■リヴァイアサン大祭『どれにしようかな』
リヴァイアサン大祭を楽しむのは何も恋人達だけではない。むしろ友達同士の方が気兼ねなく過ごせるのでは無いだろうか。インディアとニャムは適当なショップに入ると、互いに贈るべき物を選んでいた。
「それにしてもカップル多いな……」
「ニャムたちはニャムたちで楽しめばいいよー。ところで、インディアちゃんはもう決まったの?」
「いや全然。中々いいのが決まらなくてよ……ニャムは何にするんだ?」
中々贈る物が決まらなかったインディアは、自分に贈られる物が気になってふらふらとニャムの元へと近づく。
「私もまだ。それに決まってても教えられないよ〜」
「そりゃそーだ」
彼女から離れ、インディアは再びプレゼント探しに没頭した。あーでもないこーでもないと店内を見回し、ようやく物が決まったのか、それをカウンターに持って行く。
「インディアちゃんは何買ったの?」
「へへ、秘密だ」
プレゼントを包装している間、ニャムが何を買ったのだろうと覗いて来たが、インディアはニャリと笑みを浮かべつつも彼女の視線をプレゼントから隠した。
「じゃ、俺からのプレゼントだ!」
「それじゃ、ニャムからのプレゼント〜」
店を出ると二人は互いに選んだプレゼントを交換し合い、帰路に着いた。
「〜♪ 〜♪ 〜!?」
「……と。逃げやしないんだから、前見て歩けよ」
中身が気になるのか、プレゼントに意識が向かっていたせいでニャムは前のめりに転びそうになる。インディアは間一髪の所でそれを支えた。
「普段から抜けているんだし、更に危険だぜ」
「う。そ、そういうインディアちゃんだってさっきからプレゼントに視線が行ってるよー?」
「き、気になるんだから仕方ねーだろ!?」
図星を指摘され、インディアはニャムを睨む。そして――。
「「……あははははっ!」」
少し間が空いた後、二人はお互い様だなと一斉に笑い出した。
「それじゃ、急いで帰って中身見ようぜー!」
「うんっ!」
そして、お互い笑いながら家までの道を駆けて行く。
プレゼントの中身に、心を躍らせながら……。