<ラッドシティの戦い 第4ターン結果>
第4ターンの開始状況
●『黒き聖女』親衛隊長ダレイワン Battle39「親衛隊、前へ!! 聖女様をお守りしろ!」
シェラハの元へ向かおうとするエンドブレイカー達の前に、紫の兄弟の軍勢が展開していた。
「そろそろ佳境ということか……中心は、『黒き聖女』親衛隊のようだな」
咎の仔・カルム(c00780)は、敵戦力の構成をそう看破する。
労働者の男達を中心とした親衛隊の突破を図るエンドブレイカー達に、親衛隊の隊員たちを叱咤激励する声が響いた。
「『黒き聖女』様の命を奪わんとするエンドブレイカーども! この『黒き聖女』親衛隊ある限り、貴様らは一歩も通しはせん!!」
親衛隊長ダレイワン。『黒き聖女』親衛隊、隊員ナンバー1の男である。
「さあ、往くぞ親衛隊諸君!! 我々の職務は『黒き聖女』様をお助けする事……そのためならば命を賭けて、エンドブレイカーを撃退せよ!!」
「『黒き聖女』万歳!」
「『紫の兄弟』万歳!!」
「ラッドシティに栄光あれ!」
若い男達を中心とした親衛隊は攻め寄せるエンドブレイカー達に真っ向からぶつかっていく。
その乱戦の中に飛び込んだカルムは、アイアンドラゴンを繰り出して、マスカレイドを次々に蹴散らしていた。
「対多数では、こちらの方が良さそうだな」
「同志よ、後ろを振り向くな! くじけるな! 我々には『黒き聖女』がついている!」
声と共にダレイワンの剣がカルムを襲う。
その剣をナイフで受け止めたカルムは、ダレイワンの仮面とにらみ合いながら問い掛ける。
「『黒き聖女』が蛇喰らいシェラハだと分かって言っているのか?」
「構わないに決まっている!! 往け、親衛隊諸君!!」
カルムに斬り付けながら、ダレイワンは仮面を揺らす。
彼の指示に従ってマスカレイド達からエンドブレイカー達へと一斉攻撃が繰り出された。
それでも退かぬエンドブレイカー達の姿に、さしもの親衛隊長にも動揺が走る。
「職も無く金も無く、ただ死ぬだけだったはずの俺が、聖女様をお守りするために力を授かったのだ……聖女様が命じられるのなら、たとえ火の中水の中!!」
マスカレイド化による力を、聖女からの賜りものだと思い込んでいるダレイワンを説得するのは不可能だろう。
「聖女様のために!!」
「分からず屋め!!」
至近距離から繰り出されたナイフが、ダレイワンの腹部を切り裂いた。
「強烈な一撃だ。これでどうだ?」
「おお……『黒き聖女』さま……」
よろよろとカルムの横を通り過ぎ、そして倒れた。その顔から仮面が消え、兜の下から朴訥そうな男の顔が現れる。
「哀れな奴……」
●竜眼ジヘー Battle39
「ダレイワンの奴ァ楽しそうだな、オイ」
遠く聞こえる戦の声に、竜眼ジヘーは苦笑を浮かべた。
「マスカレイドにされて戦うのが……楽しそうに聞こえるんですか、あなたは?」
「自信を持って何かのために命を張れるなら……それは何よりも楽しいことだろうよ」
竜眼の異名を取る男は、鋭い視線を宵夜唄奏・チフユ(c05318)達に向ける。
既に壮年に達しているはずだが、マスカレイドと化したせいか、短く刈った髪のせいか、彼は本来の年齢から若返っているようにも見えた。
「あんたらだってそうだろう? 好き好んで、こんな他所の戦い首を突っ込んで命を張るだけの理由があって、戦ってるんじゃないのかい」
「……そうですわね」
チフユは頷いた。
おそらくは、他のエンドブレイカー達も、エンドブレイカーとしての力があるからという以上の何かが無ければ、こうして命の奪い合いに加わったりはするまい。
竜眼ジヘーの周囲には、彼が元々連れていた『紫の兄弟』のメンバーが集い、集結したエンドブレイカー達との戦闘に突入していた。
迫るエンドブレイカーへと刃を向けて、ジヘーは素早く踏み込む。
「本当に貴族連中と手を組むことになってりゃ手を切ってただろうが、さきに貴族連中が全滅しちまったみたいだな。『世界の瞳』の真の支配者、あんたらの力は確かなようだ」
シェラハがヘレノス監獄にいた頃から連れていた女性マスカレイド達の姿はなく、一際男くさい空間が出現している。シェラハの勢力から離れる考えも持っていたジヘーにとって、彼女達は邪魔だったのだろう。
「ですが、逃げていた方が賢明だったかも知れませんわよ」
ジヘーのような強者ならばともかく、エンドブレイカーに抗し切れるマスカレイドは少ないようだった。
「このラッドシティをどうにかするには、いっぺん全てをブッ壊さなけりゃならんのよ。その過程で何人死のうがな」
ナイフを構え、ジヘーは続ける。
