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2人でクロノス大祭

チュロスになりたい・クロス
狂彩灰狼・ズィヴェン

■クロノス大祭『クロノスパーティ準備中』

 今夜、『娯楽倶楽部』ではクロノス大祭を祝うパーティが行われる。
 広間では『娯楽倶楽部』に所属しているズィヴェンとクロスが仲良く飾り付けをして、パーティの準備中。テーブルにはケーキやチュロス、砂糖菓子が並べられ、中央には巨大クロノス人形が置かれていた。
「シかし……ンなデカい兎よくアッたな」
 ふぅ、と一息ついて何度目かの休憩に入るズィヴェンは、手近なところにあったクロノス人形の時計の鎖を手に取った。
「クロス、高い所の飾り付けはヤルからイエよ?」
 ツイデに……と前置きすると、サンタな義弟によク似合うぜとへらり笑う。
 今日のためにとはりきってサンタの衣装を用意していたクロス。
「ちょっと恥ずかしいです……」
「他ノ兄弟や、皆が見てもキットそう言うさ」
 ズィヴェンに褒められ、クロスは思わず照れる。
「ソだ」
 ぽん、と手を打って思いついたような顔をするズィヴェンに、クロスはなんだろうと首を傾げた。
「皆が来ル前にチュロス一つ貰ってもイイか? サンタサン」
「あ、ズィ兄さんチュロスですか? はい、もちろんどうぞです」
 クロスはテーブルからチュロスを一本取ると、それをズィヴェンの方へ差し出す。お先にプレゼントを頂戴、とばかりにズィヴェンは差し出されたチュロスをそのまま、がぶりと一口。
「……クク、アリガト」
 そのままチュロスを食べられ、ちょっとだけびっくりしたクロス。
「いえ、喜んでもらえたならなによりですよ」

「飾り付け大体終った? まコンナもんだろ」
 綺麗に飾り付けられた広間を、ふたりは並んで見回した。
「オツカレサン、クロス」
「ズィ兄さんもお疲れ様です」
 ズィヴェンは笑ってクロスの頭を撫でた。照れくさいけれど、ズィ兄さんに撫でられるのが嬉しくて喜ぶクロス。
 やっぱ弟っテカワイイよな、とズィヴェンは心の中で呟いた。

「サ。皆呼ビに行こうゼ?」
「はい、皆さんと一緒にパーティですね♪」
 ふたりは揃って、皆の待っているであろう広間の扉を開けるのだった。
イラストレーター名:つづる