■クロノス大祭『プレゼント交換』
――雪に金砂が混ざり合い、きらきら光る純白の雪が降り注ぐ。「はい、どうぞ。そんなに上手じゃないから恥ずかしいよ〜」
ベンチに腰掛けたシャルロッテが、恥ずかしそうに可愛らしい箱をイヴェールに差し出した。
「あ、りがとう」
シャルロッテが恥ずかしそうで、何だか自分も照れてしまうイヴェール。
その箱を受け取り、
「……開けていいですか?」
「う、うん」
照れ笑いを浮かべながら尋ねると、シャルロッテは恥ずかしそうに、こくりと頷いた。
包装を綺麗に解いて箱を開けると、中には作り手のイメージそのものな可愛らしいベリータルト。
「可愛いくて美味しそうですね。食べるのが勿体無いですけど……いただきます」
食べてしまうのが勿体無いと思うも、お菓子好きなイヴェール。美味しそうな上に、愛おしいシャルロッテの手作り。早速口に運ぶ事にした。
(「美味しいっていってもらえるかな……美味しくなかったらどうしよう……」)
シャルロッテはベリータルトを口に運ぶイヴェールをドキドキしながら見守る。
イヴェールは一口食べると、先程までの照れ笑いが嬉しそうな笑顔に変わった。
「とっても美味しいですよ」
にこっと微笑むと、シャルロッテも安心して緊張を緩める。幸せそうに微笑んでいたイヴェールが、思い出したように頬を赤らめて、
「私からも……お返しです」
照れくさそうに綺麗にラッピングされている包みをシャルロッテに差し出した。
「ええっ、ありがとう! なんだろう〜」
ぱぁっとシャルロッテに嬉しそうな期待の笑みが広がる。
「開けていいかな〜?」
「は、はい」
シャルロッテが嬉しそうに尋ねると、今度はイヴェールが照れくさそうに頷いた。シャルロッテがわくわくしながら包みを開けると、可愛いくて暖かそうな赤い毛糸の手袋。
「贈り物ってよくわからなくて選ぶのにすごく迷ったんですけど……」
イヴェールは照れながら少し苦笑気味に口を開く。横目でシャルロッテの反応を窺いながら。
「わ〜! 可愛い〜!」
シャルロッテは瞳を輝かせて早速はめてみる。
「すごい暖かい。ありがとうイヴェールさん大事にするね」
その嬉しそうな顔を見て安心すると同時に、イヴェールも幸せな気持ちになった。
「これからも一緒に美味しいお菓子を食べてくれたら……それはとっても嬉しいなって」
「はい。また一緒に美味しいお菓子を食べにいきましょうね」
2人の笑顔が輝いていたのは、降り注ぐ金色の砂のせいだけではないようだ――。