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ふたりのリヴァイアサン大祭

自由な誓約者・マキーナ
蒼弓のフェイルノート・トリスタン

■リヴァイアサン大祭『二度目のダンスは氷の中で…』

 綺麗な氷のダンスホールについたトリスタンは、着ていたコートを脱いだ。トリスタンの青い髪に似合うような素敵なドレス。今日のこの日のため、トリスタンは大人っぽいドレスを着て来たのだ。それも全て、愛するマキーナに「綺麗」の一言を言って欲しからだ。マキーナはそんなトリスタンを見て、目を細めた。
「とっても素敵ぃ。何だか大人っぽいね」
 ああ、その一言が聞きたかった。トリスタンは嬉しそうに微笑んだ。
「ねぇ、ボクと一緒に踊って〜?」
 そう言ってマキーナは手を差し出す。
「勿論……ボクでよろしければ喜んで」
 ドレスに負けないくらいの美しい笑顔でそう答え、マキーナの手を取る。
 そこでトリスタンは少し驚いていた。前回踊った時よりも確実にマキーナはダンスがうまくなっていたのだ。
「ボクだって、これくらい出来るんだよ〜?」
 曲に合わせ二人でステップを踏む。この時間が何よりも重要なのだ。ダンス中も二人は目線を合わせ微笑み合う。
 いつもより近いマキーナの顔に、トリスタンはドキドキしていた。
「マキーナ、ボク今とっても楽しいよ」
「うん、ボクもトリスタンと一緒にダンスが踊れてとっても楽しいよ〜?」
「じゃあ今日は、最高の一日になりそうだね」
「いい思いでが、たくさん出来るといいね〜?」
 そしてダンスも終盤に。最後の曲が終了すると同時に、トリスタンはマキーナに抱きついてきた。
「どうしたの? トリスタン」
「……あの……ね。マキーナ」
 少し恥ずかしそうに頬を赤らめて言う。
「今日はありがとう……あのね、マキーナ。愛してるよ」
 その言葉にマキーナはトリスタンの柔らかな唇にキスをした。
「ボクも愛してるよ、トリスタン♪ これからももっともっと、楽しい思い出作ろう?」
「うんっ!」
 今日一番の飛び切りの笑顔を見せたトリスタンは、再びマキーナに抱きついた。マキーナはそれを優しく包み、その温もりを感じていた。
 〜〜♪
 再び、ダンスの曲がかかった。とても心地のいい、まるで二人のためにあるような素敵な曲。
「もう一曲、踊ろう?」
「うん、喜んで!」
 透き通るような氷のダンスホールで、恋人達はいつまでも愛のダンスを踊った。
イラストレーター名:ヤガワ