<アクエリオの戦い 第3ターン結果>
第3ターンの開始状況
●第3ターン
●近衛海馬サンバイン:Battle15
下半身が魚の尾となったシーホースは、水神アクエリオに仕える聖獣であり、神の使いだ。アクエリオ水神祭の後に行われる『アクエリオの星』の儀式では、アクエリオの星と共にシーホースがアクエリオのあちこちを巡る光景が見られ、毎年の風物詩となっている。
だが、水神アクエリオがマスカレイドに堕した今、その影響を最も強く受けたのは、他ならぬシーホース達であった。本来マスカレイドとなるような理由を持たずとも棘(ソーン)は彼らを拒絶体マスカレイドへと変貌させてしまったのだ。
水神の信頼厚い近衛海馬サンバインシーホース達は他のマスカレイド勢力の力を削ぐ役割を負い、自在に水路を駆け巡る。
彼らに与えられた役割は、怪盗軍のマスカレイド達を打ち破ることにあった。
サンバイン率いる群れが、先程から狙っているのはディオスレオの軍勢だった。
その戦いに巻き込まれ、傷つく人も無論出るが、今のシーホース達がそうした人々を顧みる可能性など、気にするだけ無駄というものだ。
「だが、人々を積極的に襲わなかったのは僥倖であった。虐殺するよりは、まだ、な」
僅かに宙に浮いて突進して来るシーホース達の前方に立ちふさがったのは之ぞ天狗の仕業・ラウロ(c15514)達だ。サンバインの突進を受け止めた前衛たちの後方から、エンドブレイカー達の頭よりも上にあるシーホースの顔を目掛けて射撃が飛ぶ。
「喝!」
左手が素早く懐に差し込まれ、次の呼吸で手裏剣が放たれる。
エンドブレイカー達を蹄にかけようとしていたサンバインの胴に突き刺さった手裏剣は爆発し、シーホースの血が赤い運河に滴る。
シーホースの体がどう、と倒れ、そのままに沈んで行く。
●人魚姫アウラルール:Battle15
アクエリオに伝わる古き伝説によれば、魔王ゼルデギロスと戦う水神アクエリオはその過程で滅びかけていた人魚族の女王を救った。水神の恩に報いるべく、人魚の女王は水神と共に、封印を妨げんとした魔王の配下と戦ったという。
だが今、水神アクエリオの下で戦う人魚たちは、祖先たる人魚たちが戦った目的とは真逆の目的で戦うことを余儀なくされていた。
彼女達の体に現れた仮面は、己の行動に疑問をさしはさむ余地を与えない。
「水神様に従い……魔王ゼルデギロスを復活させるのです……」
虚ろに命じる人魚姫アウラルールの体にもまた、マスカレイドの仮面は現れている。
マスカレイド化したシーホースと共に戦う人魚たちの多くは本来水神の庇護下にあり、人類と相容れないとはいえ、襲う理由を持たない者達だ。
棘(ソーン)はそうした事情を全く考慮することなく、彼女達を戦力とし、人との戦いに駆り立てる。しかし、彼女達の苦しみを金瞳の女天狗・ソノ(c17161)は感じていた。
「ほらほら、アクエリオ名物の清らかな水が泣いてるわよ?」
揺れる視線でソノを見るアウラルールに、ソノは指で印を結びながら告げる。
「あなたもかつてのきれいな姿に戻らないと。アタシたちが取りもどしてやるからさ?」
言葉と共に、木の葉が舞った。
木の葉の回転はたちまちのうちに竜巻となり、周囲の水ごとアウラルールを巻き上げて行く。
その竜巻の中で、アウラルールの仮面が吹き飛ぶように消えるのをソノは見た。
アウラルールの視線とソノの視線が絡み合い、アウラルールがソノに礼の言葉を告げようと美しい唇をあげた瞬間だった。
「人間の方、ありが……あああーっ!?」
木の葉竜巻の術は、アウラルールを遥か彼方まで吹き飛ばした。
運悪く、その先では運河が滝のようになっていた。
重力に逆らわず、尾を引く悲鳴を残してアウラルールの姿が消える。遠く水音が響くのを耳にして、ソノは指先で頬をかく。
「……ちゃんと正気に戻ったみたいだし……うん、良かった良かった」
誤魔化すように言って、女天狗は早々にその場を立ち去っていった。
●空を統べるキョウラ:Battle18
都市国家の天井を覆うように、九本の尾を持つ巨大な狐たちが乱れ跳んでいた。
アクエリオの封印が弱まったことで復活した巨獣『死尾狐』の群れだ。周囲にはハーピーが大群を為して、眼下の人々を襲っていた。
死尾狐の群れの長、空を統べるキョウラは、高い建物の屋根の上に陣取っていた。
その口の周りは、貪った屍の血で赤々と染められている。
