■クロノス大祭『キミと刻む大切な時』
金の砂と白い雪が、きらきら輝くように街へ降り注ぐ。「本当に金色の砂が降ってんだな……! どこから降って来てんだろう?」
シヴィルは、空を見上げてその美しさに見惚れた。
「すごい……! 雪だけでも綺麗なのに金色が重なって一層幻想的だね!」
シヴィルの隣に並び、一緒に空を見上げたリチェリーが嬉しそうな顔で笑う。
そんなリチェリーを見つめ、シヴィルは少し緊張しながら声をかけた。
「……あのさ」
リチェリーの両肩へ手を置き、シヴィルは正面から視線を合わせる。
「……ん? どうしたの?」
あらたまったシヴィルの様子に、リチェリーは小さく首を傾げた。
「俺な、今までちゃんと伝えてなかったんだ……照れ臭くてよ。けど、いい加減はっきり言わなきゃいけねぇと思う」
まじめな顔をして、シヴィルは続ける。
「……だから聞いてくれ」
「……う、うん……」
真剣な眼差しと視線の近さに少し照れながらも、リチェリーは目を逸らさなかった。
シヴィルは、心を落ち着けるように、すぅ、と息を吸う。
「……お前を心から愛している。大好きだ、リチェリー!」
「……!」
シヴィルに合わせて小さく息を吸ったリチェリーは、言われた言葉を半数するように一拍の間を置き、耳まで赤く染める。
「あ、あたしも、そ、その……養父母の父さんと母さんがそうであった様に、シヴィル君と一緒に支え合って、穏やかで幸せな時間を築いていきたいと思ってるんだ」
恥ずかしさから少しだけ早口でしゃべりながら、リチェリーも伝えたい気持ちを心を込めて言葉にする。
「……大好き……!」
はにかむような笑顔で、リチェリーは相手の背へ腕を回して身を寄せた。
湯気でも出そうなくらい赤くなり、シヴィルは笑みを浮かべてリチェリーを見下ろした。
「……ま、なんだ。その……これからも色んなことがあって、キツいこともあんだろうけど……二人でいれば乗り越えられるって奴だよ、な!」
顔を赤く染め、リチェリーは頷いた。
「うん。二人で乗り越えながらこれからも一緒にいよう!」
想い合う二人の未来を、きっと星霊も祝福してくれるに違いない。