<アクエリオの戦い 第1ターン結果>
第1ターンの開始状況
水神祭都アクエリオ。かつて水神が魔王を封じたという伝承の残る水の都だ。
朝を迎えた運河をゴンドラが行き交い、人々の声が溢れる。
その平穏が唐突に破れることを、エンドブレイカーでない人々は予想すらもしなかっただろう。
水神が魔王と戦った時代と何ら変わらず、アクエリオが一夜にして滅びがもたらされうる危機の上にあった事を、この日、人々は思い知らされることとなった。
「運河が……水が赤く染まっていく!!」
その悲鳴は、水神祭都アクエリオの全土で同時に上がった。
水神祭都アクエリオを満たす水……魔王を封印していたはずのそれが、赤く、まるで血のような色へと染まっていく。
だが、異変はそれだけでは終わらなかった。
赤く染まりゆく運河の水面が一瞬盛り上がったかと思うと、伸び出すのは緑色をした蔓だ。
見る間に太さを増した蔓は、巻き込まれた家々を倒壊させながら成長し、つぼみをつけた。
水神の聖域たる水瓶に寄り添い開いたつぼみの色は、赤に染まった水よりもなお赤い。
誰もが茫然と見上げる中で、天に向けて薔薇は開いた。
そして始まるのは、惨劇だ。
まるで事態を予期していたかのように現れたローブの男達が、魔王の眷属たるシーバルバの大群が、空に出現した城から現れた子供達と異形の怪物が、そしてゴーレムの大群が、次々に現われ、人々を殺害し、あるいは自分達の軍勢に加えていく。
茫然としていた人々も、自分達の命が危険にさらされている事実を自覚せずにはいられない。
「魔王が蘇ろうとしているのか!?」
人々は祈った。彼らの信じる存在に。
「水神様……!」
だが、人々はいまだ知らない。
彼らの祈る神こそが、この事態を引き起こした張本人であるという事を。
4つのマスカレイド勢力がしのぎを削る中で、エンドブレイカー達の戦いは幕を開けようとしていた。
●辻説法のチューリッヒ:Battle15
水神アクエリオと魔王ゼルデギロスの戦いから長き年月を経てなお、魔王ゼルデギロスを信奉する者達はこの水神祭都アクエリオに存在していた。
放棄領域に巨塔を打ち建て、戦力を蓄えていた彼らは、魔王ゼルデギロスの復活を目前にして、その姿を現していた。
「見よ、この赤き水を! 咲き誇る赤き薔薇を! 水神は怠惰なる人類を滅ぼすことを決定した! 偉大なる魔王ゼルデギロスは、間もなく蘇る! 滅びこそが、この地に住まう者の辿るべき運命であったのだ!」
辻説法のチューリッヒの弁舌は、混乱する街路にあって誇らしげに響いた。
普段ならば見向きもされなかったであろう内容も、いまや説得力を持って人々の耳に届く。彼の士違える無数のシーホースマスカレイド達が、逃げ惑う人々を足蹴にし、水流で押し流す。傷ついた人々は水神が人類を見離したことを悟らざるを得ず、棘(ソーン)に侵されてマスカレイドとなっていこうとしていた。
だが、それをエンドブレイカー達が放っておくはずもない。教団員達を倒さんと、エンドブレイカー達は戦闘を開始していった。
「水神に従え! 魔王ゼルデギロスの偉大さを受け入れるのだ!」
居丈高に言い放つチューリッヒの大鎌が振るわれ、武器と魔法が街路を揺らし、激しくしのぎを削る。
その中で、ハイテンションに戦いを繰り広げていた爪の忍者・キリカ(c25604)はチューリッヒが大鎌を握る腕を封じられた隙を逃さなかった。
「よし、チャーンス!!」
キリカの命令を受け、忍犬スピリットがチューリッヒへと疾走する。
寸前で忍犬を切り払おうとするが、その寸前で忍犬スピリットは大きく跳躍した。
「いっけぇ!!」
頭上を強襲した螺旋突撃が、チューリッヒを昏倒させる。
「君達のリーダーは倒したよ!」
「チュ、チューリッヒ様!」
リーダーを倒され動揺するマスカレイド達がエンドブレイカー達によって全滅するのは、間もなくのことであった。
●魔王の巫女ヴァロネッサ:Battle15
アクエリオの繁華街を闊歩するのは、ゼルデギロス教団の巫女、ヴァロネッサを中心とした一団だった。取り巻き達が捕らえた人々を、ヴァロネッサの蠱惑的なまでの美貌が魅了し、放たれる棘(ソーン)が人々をマスカレイドへと変えようとする。
「魔王様への信仰の前には、滅びも愛も等価値。愛をもって、共に滅びを撒きましょう」
肌もあらわな姿で微笑するヴァロネッサ。
だが、その狂宴をエンドブレイカー達が放っておくはずもなかった。
