ステータス画面

2人でクロノス大祭

ゼンカイ刑事・ブレイク
アオトラメ・ニニル

■クロノス大祭『晩餐は豪勢にッ………やりすぎ?』

 クロノス大祭が無事に終わり、ブレイクは一緒に過ごしていたニニルに打ち上げも兼ねて食事でも……と、自身の部屋へ誘った。
 誘ったのは、いいのだが。 
「……うん、ごめん。食材買い込み過ぎたね」
 テーブルの前に広がった料理の数々にニニルが言葉を失ったのが分かった。
 用意した時にはあんまり気にしてなかったのが、今見れば、張り切りすぎてしまった感がある。
 謝罪するブレイクにニニルはふるふると首を横に振った。
「すごい、美味しそう!」
 ごちそうの数々に驚いてしまったのだ、と目を輝かせる。喜んでくれたニニルにブレイクはほっと安心した。
 ひと目を気にしない場所で2人きりになって、普段のガードがゆるみニニルは子供っぽくも、素直な反応を示している。
 祭りの熱気に当てられたというか、ニニルが自分の部屋にいるという事実にテンションがおかしくなったというか。自分が妙にニコニコしている自覚がブレイクにはあった。
 大切な彼女がいる、自分の部屋。……自分の、部屋。
(「あ! 今気がついた……っ」)
 ブレイクがニニルの部屋にお邪魔したことはあったけれど、逆の立場が初めてだという事実。
 サーッとフワフワした気持ちが冷めた。
(「うわわ……変な匂いとか変なモノとかないよね!? いや、ないよ?!」)
 ブレイクの家に初めてお邪魔して、ニニルもまたテンションが上がり、むしろちょっぴりハイテンション状態だった。
 急に部屋の中を見渡したりするブレイクに気付き、ニニルはブレイクが自分の家に来て慌てた時を思い出した。悪戯心がむくむくとわき起こる。
「ねぇねぇブレイク、あれは何?」
 目に付いたモノを示して問いかける。
「えっ、あ。あれは!!」
 なぜかアワアワしつつ答えるブレイクに「あそこは何が入ってるの?」と矢継ぎ早に質問攻めをする。
 ニニルの質問攻めにブレイクは自身が慌ててきている自覚をした。
(「れ、冷静になって別な話題を……」)

「今夜は(料理を食べ過ぎて)眠れそうにないね……?」
 ブレイクは口を開いた。開いたが……一部、言葉にできてなかった。
(「……ちょっと待て。今、僕何を口走った? まったく冷静じゃないよ!」)
 ギャーッ! とか思ったが、固まってしまって続けるべき言葉が出てこない。
 普段は照れてできないようなことも『今日なら……』と密かにどきどきしていたニニルは、ブレイクの言葉に真っ赤になって反応してしまった。
(「バレた恥ずかしいどうしよう」)
 ニニルは頭の中も目も指もぐるぐるさせて、応じる。
「ね、ね、ね眠らせないから!」
 ――何か、言っちゃった気がする。
 互いにぐるぐるしたまま、夜が更けていく。
 さぁ、どんな夜になるだろう……。
イラストレーター名:ねこくらげ