■リヴァイアサン大祭『フィアナとミミのリヴァイアサン大祭』
「フィーちゃ……っ!! あれ!! あれが星霊リヴァイアサンなんやね……!?」リヴァイアサン大祭の日を思い切り楽しむため、外へと出掛けたミミは、初めて目にした星霊リヴァイアサンを指差してフィアナを呼んだ。駆け寄ったフィアナも空を見上げて思わず感嘆の声をもらす。
「わー……すごい……ね……」
「綺麗だね〜〜〜……!」
上空を悠々と飛び回る水の星霊リヴァイアサンは彼女達の上にも真っ白な雪を降らせ、辺りにはしんしんと幻想的な空気が満ちてきていた。暖かくて可愛らしいワンピースを身にまとい、手を取り合うように寄り添って、感動で固まってしまった二人はしばらく大きな大きなリヴァイアサンをじっと見つめていた。
「フィーちゃん、ふぃ〜ちゃん♪」
「な〜に? ミーちゃ……きゃっ!」
楽しそうに彼女の名前を呼ぶミミの方に振り返ろうとしたフィアナの頬へ、ぼふっ、と軽い音と共に小さな雪球が当たる。手袋に白い雪をたくさんつけたミミがにんまりとして、降り積もる雪をすくい上げた。
「つめたぁ〜〜〜〜い!」
さっきよりもちょっぴり冷たくなってしまった頬に手をあてて、フィアナはミミを軽く睨む。
「ね〜ぇ〜、ミーちゃん冷たいよ〜! 雪球投げたでしょ〜〜〜?」
「えへへっ、投げたよぉ〜〜〜♪」
ミミの手によって作られた新しい大きめの雪球がフィアナの衣装に向かって投げられ、そのままミミは逃げるようにはしゃいで前へと走り出した。
「む〜……ミーちゃ〜〜〜〜ん!!!」
待て待てーっ、とフィアナも笑って追い掛ける。鬼ごっこのように走りながら雪をすくいあげ、雪球を作り、大好きな友達を目掛けて投げる。負けじとミミも振り返っては雪球を投げ、いつの間にか立ち止まった二人の間では雪合戦が始まっていた。
「きゃ〜〜〜っ! 当たっちゃった〜〜〜」
「あははっ♪♪ 楽しいね〜〜〜!!!!!☆」
息を切らせ、手袋の雪を払いながら、雪だらけになった顔を輝かせてミミが言う。
「うん♪ とってもステキで……最高!!!」
フィアナも雪だらけのまま、冷たさに頬を真っ赤にしてミミの背後から抱きついた。
「すっごく楽しいな〜〜〜♪」
「うん、素敵な日になったね〜〜〜!」
顔を見合わせてにっこりとする。服についてしまった雪を払い合って、手をつなぐ。
「ねぇフィーちゃんっ、これからどうしよう〜〜〜?」
「もっと遊んで行く〜?」
「賛成っ〜〜〜☆」
二人で居ればこのリヴァイアサン大祭の日は、もっと素敵な思い出になるはずだから。