<アクエリオの戦い 第4ターン結果>
第4ターンの開始状況
●『夢姫』レム:Battle47
歓楽街を思わせる賑やかな光景が、『夢姫の城』の玉座の間には広がっていた。
よくあるような王宮の広間に、子供部屋を混ぜたかのような雑然とした光景。
夢から生み出されたのであろうオモチャや絵本が散らばり、異様なまでに広い広間のあちこちでは、マスカレイド化した子供達が周囲の状況も見えないかのように踊り騒いでいる。
子供達の夢から出て来たのか、あるいはレムが創造したのか分からないイマージュマスカレイド達もまた、広間のあちこちに姿を見せていた。
「エンドブレイカー……。……よくも、私のお友達を……」
がり、と小さな歯を噛んで、仮面の下から底冷えのするような視線がエンドブレイカー達を睨む。『夢姫の城』はエンドブレイカー達によって制圧され、レムの勢力もこの大広間を残すのみだ。
『夢姫』レムの魔王の部位は、道化師を思わせる半身として発現していた。
元の少女姿を直接目にしたエンドブレイカーは存在しないが、マスカレイド化による異形の発現として、かなりの力を持っていることが容易に感じ取ることの出来る姿だった。
「ただ、可愛いだけであれば、幸せに過ごすことも出来たでしょう……けれど……」
「うるさい! あなた達は、私のお友達になんかしてあげないわ」
白き大鴉・セシル(c00289)の言葉に、レムが激しく無数の手を振り出した。
その手の動きがエンドブレイカー達の頭に、重い眠気を及ぼして来る。
「『夢姫』というだけのことはあるようですね」
『夢姫』は、その力を全開させ、エンドブレイカー達を二度と目覚めぬ眠りへ引きずり込もうとする。
「うさぎさんが言っていたの。もっとカーニバルを広げて、お友達を増やすの。もっと、楽しい夢を探すの。もっと、もっと、もっと!」
彼女は、何にも満足することは無い。
無垢であり、それ故に尽きぬ欲望を持つマスカレイド。
それが彼女、『夢姫』レムなのだ。
レムの抱く感情が、翼が放つ波動に乗って、エンドブレイカー達に襲いかかる。怒り、憎悪……そして、満たされぬ寂しさ。
「寂しさ……?」
「うるさいわ。もう、眠っちゃいなさい……!」
エンドブレイカー達の幾多の攻撃を受けながらも、魔王の部位は崩れず、レム本人の細い体への攻撃を阻み続ける。
だが、その勢いも、放たれる攻撃も次第に衰え、配下のマスカレイド達も倒れていく。
「終わりにしましょう」
やがてセシルのアイスレイピアから放たれた冷気が、レムの体を捉えた。
「いや……わたしは……もっと……!!」
何を求めたのか、おそらくは彼女自身さえも応えられぬ問いを虚空に発しながら、レムは氷に包まれていく。
『夢姫』の敗北と共に、『夢姫の城』もまた崩壊を始める。
本来ありうべからざる城は、崩れながら夢の世界へと引き込まれようとしていた。
「……さあ、次へと参りましょう」
セシルはエンドブレイカー達に言い、脱出を促す。夢姫の城の崩壊はエンドブレイカー達が脱出を終えると加速度的にその速度を増し、やがては全てが無に消える。
夢姫もその配下も、まるで全てが夢であったかのように消え去っていた。
●怪盗紳士ブラッドクロウ:Battle8
「やれやれ……二度目は通用しませんか」
全身を赤の衣装で統一した怪盗紳士ブラッドクロウは、大仰に肩をすくめた。
ブラッドクロウと配下達は、一度は奇襲によってエンドブレイカー達を退けていた。しかし、彼の発言の通り、二度目となるとそうもいかない。
彼は既に、エンドブレイカー達によって追い詰められつつあった。
シールドスピアを構え、乱反射・ゼナイド(c15089)がくすくすと笑う。
「面白い御方。いつまでその余裕を保てるのか……私、そのことだけが気になりますの」
「それは無論、死ぬまでですとも! ですが、私も無為にやられるつもりはありませんよ!」
ブラッドクロウの指先が、愛用の竪琴を爪弾く。
竪琴の調べがアビリティとなり、彼の下につけられた怪盗達が一斉に駆け出し、エンドブレイカー達へと攻撃を仕掛けていく。
「しかし、私達を倒すには不足です」
ゼナイドらエンドブレイカーは、その攻撃を凌ぎ切ると反撃に移る。
たちどころに倒されていく怪盗達の姿に、ブラッドクロウも敗北を悟ってか肩をすくめる。
「これはまた、困った状況ですね」
「本当に、死ぬまで余裕を保つおつもりですの?」
「まあ、怪盗ですからね、私は」
炎に身を包まれ、熱気に襲われているだろうにも関わらず、紅衣の怪盗は涼しげに余裕ぶってみせる。
「ご立派ですこと。私のレギオスブレイドで、終わらせてさしあげますわ」
「おほめに預かり光栄ですね!」
ブラッドクロウの指先が、竪琴を爪弾かんとした瞬間、レギオスブレイドが彼の曲を永遠に終わらせていた。
●『怪盗』ファルケイン:Battle31
貴族の家々が立ち並ぶ高級住宅街が、眼下には広がっている。『怪盗』ファルケインがいたのは、彼と配下達が散々荒らしまわった貴族街を見下ろす塔の上だった。
「困ったことだ。君達と積極的に争うつもりは、こちらには無かったのだけれどね」
塔を突破して来たエンドブレイカー達を出迎えて、ファルケインはうそぶく。
