<オープニング>
ラッドシティ警察の独房で殺人事件が起きた。殺されたのは、殺人鼠ケットチャック(37才)。
猫背で小男の冴えない風貌だが、その殺しのテクニックは天才的で、彼に殺されたものは、自分が殺された事に気づくことができなかったとさえ言われている。
容疑者は、同じ刑務所の独房に捕らえられていた殺人犯の5人のうちの誰かしかいない。
だが、6つの独房は完全に独立しており、行き来する事はできないはずなのだ。
果たして、誰が、ケットチャックを殺したのだろうか。
この事件の容疑者は……。
(1)30人殺しのバッドザック
2mを越える巨体と躍動する筋肉を持つ殺人狂、豪腕バッドザック(37才)。
チンピラ同士の喧嘩沙汰で30人を血祭りにあげた事もある。
特技は並外れた握力で、リンゴを握りつぶしてジュースにして飲むことができたという。
彼の力の前には、小男のケットチャックなどひとたまりもなかったであろう。
(2)閃き切り裂きレイザード
天才的で残酷な知性を持つ連続殺人鬼レイザード(27才)。
誰もが考えつかないような閃きによって事件を演出し、被害者を切り裂いて殺して来た。
彼の閃きがあれば、独房の壁など、あってなきがごとし……であったかもしれない。
(3)脅威の軟体男ダルダコーン
体が恐ろしく柔らかく、侵入不可能と思われる場所から忍び込み、安心しきっている被害者を殺す殺人鬼ダルダコーン(16才)。
毎日8時間の柔軟体操を日課としており、殺人鬼の中で最も健康的である。
その健康的な柔軟性は、独房の壁を越えたのか?
(4)食通殺人鬼グルマック
その殺人は全て食べ物の為だったという殺人鬼グルマック(31才)。
あらゆる美食を味わうため、あらゆる殺人を起こしてきた彼は、殺人現場で食事をしてから帰るという特殊な性癖をもっていた。
そのため、殺人現場で食事をする為に、ケットチャックを殺した可能性がある。
(5)フェロモン鬼女ガルンシア
標的の男性を虜にし、怪しい技術で骨抜きにした上で殺す、必殺の女暗殺者ガルンシア。
彼女の標的になり命を落とした男性は数知れずと言われている。
ケットチャックも男性の殺人鬼である以上、彼女の怪しい技術によって殺害された可能性は否めないだろう。
さて、この事件の、驚きの真犯人は?