はらわたを食い尽くされた屍を放り捨て、キョウラはもはや狐とは似ても似つかぬ猛獣の如き遠吠えを上げた。
その絶望感の漂う光景を破るように、エンドブレイカー達は巨獣が群れを為す屋根の上へと躍り出る。
『ガウッ!』
キョウラの号令一下、降下して来たマスカレイド達がエンドブレイカーへと襲い掛かっていく。
こちらを一呑みに出来そうな巨大な顎、涎に濡れた牙までが見える距離になった瞬間、アックスソードの自由農夫・レオ(c10291)は身を翻らせた。口をさらに横に開くように羅戦刀で切り開き、身を回してさらに一撃を加える。
「戦ってやる。来い!」
それを合図として、飛び掛かる水神・教主軍の飛行戦力と、エンドブレイカー達との戦いが始まった。マスカレイド達を地面に引きずり降ろし、エンドブレイカー達は死尾狐に次々ととどめをさしていく。
その周囲で群れを為していたハーピー達の数も次第に減り、やがて空を統べるキョウラは孤立した状態となる。
ふらつきながら飛んでいたキョウラを目掛け、レオの取り出したマジックマッシュが弧を描いて飛んだ。キョウラの顔に当たったキノコが胞子を噴出し、それをとどめとして巨体が墜落していく。
「思ったよりも効いたな。巨獣といえど、マスカレイドに堕す惰弱な者達ではこの程度」
レオは小さく頷くと、次なる戦場を求めてその場を後にするのだった。
●強いぬいぐるみファンシー音楽隊:Battle28
夢姫の城から伸びる、透明な階段。その途上にある先程、うさぎさんを撃破したエンドブレイカーが入手した『夢姫城の鍵』を扉の鍵穴に突き立てる。
音を立てて開きゆく扉の向こう側には、世にも奇妙な光景が広がっていた。
常に変化を続け、一度として同じ姿を見せることの無い夢の城。
子供達を楽しませるためだけに存在する、まさしく夢幻の如き光景。
それこそが、夢姫の城であった。
『侵入者♪ 侵入者だよ♪』
門扉の上に立った猿のイマージュが叫び声を上げながら、折り重なった獣の上に降り立った。奇妙な節のついた声で、獣のイマージュ達は歌い上げるように呼び声を上げる。
『レムちゃんを守るんだ♪ 僕達の夢姫様を♪』
その警告の声が響くと共に、城のあちこちで動きが生じる。
バタバタと音を立てて扉や窓が閉まり、
『いじめっこはかえれ!』
などと書かれた旗が掲げられる。戦場ラッパが鳴り響き、整列したイマージュたちが一番大きな門から次々と吐き出された。
「これが」
にわかに臨戦態勢となった夢姫の城へと走りながら、爪のデモニスタ・キャスリン(c09207)は最初に警戒を発した、一際大きな『獣の塔』状のイマージュマスカレイドに狙いを定める。他のエンドブレイカー達にも注目を浴びていたマスカレイドは、既に大きくぐらついていた。
『みんな、がんばれ〜♪』
「頑張られると困るのじゃよ……っと」
夢少女達とさして変わらぬ年齢のキャスリンは、掌の上に生まれたデモンフレイムを、そのイマージュに向けて思いっきり撃ち出す。
黒い炎に包まれたパンダの毛皮が焼け焦げ、熊のように真っ黒になった。
その直後、イマージュの常として獣の塔は消え去っていく。
●レムちゃんの木のおうち:Battle30
変幻を続ける夢姫の城の内部を、エンドブレイカー達はひた走る。
彼らの行く手に待ち受けるのは、イマージュと夢姫の『お友達』たる夢少女達だ。
いずれも等しくマスカレイド。これだけの数の子供がいた事はある意味で衝撃的だが、それもまた夢姫がいかに活動を続けてきたかを示しているのだろう。
やがてエンドブレイカー達は、広い森のような場所に出た。
「城の中に森か……」
「空に浮いているよりは、まだ受け入れやすいですね」
そう声を交わしながらも、油断をする者は誰ひとりとしていない。
夢姫の力で造られたこの城は紛れもなく敵地だ。
「どこから攻めて来る……うわっ!」
言っている間にも、敵は足下から来た。
木の根が地面を割って現れたかと思うと、鞭のように振るわれて来る。横っ飛びにそれをかわしたエンドブレイカーが空中で反撃の一刀を繰り出し、足を薙ごうとした根を焼き払う。
瞬間、森の向こうで動きが生じた。
巨大な樹木が、突如として動いたのだ。ブランコや滑り台をぶら下げた背の高い樹木は、地響きを立てながら開き、中からマスカレイド達を吐き出していく。
「あれもイマージュマスカレイド!?」
「というか、この森自体が……来ますよ!」