「革命の最後に日和ったゼファーは、それを分かっちゃいなかった。あのシェラハなら、何かやってくれるたぁ思ったが、力不足だったようだな」
苦みばしった笑みを浮かべたジヘーの足を、チフユの設置しておいたトラバサミが捕らえる。
既に受けていた傷にくわえてのこの一撃が、彼に対する決定打となった。
「しまらねぇな、オイ……所詮は死に遅れた年寄り、死にざまなんざ、選ぶべくもないか……」
言って、ジヘーは自らの胸に、手にした刃を突き立てる。
戦いの道を捨てられなかった侠客を、エンドブレイカーは静かに見下ろすのだった。
●死霊使いスケルッツォーネ Battle38
ラッドシティに襲来した海賊の中でも、スケルッツォーネ海賊団はひときわ特異な特徴を持っていた。その特徴とはすなわち、ほとんど全員死んでいるという事である。
団長の他に生きている団員がいないのは、この事に起因する環境の悪さと、団長であるスケルッツォーネの性格の悪さ、加えて「コバンザメ海賊団」と陰口を叩かれる悪評からである。
「全く、ゴルバック様のためとはいえ、こんなところまで来させられてしまうなんて……」
ブツブツと呟くスケルッツォーネ。
彼を団長とするスケルッツォーネ海賊団……すなわち彼の率いるアンデッドマスカレイド達はゴルバックの本陣の前に布陣させられ、守りに当てられていた。鋼の体を持つゴルバックといえど、連戦を強いられれば必ずしも勝利を得られるとは限らない。
「死なないから良いだろうって、壊れたらまた作り直すなり集めるなりしなくちゃいけないって、前から言ってたのに」
だが戦いが終われば、この戦いで出た死者をまた自分の戦力に加えることも出来る。
他の海賊達に「コバンザメ海賊団」と陰口を叩かれるスケルツィオーネが本領発揮する時間がやって来るのだ……。
だが、そうして愚痴をこぼしていられるうちがスケルッツォーネの幸福な時間だっただろう。
「うぉあー!?」
自慢のアンデッドたちが滅びる様に、元から白いスケルツィオーネの顔が、さらに蒼白となる。
ゴルバックを一度は倒したという事実から、彼はラッドシティに集っているエンドブレイカー達がどれだけ危険な存在か、認識を改めるべきであったのかも知れない。
「ミカエル、ダミエラ、フランソワーヌ!! ああ、僕の可愛いアンデッドたちが……」
「だったら大事にしまっておきなさい」
アンデッドの名前を呼びながら、涙目でエンドブレイカー達を睨むスケルッツィオーネに、黒き護刃・ヤンカ(c11423)は呆れ顔。
太刀を引き抜き、側にいた骸骨騎士を斬り倒すと、死霊使いの顔がさらに歪んだ。
「ロザルティエンヌ! ああ……だから、僕はここに来たくなかったんだよぉ!?」
魔鍵を投げ付け、エンドブレイカーの動きを封じるスケルツィオーネ。
「お前達を殺して、新しいアンデッドにしてやる!!」
「性格、曲がってるわね……」
骸骨たちの姿に、ヤンカは太刀を鞘から引き抜いた。
素早く走り寄り、防ごうとかざされた魔鍵を鞘で押さえ込む。
「っ!?」
「……私の刃は“護り防ぐもの”。貴方では通らない」
下方から跳ねた刃が、月のような弧を描いて死霊使いを切り裂いた。血を流し、よろよろと壁面にもたれかかった死霊使いはとぎれとぎれに呟く。
「こうなれば……研究中の秘術で……僕自身の……アンデッド化を……」
「!?」
かつてのアクエリオでは同様の手段で蘇った者がいた事を思い出し、エンドブレイカー達は即座に死霊使いの周囲に集まると、死体をじっと見つめる。
しばらくして大丈夫そうだと判断したエンドブレイカー達は、念の為にデモンリチュアルを使えるデモニスタの手で遺体を消した後、その場を後にした。
彼らの往く手は、「大海賊」と呼ばれた男、『鋼熊』ゴルバックの陣地が待ち受けている。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
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『黒き聖女』親衛隊長ダレイワン | 1992 | 39勝0敗 完勝! | 【ガード】2097⇒0 |
竜眼ジヘー | 1977 | 39勝0敗 完勝! | 【不惑】2097⇒0 |
死霊使いスケルッツォーネ | 1941 | 38勝0敗 完勝! | 【ガード】1800⇒0 |
ブレイクゲージ残量(第4ターン終了時点) |
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72519=72519 |