<アクエリオの戦い 第6ターン結果>
第6ターンの開始状況
水神祭都アクエリオにおける戦いは、エンドブレイカーの勝利に終わった。
マスカレイドと化した水神アクエリオは正気に返り。
水神によって封じられた魔王ゼルデギロスの再臨を求める部位所有者達は、ことごとくエンドブレイカー達によって討ち果たされた。
だが。
勝利者たるエンドブレイカー達の元に現れたのは、巨大にして美しき、『妖精』であった。
エリクシルの妖精は告げる。
『ゼルデギロス』の芽は枯れました。
『ゼルデギロス』は心臓ひとつになりました。
『ゼルデギロス』の鼓動はいま途絶えました。
『戦い』は『終わり』です。
『全て』『終わり』です。
『喜ばしい』『けれど』『悲しい』『こと』です。
『有資格者』よ、『わたし』を『殺し』、
『エリクシル』に『至る』『道』を『開き』なさい。
かつて『あなた』の同胞が『望み』、あるいは『破壊した』ように、
『エリクシル』に汝の『望み』を『言う』が『よい』でしょう。
昨年、アクスヘイムで妖精と戦ったエンドブレイカー達は知る。
あの妖精は、危険だ。
存在するだけでも、世界は絶望の未来へと近付いていく……あの妖精は、そういう存在だ。
倒さねばならない。
だが、倒した者が得るのは、万能宝石エリクシルを扱う『資格』。
果たしてエリクシルを手にする者は、何を代償に、何を得るのか。
●エリクシル:Battle113
「おいでなすったか!」
アクスヘイムの戦いを経験したエンドブレイカー達が空を見上げる。
エリクシルの妖精……妖精騎士たちが扱う妖精とは遙かに大きさの異なる存在。
その羽根が羽ばたくたびに、鱗粉のような輝きが空から舞い降りていた。
地上に近付くにつれて大きさを増していく、その輝きの一つ一つが人間サイズの「小妖精」だ。
地上へと降り注いだ鱗粉は、エンドブレイカーによって倒されたマスカレイドと同じ姿の存在となって、元のマスカレイドと同様、棘(ソーン)を増すべく活動を繰り返していく。
『ドッペルゲンガー』を創造しました。
『ドッペルゲンガー』は『有資格者』を試します。
「お定まりのパターンですね」
「エンドブレイカー、これは……?」
事態を理解できていない『水神』アクエリオが問うが、この現象の意味を完全に理解している者は、エンドブレイカー達の中にもいまだ存在しない。
ただ言えることは、
「あの妖精を倒した者に、万能宝石エリクシルを扱う資格が与えられるんです」
「ついでに言やぁ、あいつを放っておくとヤバイってわけだ」
そして、全てを把握しきれないまでも、マスカレイドを生み出す存在を放っておくわけにはいかないのは確実だった。
小妖精とドッペルゲンガーの妨害を潜り抜けることが出来たエンドブレイカー達は、地上に舞い降りたエリクシルの妖精へと全力で接近していく。
それぞれに願いを抱き、あるいはただエリクシルを破壊するために。
蒼穹に響く調べ・アリア(c07162)もまた、そうした中の一人であった。
(「届くだろうか」)
己の未熟さを理解し、己がエリクシルまで辿り着けるかどうかを疑いとして自問し、それでもなお魔曲を歌い上げる。
中性的な顔が、エリクシルの妖精を見上げた。
羽根を広げる、その巨体を。
小妖精やドッペルゲンガーを生み出し続ける妖精に仲間と共に攻撃を加えながら、アリアの手にした魔道書が開かれ、紫の光線が放たれ、妖精の巨体を貫いていく。
それが、決着の一撃となった。
エリクシルの妖精の巨体は、光の蝶として弾け飛んだ。
空へと舞いあがる光の蝶の群れは、輝く小さな赤い宝石への道をアリアに示す。
『有資格者』よ。『エリクシル』への『道』は『開かれ』ました。
さあ、『エリクシル』に『代償』を『捧げ』、汝の『望み』を『言う』が『よい』でしょう。
妖精の声がアリアに促す。
「代償……」
アリアにとって捧げるべきそれは、毎夜見る夢。
双子の兄を目の前で失った、悲しみの記憶。
それこそがアリアをエンドブレイカーに至らしめた『傷』、忘れることのできない記憶だ。
「忘れたくない。でも、僕と同じ悲しみを背負う人を増やしたくない──」
だから、彼女は願った。
「悲しみの記憶を代償に、全ての棘(ソーン)の抹消を!」
●望みと代償
万能宝石エリクシルが煌めいた。
エリクシルは『有資格者』となるに至ったアリアのエンドブレイカーとしてのはじまりの記憶に対し、応分に、提示された代償に等しいだけ、その願いを実現する。
『有資格者』よ、『望み』を『実行』します。
ただし『提示』された『代償』に見合う『範囲』に『縮小』されます。
『範囲』は『水神祭都アクエリオ』となります。
この『都市国家』より『全て』の『棘(ソーン)』は『消え』、
『同時』に、全ての『マスカレイド』はここに『留まる』ことが『不可能』になります。
加えて『マスカレイド』と『棘(ソーン)』は、今後『永久』に『侵入不可能』となります。
水瓶に枝を這わせていた薔薇が消え去った。
エンドブレイカー達は、水神祭都アクエリオを覆っていた棘(ソーン)の全てが、一瞬にして消え去った事実を感じ取る。
だが、アリアの頭の中から、悲しみの記憶が失われていこうとしていた。
エンドブレイカーとしての力は残り、しかしその『理由』は、アリアの中から失われるのだ。
「──!!」
大切なものが喪われていく感覚に、アリアの喉から声にならない叫びが上がる。
叫びと共に起こる変化は、心だけに留まらなかった。
失われた記憶に代わり、彼女の背に宿る微かな重さは、青く透き通った一対の羽によるものだ。
妖精の声が響き渡る。
『有資格者』よ、汝こそが『水神祭都アクエリオ』の新たなる『守護者』。
『有資格者』が例えアクエリオに『不在』であるとも、『全て』の『守護』は『保たれます』。
『有資格者』の『背中』の『羽』こそが、その『証』……。
妖精の声が空に吸い込まれるように消えていく。
やがて、事態を見守っていたエンドブレイカー達が、恐る恐る歩み寄った。
「大丈夫、なのか……?」
新たに≪エリクシルの羽≫を得たアリアは振り返り、笑みを浮かべる。
「うん、やったね! みんなお疲れ様!」
その笑顔は、全ての悲しみを忘れたかのように晴れやかだった。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
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エリクシル | 5691 | 113勝0敗 完勝! | 7330⇒0 |
ブレイクゲージ残量(第6ターン終了時点) |
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58147=58147 |