木々が突然割れたかと思うと、そこから飛び出してくるのは夢姫配下のイマージュマスカレイド達だ。無数の攻撃が、森に踏み入ったエンドブレイカー達へと繰り出されていく。
それを凌ぎながら、這い寄るアホ毛マイスター・アヤカ(c02319)たち≪弓術戦団「サジタリウス」≫暁の弓士隊は前進していった。
小高い丘のようになった場所から狙うのは、遠くそびえる大樹だ。既に多くのエンドブレイカー達の攻撃を受けながらも健在な巨木に、彼女達は狙いを定める。
「あいつ、やっつけちゃいましょう!」
アヤカの手の中に、ハートのやじりを持つ矢が生まれ出る。それを矢につがえるや否や、アヤカはそれを撃ち放った。
木の上まで飛んだ矢が弾けたかと思うと、そこからピンク色のハートが雨霰と降り注いでいく。
『オオォォォ−ン』
心を奪われたイマージュマスカレイドの吠える声が響く。ハートの雨霰が止むと同時、夢の森のマスカレイド達は抵抗を止めていた。
●『深海大領主』雷鳴のディオスレオ:Battle8
「なんとか防いだか。だが、ここまでだな」
2度に渡るエンドブレイカーの攻勢を撃退した『深海大領主』雷鳴のディオスレオは、ディオスレオ自身はかすり傷程度しか被っていないが、配下のバルバマスカレイドどもではそうはいかない。
生き残っているものは半分を遙かにしたまわっているのだ。
「だが、それがどうした。もとより、あのような輩の誘いに乗って地上に出た時から、命は無いものと覚悟していた。あとは、どれだけ多くの道連れを連れていけるかのみ!」
デオスレオは、迫り来るエンドブレイカーの第3波の前に挫けそうになる配下達に、最後の檄を飛ばした。
「『獣王』バンガイアを殺した者達に復讐を、殺せ、殺せ、殺し尽くせ!」
ディオスレオの雷鳴のような怒号に、士気を失いかけていたマスカレイド達も我に返った。
自分達は、復讐戦を挑む為に地上にやってきた、そして目の前にその仇達が居るのだ。
ならば、やることはひとつではないか?
「殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!」
「殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!」
「殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!」
マスカレイドバルバ達は、武器をうちならして、そう叫ぶと、勇敢に或いは無謀に、エンドブレイカーの前に立ち塞がった。
そして……、圧倒的な戦力差の前に、バルバマスカレイド達は、草を刈るように次々と倒されていくのだった。
そして、いつしか、戦場に立つマスカレイドバルバは、ディレオスのみとなっていた。
その戦場の中、木漏れ日の少女・ディア(c01888)は、戦場に屹立する偉丈夫、ディオスレオに相対する。
「キミの弟さんは、とんでもない戦士で、間違いなく王様だった。
だから、キミが弟の復讐をしたいのは分かる、それでも……。私達にも、譲れないものが沢山あるから。悲劇は、この手で握りつぶす!」
ディアは、ディオスレオにバンガイアの姿を重ねて、そう宣言し、必殺の間合いでの攻撃に移る。
「それでよい。それでこそ、我が弟の仇だ」
牙を剥いたディオスレオは、しかし満足そうにディアを見ると、その攻撃を正面から受けてみせた。
ディアのヴォルカニックブレスの炎がディオスレオを包む……。
「これでこそ、我が弟を討った者だ。最期の戦いが、お前達との戦いで……」
最期まで言葉を発する事なく、ディオスレオは炎の中に息絶えた。
この武人らしい最期に居合わせたエンドブレイカーは、軽く黙祷すると、その場を後にした。
次の戦場に向かうために。
●水路迷宮の水先案内人・アルファーネ:Battle15
「オーッホッホッホ! たかがゴンドラ乗りに過ぎない『黒鳥』などよりも、ファルケイン様に従うのは当然のこと!」
堂々と鞍替えしたことを宣言しながら運河を往くのは、水路迷宮の水先案内人・アルファーネ。
『怪盗』ファルケインの配下についたマスカレイドだ。
「わたくしの力を持ってすれば、ファルケイン様に勝利をもたらすことなど容易いこと!」
というのは自称である。『黒鳥』が決戦の時に呼ばなかったというのは、つまりは「頼りにならないので呼ばれなかった」のであろう。 その事実をファルケインはおそらく理解しているのだろうが、宝石以外に興味のないファルケインが彼女の命を惜しむかといえば、どう考えてもNOだ。
