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ふたりのリヴァイアサン大祭

銀の剣に選ばれし騎士・ローラント
先駆ける翠華・ファラーナ

■リヴァイアサン大祭『雪灯りの二人』

「とても楽しいお祭りだったな」
 雪明かりの道を二人並んで歩いていると、ファラーナが突然そう言った。ローラントはその言葉に微笑み、そうですねと言葉を返す。
「君と一緒にこんな楽しいお祭りに参加出来たなんて、私は幸せものですね。それに……」
 ローラントはファラーナの耳元に口を近づけ「今日はいつもにも増して、綺麗だよ」と囁いた。そんなローラントに頬を赤らめるファラーナ。道の途中にあったベンチに座ろうかと、ローラントは懐からハンカチを取り出しそれを広げてファラーナを座らせた。
「あ……ありがとう」
 二人並んでベンチに座る。静かだ。まるで、二人だけ時が止まったかのように……。
「覚えていますか? 私が君に告白した時のこと」
 ローラントが雪降る夜空を見上げながらそう言った。その横顔を見つめながらファラーナは微笑む。
「ああ、もちろんだ」
「つき合い始めてから、色んなことがありましたね。ほら、ホシホタルを見に行った事とか……」
「あの時のローラントは、浴衣がとても似合っていたな。水没した街に行った時の事は覚えているか?」
「私が君に歌を贈った時ですね。あの時の君の赤くなった顔、とても可愛らしかったですよ」
「ろ、ローラント!」
 顔を赤くして怒るファラーナだが、その表情はとても嬉しそうだった。
「収穫祭の時の果実ジュースも、とても美味しかったな」
「こう思い返してみると、本当に色んな事がありました。そのどれもが、私にとっては大切な思い出です。だから……」
 すっと、ローラントの手がファラーナの頬に触れる。
「だから、これからもずっと一緒にいたい……。君の側で、もっと大切な思い出を作っていきたい。ファラーナの未来を、予約させてもらっても良いかな?」
 その告白に、ファラーナは頬を赤らめながらもローラントの首に腕を回して微笑む。
「うん、いいよ」
 何よりも代え難いその綺麗な微笑みにローラントも微笑み、そのままファラーナを抱き寄せて柔らかな唇にキスをした。
 二人一緒なら、降り積もる冷たい雪の中でさえ寒さを感じない。それはきっと、大好きな人と一緒にいられると言う強いパワーがそうさせるのだろう。
「来年の同じ日にどこかのお祭りに行って、こうしてまた一緒に過ごそうね」
 ローラントはファラーナの身体を抱きしめなから、そう約束する。
「もちろん。ローラントと一緒なら、どこだって行くよ。大好き、ローラント」
「私も大好きだよ、ファラーナ。ずっとずっといつまでも……」
 いつまでもこんな日が続きますように。そう夜空に願いを込めて。
イラストレーター名:笹井サキ