■リヴァイアサン大祭『Supreme Un Noel Present』
「リヴァイアサン大祭には、リボンを巻いた女の子が……」冗談めかして、剣の魔法剣士・ランス(cn0033)がしていた話を聞いていた。
(「本気に取ったわけではありませんけれど……」)
アルジェンルーナ・シャルロット(c00308)は、当日、そのような格好でプレゼントだと言ったら喜んでもらえるかと、大量のリボンを買い込んで、体に巻く練習をしていた。
「あまりセクシーすぎるのも、予想通り過ぎるのも……うーん……」
その練習は、夜中まで続いた……。
そして迎えた、リヴァイアサン大祭当日の夜。
昼の間に「今夜は空けてください」と、シャルロットは、ランスにお願いしていた。
「覚えてくださっているかしら?」
と、シャルロットの前に見知った人影が。
「ら、ランス様っ!!」
「よう、もう来てたのか」
「来てたのか……じゃないですわっ!! さっきの人は誰ですのっ!!」
シャルロットは怒り心頭。かなり不機嫌だ。
「なら、他の男と踊って妬かせてみる?」
ランスはそう、からかう様に笑みを見せる。
そんなこと、シャルロットには出来ないのを知っていて、だ。
「………!!!」
シャルロットはぷいっと顔を背けて、ふて腐れるかのように。
「そんなことより……プレゼントがあるんだろ?」
「えっ?」
ランスはシャルロットの声を聞いていないのか、そのまま続ける。
「リボン買って練習してたのは、知っている」
涼しい顔で微笑んで。
(「ほんとに何でもお見通しですわね」)
心の中で思わず、シャルロットは呟く。
(「悔しいですけれど、期待して来てくださったというのでしたら、お披露目いたしますわよ」)
上着を握る手が、僅かに震えながらも。
「これが今夜のメインですわよ?」
顔を真っ赤に染めながら、シャルロットはその上着を脱いだ。
リボンを体中に巻いた少女。
それが、今のシャルロットであった。
「食べていいの?」
「お好きにどうぞ」
その言葉にランスは。
「じゃあ、目を閉じろよ」
期待させるようにそう、告げた。
シャルロットは、言われるままにドキドキしながらも、瞳を閉じた。
どのくらいの時間が経ったのだろう。
恐らく、数分だと……思う。
あごを持ち上げられ、焦らされている時間が、期待と緊張感を高めていく。
それは、シャルロットの体を硬直させていた。
自分で、分かるほどに。
彼の顔が近づいてくる気配に、思わずシャルロットは息を飲む。
「メリーリヴァイアサン」
緊張感が最高潮に達したとき、シャルロットの額に暖かい何かを感じた。
思わず、ぽかんとするシャルロットに、ランスはいつもの笑顔で、楽しそうに笑っていた。
(「ほんとに意地が悪い人……」)
「ばかっ……」
その呟きは、ランスに届いただろうか?
ただ、言える事は、この日、シャルロットにとって、忘れられない日になったことは言うまでもない。