盾の一枚にでもなれば良いという程度の扱いだが、それを理解していないのは、おそらくは本人だけであった。
しかし、その傲慢なポジティブ思考は全てを超越する。
「全力で戦う必要などありません! 半分もいれば十分ですわ!」
そういってアルファーネが本当に半数近い配下に待機命令を出したことを聞いたファルケインは頭を抱えていたが、彼女がそれを気にするはずもない。
そんなアルファーネは昼ごろにエンドブレイカー達と遭遇し、戦い、瞬く間に戦力を壊滅状態に追い込まれていた。
「な、なななななんですってぇ!? どーいうことですのズルいですわよそんなの! これは何かの間違いですわそーですわ一旦華麗なる戦略的後退を取るべきですわね!」
息継ぎなしに言ってアルファーネはゴンドラに飛び乗る。後に取り残された部下達など御構い無しだ。
「今回の雑魚たちが弱かったからいけないのですわ。残り半分の配下と合流すればイケる! イケますわ!」
「逃がすはずがないですのに……往生際が悪いね!」
サラマンダー・ガーベラ(c12981)が呪文を唱えると、杖の先に火球が浮き上がる。
放たれた火球が大爆発を起こし、ゴンドラごとアルファーネを呑み込んだ。ゴンドラを漕ぎ出そうとしていたアルファーネが、一瞬で倒れる。
「ふん、口ばっかりか……」
つまらなそうに言うガーベラの前で、アルファーネはゴンドラごと運河の流れに乗って流されていくのであった。
●鉄神の将キガンキング:Battle13
アイゼンガープの内側に存在するゼルデギロス城は、魔王軍の本拠地であった。
だが、いまや魔王の心臓を喪ったゼルデギロス城はただの砦に過ぎず、ゴーレム軍団が寄る辺とした追加機能も、そのことごとくが使用不能となっている。
だが、それでも二頭立ての戦車から上半身が生えたようなゴーレム、キガンキングは、その受けた使命を果たさんとしていた。
「侵入者ヲ抹殺スル!」
傲然と言い放つと同時、侵入者たるエンドブレイカー達に向けての突撃を敢行するゴーレム軍団。その攻撃を真っ向から受け止めたエンドブレイカー達は、逆にキガンキング軍を押し戻していく。
攻撃を受け、炎に包まれるゴーレム達。
次々と金属の体が倒れる中、は魔道書のデモニスタ・シャルロッテ(c23420)は突進を繰り出そうとするキガンキングに狙いを定めた。
「マインドブラストですの!」
二条の閃光が二頭立ての馬車の、馬のそれぞれを撃ち抜く。
動きが乱れ、壁に激突したキガンキングに、ダメ押しのマインドブラストがさらに飛ぶ。
後退しようとしたキガンキングに周囲のエンドブレイカー達も攻撃を集中、その動きが次第に鈍くなっていく。
からからと空転していた馬車の車輪が停まる頃には、行く手を遮っていたゴーレム軍団との戦闘も終わりを迎えていた。
行く手に広がる寒々とした空洞を踏みしめ、エンドブレイカー達は魔王軍の中枢、そしてまだ遭遇したことのない部位所有者の元に近付いていく。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
---|---|---|---|
近衛海馬サンバイン | 519 | 15勝0敗 完勝! | 【拒絶体】【勢力争い】1060⇒0 |
人魚姫アウラルール | 590 | 15勝0敗 完勝! | 【拒絶体】1073⇒0 |
空を統べるキョウラ | 903 | 18勝0敗 完勝! | 【絶望】1750⇒0 |
強いぬいぐるみファンシー音楽隊 | 800 | 25勝3敗 勝利! | 【ガード】2111⇒0 |
レムちゃんの木のおうち | 852 | 21勝9敗 勝利! | 【ガード】2333⇒0 |
『深海大領主』雷鳴のディオスレオ | 403 | 8勝0敗 完勝! | 【勢力争い】203⇒0 |
水路迷宮の水先案内人・アルファーネ | 573 | 15勝0敗 完勝! | 【傲慢】846⇒0 |
怪盗紳士ブラッドクロウ | 581 | 1勝13敗 敗北 | 【隠密】999⇒566 |
鉄神の将キガンキング | 690 | 13勝0敗 完勝! | 【ウォール】1280⇒0 |
ブレイクゲージ残量(第3ターン終了時点) |
---|
61453−566=60887 |