「逃げて下さい! 早く!」
マスカレイドの囲みを破りエンドブレイカーが捕らえられた人々を救出する。
さらには攻撃を仕掛けたエンドブレイカー達によって、ヴァロネッサ配下の教団員達は次々と打ち破られつつあった。
「あの『教主』も、えっちな儀式とか大概ですねえ」
ヴァロネッサの間近まで迫ったハートブレイカー・スウィート(c00994)が、思わずそう呟く。
「あなたもこの儀式の素晴らしさを経験すれば分かるわよ。さぁ……」
「ちょっとお断りですねえ」
どこか平坦な口調でヴァロネッサの誘惑を受け流したスウィートのマントが翻った。
中に来ていた赤い水着が見えるが、次の瞬間ヴァロネッサの姿を隠したマントの向こうから鈍い音が響いた。
まさしく魔法のように現れたレギオスブレイドが、美貌のマスカレイドを串刺しにしていたのだ。彼女の蠱惑的な魅力も、スウィートには届かなかったらしい。
「いやぁん、えっちー」
その光景と、水着姿を見ていた教団員やエンドブレイカー達にスウィートがどこか平坦な口調で言う。そそくさと自分達の敵に集中するのであった。
●あふれる愛のレシピ・シャマリーナ:Battle17
夢姫レムの軍勢は、街の上空に出現した『城』から現れていた。
ガラスのような、透明な階段を下って降りて来る着ぐるみ姿の子供達、そして寝間着姿の少女……夢乙女たち。そうした子供達に付き従うのは、夢から現れた奇妙なイマージュの群れだ。
夢姫レムの軍勢は見る者を惑わせる、幻想的な光景を作りだし、アクエリオの街を夢で彩っていく。だが、無論のこと、その夢の果てに待つのは滅亡の悪夢に他ならない。
「シャマリーナの、愛情クッキング〜♪」
あふれる愛のレシピ・シャマリーナだ。彼女は編み出した数々の創作料理を即座に具現化し、人々に食べさせていく。その芳しい香りに魅了された配下達もまた、彼女と同様に料理をふるまっていった。
「愛情は最高の調味料なのよ! 私の料理で、世界中の人を虜にするの!」
満面の笑みを浮かべるシャマリーナの作りだす料理は、夢から生み出されたが故に芳しい香りと味を備えている。夢の味に我を忘れた人々は、瞬く間に棘(ソーン)に絡め取られていった。
『夢姫』レムに力を与えられた彼女にとっては、現実にはありえない食材で、まさしく夢の如き素晴らしい料理を生み出すことも容易だ。
「さあ、もっと美味しい料理を作らないと!」
「そこまでです!」
さらなる料理を作りだそうとしていた少女達を制止するのは、アリスインワンダーエンド・アイシア(c04568)をはじめとしたエンドブレイカー達だった。『夢』の侵攻を阻止するべく、参じたエンドブレイカー達は、次々とイマージュ達を打ち破っていく。
「みんな! もっと頑張って! 頑張ったら料理ももっと美味しくなるんだから!」
「いいえ、勝つのは私達です」
アイシアはシャマリーナを見つめ、優しげな瞳に強い意志を宿した。
「あなたが望んで敵になったんだったら、私は絶対に倒します!」
虚空を割って現れる無数のレギオスブレイド。その切っ先が、並べられた料理ごと夢少女達を破っていく。
「キャァァァァ!」
悲鳴を上げて薙ぎ倒される少女達の中には、シャマリーナも混じっていた。
中核となっていた少女を喪い、集団はバラバラになっていく。
●鉄神の将フリューゲル:Battle12
エンドブレイカー達によって魔王の心臓を奪取されたことで、魔王軍の戦力は激減していた。
先陣をかざる鉄神の将たちもその数を減じ、本来の勢いを発揮しようもない。
だが、それでもなお、魔王軍の先鋒たるゴーレム達の進撃は、アクエリオの人々に絶望をもたらして余りあるものだった。
等身大のものから人間を遥かに上回る大きさのものまでを取りそろえたゴーレム達は、当たるを幸い建物を薙ぎ倒し、その鋼鉄の体で前進を繰り返す。
『魔王ゼルデギロス様は復活する。全ての抵抗は無意味だ。滅びを受け入れるがいい』
フリューゲルが発するその言葉、無慈悲なる進撃を繰り返すその姿は、人々に魔王復活を確信させるものだった。無機質な鋼鉄の群れが進軍するたびに、人々の顔に絶望が浮かぶ。
だが、エンドブレイカー達は、その軍勢に敢然と立ち向かっていた。
『お前達の行為は無意味だ』
「無意味かどうか、まずは試してみるとしよう」
無表情に言った朧銀の光芒・ラーナシェイラ(c00343)が取り出すのは、大量の武器だ。たちまちのうちに備えられた武器を次々と投げ放ち、巨体のゴーレム達を足元から襲っていく。
