■リヴァイアサン大祭『姉妹の絆』
雪が降りしきる中、レイラとルナは一つのマントに包まりながら綺麗な風景を眺めていた。遠くの山には、白く色塗られたような景色を眺められる。まるで白銀の世界にいるようなそんな中、突如としてルナが宙を指差した。「あ、あそこに綺麗なリヴァイアサンが見えます」
ルナが指差した先には、宙を舞うリヴァイアサン。キラキラと輝くそれをルナは見つめる。
「本当、素敵ね……」
レイラは空を舞うリヴァイアサンを見つめた後、ルナを後ろから抱きしめた。冷たくなっていたルナの体が、レイラの温もりで温まっていくのが解る。ルナは少し恥ずかしそうにしつつも、レイラの腕の中で大人しくしている。
「ルナ、寒くないですか?」
そんな声がルナの耳元で聞こえた。とても優しくて温かい声。ルナは少し顔を上げて大丈夫、と答えた。
「レイラに抱きしめてもらっていますから寒くありません。レイラこそ、寒くないですか?」
「ええ、大丈夫。こうしてルナを抱きしめているから、とても温かいわ」
そう言いながら、ルナの頭を撫でる。そんな様子にルナはふふっと小さく笑った。
二人の穏やかな時間。舞落ちる雪がまるでキラキラ輝く宝石のように見えた。しばらくの間、そんな暖かな時間が流れていく。
「ねえ、レイラ。来年も、また一緒に……」
また一緒にここへ来て、また一緒にこの景色を眺めたい。そう小さな声でつぶやき体を預けてくると、レイラはルナを強く抱きしめた。
「ええ、もちろんです。私もまた、あなたと一緒にここへ来たい。そしてまた、この綺麗なリヴァイアサンを二人で眺めましょう?」
約束です、と、レイラはルナに笑いかけた。その笑顔に答えるかのように、ルナもまたレイラに微笑みかける。
「来年も、綺麗なリヴァイアサンが見られると良いですね」
「ええ、そうですね。きっと、来年のリヴァイアサンは今年よりももっともっと綺麗なんでしょうね」
「ふふっ、楽しみです」
そう言ってまたレイラはぎゅっとルナを抱きしめた。この温もりをいつまでも感じながら、穏やかな時間は過ぎ去っていった。