に切り裂かれ、そのまま刃鞭に縛り上げられたシャグバンドウの口から、おびただしい咆哮があがる。
「っ……崩れます、気をつけて!」
力尽きたジャグバンドウの体が、轟音を立てて一気に崩れ落ちていく。
エンドブレイカー達は、それに巻き込まれて沼地に沈まぬよう、一斉にジャグバンドウの体から飛び降りていった。
●ゴレムゴレム:Battle5
「よくもまあ、これだけのデカブツを連れて来たもんだな……」
エンドブレイカーは、無意味に木々を薙ぎ倒す巨大なゴーレムを見上げた。
ゴレムゴレムという巨大ゴーレムの足元では、その半分ほどの大きさのゴーレム達も一緒になって暴れ回っている。
沼地の周囲に生える木々は、そうしたゴーレム達の足によって蹂躙されつつある。
「エルフ達の大切にしている森を傷つけるとは……」
「早く何とかしないとね」
木々を飛び移り、ゴレムゴレムの元へ辿り着いたエンドブレイカー達は武器を構えた。
無差別に暴れているため邪魔ではあるものの、周囲に人家が無いこともあって、ゴーレム軍団による人的被害は出ていない。
エンドブレイカー達を除いて。
「さっさと片付けた方が良さそうだな!」
言って、次々と攻撃を繰り出すエンドブレイカー達。先陣を切って突撃する一団が切り開いた道に、後続の部隊が続き、次々と立ちはだかるゴーレム軍をなぎ倒していく。
「きゃあ!」
「くっ……激しい……!」
暴れまわるゴーレム達の反撃は苛烈なもので、エンドブレイカー達の被害も決して少なくは無い。次々と負傷していく仲間を支えようとする者も少なくは無いが、このまま戦いが長期化すれば危険は免れない。
「となれば、やはりボス狙いが一番か」
「行くぜ!」
周囲のゴーレムを倒し、ゴレムゴレムへ肉薄するエンドブレイカー達。
「それだけ大きければ安定が悪いだろ!」
その足元へ次々と打ち込まれた攻撃が、ゴレムゴレムの足をすくい上げる。
轟音を立てながら、岩の巨体が転倒した。体の下となった木々が折れ、真下にいたゴーレム達につっかえる形でゴレムゴレムは姿勢を崩す。起き上がり、反撃に出ようとするゴレムゴレムだが、動きがマヒしている状態では、それもままならない。
「暴れるのはここまでみたいだねぇ」
にっと笑った幸せを運ぶ唄・ヒカタ(c11770)は、前髪をかき上げると嘆きのセレナーデを奏でた。
果たしてゴレムゴレムに音楽を理解できるのかは分からないが、広がりゆく悲嘆の旋律は、確かにゴレムゴレムの気力を奪い去り……。
ゴレムゴレムの巨体は力を失い、木々の間に沈みこんだ。まるで、最初からこの場に岩山があったかのように。
●アンデッドヴィオラ:Battle24
沼地の中に隠然としてそびえ立つ古城が、エンドブレイカー達の前に姿を見せていた。
沼地の魔女の城である。
住人達を失い、朽ち果てるばかりかと思われたその城は、新たな主を迎えて奇妙な賑わいを生じさせていた。
賑わいを作るのは、新たな沼地の魔女チャイムによって生み出された数多のイマージュたちと、沼地の魔女の魔力によって沼地から新たに呼び出されたアンデッド達だ。
その城門を前にして、アンデッド達に守られるように沼の水面に立つのは、一人の美しい女性だった。だが、彼女自身もまたアンデッドであり、倒すべき敵、マスカレイドであることをエンドブレイカー達は十分に理解している。
先代の沼地の魔女、ヴィオラ。
エンドブレイカー達に倒された彼女は、チャイムの魔力を受けて再び姿を現していた。
『エェェンドォォォ……ブレイ……カー……倒……』
怨念と魔力の篭った声が、呪いのように沼上に響く。
たちまちのうちに、アンデッドの群れとエンドブレイカー達との戦端は開かれた。
「さっさとそこを退いてもらうぜ!」
ヴィオラの前方に布陣するアンデッド達に、エンドブレイカーの攻撃が次々と浴びせられる。ヴィオラが強敵である事は、エンドブレイカー達ならばよく知っている。このようなアンデッド達に足を止められている場合ではないのだ。
「死んでまた戦う事になるなんて……」
「もう1度、倒す!」
エンドブレイカー達が見据える敵は、アンデッドヴィオラただ1人。
アンデッドの群れを蹴散らしたエンドブレイカー達は、一気にアンデッドヴィオラへと詰め寄った。
『殺す……殺すゥゥゥ……!』
生前とは異なる醜悪な呻きと共に、繰り出されるヴィオラの攻撃は、エンドブレイカー達が知るそれよりも禍々しさを増ししている。
しかし……。
「終わらせて、あげなきゃ」
だからこそ……と、夜藍に微睡む星雫・リシャ(c03277)は眉を寄せて呟いた。次々と攻撃を受けるヴィオラの姿は、配下によって施された化粧による誤魔化しが徐々に剥げ落ち、醜悪な死体としての姿を晒していく。
見るに耐えないその姿に、リシャは、ヒュプノスを呼んだ。
「いこ、ひゅぷのすさん」
『わたしハ……わたしはマタ、負けるのかァァァァ……ッ!』
もこもことヴィオラを包みあげるヒュプノス。それにヴィオラの嗚咽ににも似た叫びが重なり……そうしてヴィオラの体は、再び動かなくなった。
今度こそ、永遠の眠りをと、願いながら見守るエンドブレイカー達の前で……。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
---|---|---|---|
漆黒の騎士ノワール | 432 | 8勝0敗 完勝! | 【拒絶体】291⇒0 |
妖精騎士ドロシー | 754 | 15勝0敗 完勝! | 【拒絶体】599⇒0 |
スフィクス家当主ダクディオン | 1372 | 40勝0敗 完勝! | 1928⇒0 |
バグラバグラ将軍ソルテンピカラ | 230 | 10勝1敗 勝利! | 【勢力争い】367⇒0 |
『枯れ木』 | 353 | 7勝0敗 完勝! | 546⇒0 |
猛る風雷バルキウス | 763 | 17勝0敗 完勝! | 【ガード】1210⇒0 |
「動く島」ジャグバンドウ | 409 | 8勝0敗 完勝! | 459⇒0 |
ゴレムゴレム | 297 | 4勝1敗 勝利! | 【鈍重】487⇒0 |
アンデッドヴィオラ | 641 | 24勝0敗 完勝! | 730⇒0 |
ブレイクゲージ残量(第3ターン終了時点) |
---|
46795=46795 |