彼女をはじめ、ゴーレム軍団の進撃を阻まんとするエンドブレイカー達の攻撃は、鋼鉄の進軍を止めることに成功していた。
「あとは指揮官機を取れば……」
ラーナシェイラの手から放たれた鎌剣が、砕かれた装甲の内部へと飛び込み、人間でいえば内臓に当たるであろう器官を次々と断って行く。
鉄神の将、フリューゲルの動きは、次第に鈍っていった。
やがて横倒しになって動きを止めるフリューゲル。その光景に街の人々が上げる歓声が、エンドブレイカー達を包むのだった。
●虐殺の鉄処女ブランハーメルン:Battle11
魔王ゼルデギロスの復活を寿ぐ虐殺の舞を踊るべく造られた、8体の鋼鉄乙女。
その鋼鉄乙女たちは、この決戦の前哨戦となった戦いにおいて、既に7体までがエンドブレイカー達によって破壊されていた。
とはいえ、それで残る1体の力が落ちるわけでもない。
加えて、多くの兵隊級ゴーレムによって、戦力は個別の戦闘を行った時に比べれば遥かに高い。
唯一の指揮官機となったブランハーメルンは、彼女の指示に従って動くゴーレム達に指示を出しながら、その鋼鉄の舞踏の範囲を増していた。
だが、その舞踏を止めんとするエンドブレイカー達は、その鋼鉄の舞踏会を逆に止めるべく、回転の中へと飛び込んでいく。
鋼鉄の乙女達が振りかざす武器の数々が、金鳳花・ジーン(c17673)の魔導装甲を削っていく。
「ですが、この程度で……っ!!」
ジーンは攻撃を凌ぎつつも、大きく息を吸い込んだ。
吐き出された炎は業熱を帯びて広がり、鉄処女たちを呑み込んでいく。
熱に耐えかねたゴーレムがブランハーメルンが機能を停止し、他のゴーレム達も相次いで倒されていった。
エルフヘイムの戦いを上回る規模で、マスカレイド達による戦力増強を阻止したエンドブレイカー達。
だが、その一方で、エリクシルは着実にその出現に近付きつつある。
アクエリオの戦いが、危険なものとなるであろう事をエンドブレイカー達は感じずにはいられなかった。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
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辻説法のチューリッヒ | 730 | 15勝0敗 完勝! | 【虐殺】1000⇒0 |
魔王の巫女ヴァロネッサ | 623 | 15勝0敗 完勝! | 【虐殺】1000⇒0 |
水神の巫女スーパーラミア | 212 | 0勝15敗 敗北 | 1132⇒939 |
あふれる愛のレシピ・シャマリーナ | 527 | 17勝0敗 完勝! | 【虐殺】1333⇒0 |
リアルおとぎばなし・マーヤ | 514 | 15勝4敗 勝利! | 【虐殺】1444⇒0 |
まもってあげたい・ウールウール | 550 | 16勝6敗 勝利! | 【虐殺】1555⇒0 |
『深海大領主』罪深きヒットグレン | 154 | 4勝6敗 敗北 | 【勢力争い】432⇒93 |
『深海大領主』吠え猛るグレンフィード | 76 | 0勝12敗 敗北 | 【勢力争い】540⇒491 |
『深海大領主』雷鳴のディオスレオ | 80 | 0勝11敗 敗北 | 【勢力争い】1000⇒942 |
鉄神の将フリューゲル | 632 | 12勝0敗 完勝! | 【絶望】1024⇒0 |
鋼鎧紅将フランメ | 170 | 0勝11敗 敗北 | 1024⇒886 |
虐殺の鉄処女ブランハーメルン | 523 | 11勝0敗 完勝! | 【虐殺】1024⇒0 |
ブレイクゲージ残量(第1ターン終了時点) |
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67280−939−93−491−942−886=63929 |
ターン終了時能力 |
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『深海大領主』罪深きヒットグレンの【勢力争い】! 水神の巫女スーパーラミア 939⇒930 『深海大領主』吠え猛るグレンフィードの【勢力争い】! 水神の巫女スーパーラミア 930⇒881 『深海大領主』雷鳴のディオスレオの【勢力争い】! 水神の巫女スーパーラミア 881⇒787 |