<クロノスメイズ 第2ターン結果>
第2ターンの開始状況
大人数のエンドブレイカー達が乗っても、全く倒れる様子が無い天秤エレベーターは、その存在自体がラッドシティを構成する『世界の瞳』という遺跡の特殊性を示していると言えた。
エンドブレイカー達にその力があるかを試す試練のためだけに、これだけの巨大天秤が秘められていたというだけでも、遺跡を作った力の凄まじさを伺い知ることが出来る。
制限された時間が来ると共に、エレベーターの入り口が閉ざされる。
光が一瞬エンドブレイカー達を照らしたかと思うと、無機質な声が響いた。
『右の皿に1909人、左の皿に1895人のエンドブレイカーの搭乗を確認しました』
少ない人数の乗った左側の天秤は次第に上昇し、逆に右側の天秤は降下していく。
天秤の皿に乗ったエンドブレイカー達は数十メートルの上下移動を経て、それぞれの戦場へと辿り着いていた。
横から伸びて来た何本もの金属の支柱によって皿が固定され、その支柱に口が開いたかと思うと、大量のゴーレムが皿の上に現れる。
一人ではなく、集団で相対しなくては到底勝ち目のない数のゴーレム軍団だ。
人数の少ない左の皿に乗ったエンドブレイカー達の前には門番が、右の皿に乗ったエンドブレイカー達の前には、雑魚たちが。
エンドブレイカー達はそれぞれの皿に現れたゴーレムを、片っ端から掃討していく。
「試練だっていうからには、倒すのに躊躇う必要もないな!」
こちらがエンドブレイカー……死のエンディングから縁遠い者達だと分かっているせいか、遠慮なく攻撃を仕掛けて来るゴーレム軍団。
見るからに『邪神像』と全身でアピールするようなゴーレム達のあからさまに邪悪な姿に、翠緑の術士・イシェト(c03660)は思わず呟いていた。
「この遺跡、本当にエンドブレイカーのために作られたんですか?」
エンドブレイカーのための遺跡とはいえ、単純に善玉側の遺跡とは言いきれない部分があるのかも知れない。
「私はどちらかというと雑魚の掃討の方が得意な方なのですけどね。まあ、大物だろうと雑魚だろうと、できる限り大きな火力をぶつけるだけです」
邪神像の姿を取った、門番ゴーレムの中の1体に、イシェトは狙いを定めると剣の群れを呼ぶ。
「来たれ、鮫剣……!」
空間を断ち切る不気味な響きを伴って現れる邪剣の群れは、一斉に宙を駆けると敵群れを断ち切っていく。
「見事なり、エンドブレイカー。
次なる『紫煙の間』の全てを知る「小人たちが、お前達を導くであろう」
一際異様なオーラを放つ門番ゴーレムが消滅すると同時に、イシェトの方に箱に入った小人の人形が転がって来る。
両方の皿での戦いが終わると共に、天秤は向きを変え、エンドブレイカー達を新たな地点へといざなっていく。
「ひどく、視界が悪いですね」
辿り着いた広大な空間は紫色をした煙に包まれ、数歩先ぐらいしか見えないような、とんでもなく視界の悪い状態となっている。
ラッドシティでの生活も3か月目となり、エンドブレイカー達も紫の煙が体に別段悪い影響が無いことを知ってはいる。とはいえ、視界を妨げているという事実は解消のしようがない。
「気をつけましょう、何が起こるか分かりません!」
互いに警戒を促しながら、エンドブレイカー達は慎重に先へと進んで行こうとした。
だが、その時だった。
『エンドブレイカーの皆様、ハッピークロノスデイ!!』
紫色の煙の向こうから、唐突に響いた声にざわつくエンドブレイカー達。
「この声……ジェスター!?」
『ハーイ! 皆様の心の友、ジェスターでゴザイマス』
おどけた様子でジェスターの声は告げた。
『コンナ愉快なお祭りにワタシに招待して下さらないなんて、とてもとてもザンネンです。ですがワタシ、道化師として皆様にエンターテインメントを押し売りたいと思いマス!』
「呼んでねぇ、帰れ!」
エンドブレイカー達からブーイングが飛ぶが、ジェスターは愉快そうに笑うばかりだ。
『それではさっそく……カーニバルのはじまりデスよ!』
紫煙の向こうから、剣呑な気配が漂う。
ジェスターがマスカレイドを出現させたのだ!
「マスカレイドを相手にしてる場合ではありませんね。早く出口を探して、奥に進まなければ!」
その時、イシェトの手元で、先程手に入れた小人の人形が動きだした。
先程の天秤エレベーターでの戦いで、番人を倒した時に入手した『こびとさん』の人形が、ひとりでに箱から飛び出し、五方向に散らばると、囁いたのだ。
「……この小人達の囁きに、耳を傾けてみましょう。そこにヒントがあるはずです」
イシェトがエンドブレイカー達に促す。
箱に書かれた注意書きに曰く、5体の小人のうち、3人は「正直小人」。残りの2人は「嘘付き小人」。
前方に位置する白い小人が言う。
「出口はここじゃないよ」「こっちには強敵がいるよ」「戦うなら覚悟しなくっちゃ」「ちなみに、赤と青が嘘付き小人なんだ」
後方に位置する黒い小人が囁く。
「白は正直小人だよ」「青小人の方向には出口は無いよ」「僕の方向の軍勢は、そこそこ強いかな」「ジェスターがいるかどうかは判らなかった」
ジャンプして、イシュトの頭上に乗った赤い小人が天井を指差して言う。
「僕の方向にはマスカレイドはいないようだね」「つまり出口って事だね」「ジェスターがいるのは黒小人の後ろだよ」「ところで、こだけの話、青は正直者小人なんだよ」
イシュトの足下、階段を指差して青い小人が言う。
「出口があるのは、白か黒のどちらかだね」「ジェスターがいるのは黒か黄色のどちらかさ」「勿論ボクは正直小人だよ。ついでに赤も正直小人なんだ」「ボクはカレーよりシチューが好きさ」
そして、予想外の方向から、黄色い小人が声を掛ける。
「みんな、僕の声がするほうに来るんだ」「出口はここさ」「そうそう、ここにいない紫は実は嘘付き小人なんだよ」「本当のボクはカレー色って名前なんだ」
エンドブレイカー達は5人の小人の言葉を受け、思考を開始する。
倒さねばならないジェスターがいるのは、このうち1方向。そして出口も見つけねばならない。
先の見えない『紫煙の間』。果たして真実はどこに……。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 戦力 |
---|---|---|---|
天秤エレベーター「右の皿」 | 1909 | 47勝0敗 完勝! | 0⇒0 |
天秤エレベーター「左の皿」 | 1895 | 37勝0敗 完勝! | 0⇒0 |