既に『怪盗』の視線の先では、エンドブレイカーとファルケイン配下のマスカレイド達との戦いが幕を開けていた。
一方的に押されているのは、既にファルケインの前にエンドブレイカー達が現れていることでも分かるように、怪盗達の側だ。
「だったら人のいない場所にでも行っていろ!」
「そうはいかない事情があってね」
さしものファルケインにも、余裕はない。
レイピアでエンドブレイカー達を牽制しながら、言葉を紡ぐ。
「さっさとこの都市国家からも逃げたいところだが、生命の危機にならないと魔王の部位所有者という因果が私をこの都市に縛りつけて離してくれないんだよ」
マスカレイド化に加えて、元々優れた剣士なのだろう。
ファルケインの振るう細剣はエンドブレイカー達の攻撃を跳ね除け、反撃を入れていく。
「まあ、結局は僕はマスカレイドで君達はエンドブレイカーだ。争うのも運命ということだろうね。こうなってしまった以上は、テレポーテーションの準備が整うまで時間を稼ぐとしよう!」
次々にエンドブレイカー達の攻撃を受け、攻撃を衰えさせながらも、ファルケインは華麗なる剣を振るい続ける。
「さあ、行こう! 遺失魔術<テレポーテーション>……!」
塔のバルコニーの外に、空間の割れ目が口を開ける。
ファルケインがそこに身を投げようとした瞬間を、暗翳の弓撃手・ベルハルド(c15985)の瞳は捉えていた。
青白い炎がベルハルドの瞳に宿り、全ての動きがゆっくりと見えるような濃密な集中の中、ベルハルドが放った矢は大気を突き破り、衝撃と共にファルケインの背を突き破った矢の先端が、外衣を突き破って胸から顔を出す。
「あ……何だって……?」
自分の胸から顔を出した矢を放心するかのように見下ろしたファルケインの横、生まれていた空間の裂け目が消える。
ファルケインの体はそのまま塔から滑り落ち、鈍い音を響かせた。
「よし……次はどの部位所有者だ?」
大殊勲をあげたベルハルドは、チームの仲間達に眼光鋭く問うのだった。
●鉄神の将ゲノムリーダー:Battle13
遺跡の広間にてエンドブレイカー達を待ち受けていたのは鉄神の将ゲノムリーダー率いる一軍だった。完全に稼働していれば、一軍だけで他の勢力にも匹敵するであろう恐るべきゴーレムたち。だが、その精鋭達もことごとくがエンドブレイカー達によって打ち破られ、全力を発揮するには遠く及ばない。
だが無論、鋼鉄の軍団がそれで怯むはずもなかった。
彼らはただ己の受けた命令を果たすべく、機能を作動させていく。
『ユニゾンモード・スタートアップ。ツヴァイからドライツェーンまではスペアを使用。
全エラーを無視』
『人類抹殺光線使用不能。魔法破壊光線使用不能。金属破壊光線使用不能……』
『全エラーを省略。頭脳ユニットより全機体を統括する』
次々と吐き出される音声を中断し、既に天井に到るまでの高さに達したゲノムリーダーが立ち上がる。巨大な体が、ゆっくりとした動きでエンドブレイカー達の方を向いた。
『攻撃開始』
命令と同時に、地響きを伴って開始されるのは防衛ゴーレム軍団の最後の抵抗だ。
この場を突破されれば、鉄神ギガメタルまでの障害はもはやなくなる。
「だからこそ……勝たせてもらうわ!」
『撤退不能』
勢いに乗る煌舞緋蝶・レイラ(c01598)達エンドブレイカーと、鉄神の将が率いる軍勢がぶつかり合う。
この場にいる魔王軍の中核となっているのは、無論ゲノムリーダー。
その弱点もまた、露骨に示されていた。
唯一金色に輝く、ゲノムリーダー本来の頭部……。
「ハートを射抜かせてもらうで!」
焔美燦然の弦を引き絞りながら、レイラはステップし僅かに距離を調整。
一直線に飛んだ矢が、まずはゲノムリーダーの頭部を貫き視界を塞ぐ。
「そして……これでしまいや!」
輝きながら飛んだ矢が、金色をした中枢ゴーレムの胸を貫いていた。
中枢たる黄金を貫いた一撃が、巨体を倒壊させていく。
やがてエンドブレイカー達の前に、最後の扉は開かれた。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
---|---|---|---|
アンデッド・ウルカンダール | 848 | 28勝4敗 敗北 | 2186⇒113 |
『水神』アクエリオ | 689 | 2勝40敗 敗北 | 【拒絶体】【超回復】2878⇒1645 |
『夢姫』レム | 1214 | 41勝6敗 勝利! | 3444⇒0 |
怪盗紳士ブラッドクロウ | 371 | 8勝0敗 完勝! | 566⇒0 |
麗しの姫の騎士ハイネルス | 439 | 0勝14敗 敗北 | 【隠密】999⇒818 |
『怪盗』ファルケイン | 1247 | 31勝0敗 完勝! | 【逃亡】2177⇒0 |
鉄の工房 | 521 | 19勝11敗 敗北 | 1280⇒164 |
鉄神の将ゲノムリーダー | 604 | 13勝0敗 完勝! | 【ガード】1280⇒0 |
ブレイクゲージ残量(第4ターン終了時点) |
---|
60887−113−1645−818−164=58147 |
ターン終了時能力 |
---|
『水神』アクエリオの【超回復】! 1645⇒2878 |