ステータス画面

ふたりのリヴァイアサン大祭

海緑を纏いし御魂狩之護刀・ショウキ
子之星を巡る黝翠ヱ鞘・アムオス

■リヴァイアサン大祭『エルフヘイム冒険譚-紡がれる物語、受継がれる想い-』

 アムオスとショウキはリヴァイアサン大祭をたっぷり楽しんだ後、アムオスの経営する孤児院にやってきていた。今回は子供達に人形劇をやる予定だった。しかし……その前に大祭の様子を子供達に話して聞かせるのが、思ったよりも長引いている。
「エルフヘイムのリヴァイアサン大祭はな? エルフ達がパートナーの絆を確かめ合う、大切な日なんだとさ」
 そう語るアムオスの顔は、辺りで話を聞いている子供達のように輝いている。舞台袖から、子供達に囲まれた彼を見守るショウキの表情も、気づけば緩んでいて。
「例えるなら、俺とショウキみたいなもんだなっ? ショウキはガーディアンでも変わっててさ、護る者に刃が届く前に断ち切る、言わば守り刀なんだぜ。と、なると俺は鞘って所だな!」
 子供たちは、ぽかんと口を開けて、一同押し黙る。ショウキは小さく苦笑した。
(「主の例えは、子供達には難しいだろうな」)
「お前らには難しかったかな? まあ要するに……2人でひとつって事だ」
 アムオスがわかりやすく伝えると、子供達が騒ぎ始める。やれ二人はどうこうだの、イッシンドータイだの。わかっているんだかわかっていないんだか、二人の仲をからかっているような具合だった。
「へへ……茶化すな茶化すな、俺は平気だけどショウキが照れちゃうだろ?」
 子供達をなだめるアムオスの不意の言葉に、舞台袖のショウキは苦笑い。
(「あながち外れていない所が、性質が悪い」)
 そのまま、内心を悟られぬように舞台裏へと下がる。アムオスの方も、まもなく話を切り上げて、舞台裏へと戻ってきた。
「やあ、悪い悪い。あいつらに捕まっちまったぜ」
「何、御主の事だ。事を大げさに話すぎたのじゃろう?」
 そう告げるアムオスの表情は、明るい。ショウキは、やれやれと小さくため息をついた。人形劇の、最後の打ち合わせだ。
「さて、今日の演目はエルフヘイム冒険譚だ。戦いながら、お互いを信頼し支えあい……そして絆を深める熊のスカードとガーディアンの話」
 これは言うまでもなく、二人が紡いできた物語の事である。人形を操るのはアムオス。声は、勿論当人同士、二人で当てる。
「話は続く……儂達の物語か」
 感慨深く、ショウキは呟いた。
「おい、ショウキ。こういう脚本なんだから照れてる場合じゃないぜ? ちゃあんと気持ち籠めて演じてくれよな♪」
 アムオスがショウキを小突く。ショウキは……不適に笑みを浮かべた。
「心得て居る、御主こそ後れを取るでないぞ?」
 これまでも……そしてこれからも紡がれていく物語の、今日はそのほんの一端。さあ、舞台の幕を上げよう。
イラストレーター名:乙部はるきち