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ふたりのリヴァイアサン大祭

仮面ランナー・イライザ
トートリートの鍵・アシエト

■リヴァイアサン大祭『星霊が舞う夜に』

 ――はらり、はらりと雪が舞う。
 流れる水色の空へ届け。と、ゆらり、ゆらり……。

 水の星霊リヴァイアサンが空を舞う、リヴァイアサン大祭。
 エルフへイムのエルフ達は、この日をパートナーと共に過ごし、その絆を確かめ合うという。
 そんなエルフ達にならって、大切な絆で結ばれた相手と過ごす2人が、ここにもいた。
「ふぅ、今日は月がきれいだな……」
 ここは街のほとりの小さな泉。
 空を舞うリヴァイアサンは、今日一日だけこの泉を、心温まる温泉へと変えていた。
 アシエトは、そんな温泉に足をつけながら、月を見上げている。
「ホントだぜ。こういうのも悪くはなねーな」
 イライザも、同じく月を見上げ、ぱちゃぱちゃと足湯を楽しんでいた。
 2人は、遠い異国の正装だと聞いた、おそろいの赤と白のワンピースに身を包んでいる。
「ふふ。さばさばした格好しか見たことないから新鮮だ。よく似合ってるぞ、イライザ」
 アシエトの言葉に、イライザの頬が赤くなったのはきっと見間違いではなったはずだ。
 カツン、と湯のみを打ち鳴らし、注がれた暖かなお茶で乾杯をしながら語るのは、お互いの夢。
「なぁ、イライザ。君の、子供のころのでもいいが、何か夢見てることはあるか?」
 アシエトは、空へ向けていた視線を傍らのイライザへと移す。
 イライザはアシエトの質問に、付けた仮面の奥で考え込みながら、
「夢、なぁ。特にそー言うのはねーけど。皆が笑顔になれたらいいなというか、うんそれが夢だな!」
 ケラケラと大きく笑うように答えるイライザ。
「自分だけが楽しんでも仕方ないし、どうせなら皆で馬鹿やって、泣いて、笑ってまた馬鹿やって、大騒ぎして……」
 楽しそうに語るイライザ。アシエトは時折うなづき、笑いながらじっとイライザの話を聞いている。
「そんな毎日が過ごせたら楽しくね? だから、まー俺にとっての夢はそんな感じか」
 素敵な夢だな。と笑うアシエト。そんなアシエトにイライザは尋ねる。
 アシエトの夢は? と。
「私の夢か? ありきたりだが、誰かと幸せになって、両親のように旅芸人として誰かを楽しませることをしたいな」
 少し恥ずかしそうに、そして大事そうにそっと呟くアシエト。
「そうか、俺と似た夢なんだな。絶対かなえようぜ!」
「そうだな。いつか叶えよう、きっと……」
 メリーリヴァイアサン。と互いに祝福を送る2人。
 互いの夢がかなうと信じて……。

 ――はらり、はらりと雪が舞う。
 今日は、夢が、願いが、雪の一片に乗って空へと届く特別な日。
 この絆、永遠に続く限りきっと……その先に幸せな未来が待つと願って。
イラストレーター名:市街