ステータス画面

2人でクロノス大祭

爆炎の使い手・レイ
妖眼の斑猫・パーフ

■クロノス大祭『楽しい聖夜・・・?』

 クロノス大祭当日の夜。
 とある一室で、レイはパーフを待っていた。
(「もうそろそろ時間だぜ……なんでこないんだろ?」)
 考えているうちにも刻々と時間は過ぎていく。
 窓から外を見て、道行く人の中にパーフの姿がないか探したが、見当たらない。
 金の砂と白い雪が空から落ちてきて、静かに地面へ消えていくのをしばらく眺めていたが、それでもパーフが来る様子はない。
 いくらなんでも遅すぎないだろうか。
(「は!? まさか」)
 レイは不吉な考えに囚われ、不安になる。
(「事故にでもあったんじゃ……マスカレイドの襲撃もありえるぜ」)
 こうしてる間にも、パーフはレイの助けを必要としているかもしれない。
 そう思うと、いてもたってもいられなくなった。
 そして、レイがダッシュで外に行こうとした次の瞬間。

「だーれだ?」

 悪戯っこのようなニュアンスで、後ろから抱きつきつつ目を塞ぐ人がいた。
「うわ!? 目の前が!?」
 急に暗くなった視界に、慌てるレイ。襲撃かもしれないと、警戒して構えようとする。
「マスカレイドか!?」
「……」
 後ろから抱きつき、レイの目を塞いでいる人は無言だった。
(「違うのか? そうだとしたら……誰だろう」)
 少し考え、背中に感じた柔らかい感触に、思い当たる人物が一人。
「こ、この感触……パフさん?」
 声が少し裏返りそうになった。なんだかむっつりっぽくなっているレイである。
 後ろから笑うような気配がして、目隠しを解かれる。
「えい」
 正解者へのご褒美とばかりに、頬にキスを貰い、レイは顔を真っ赤に染めた。
「こ、今年は……倒れないぜ!」
 胸の鼓動はかなり早くなったが、前回のような失態を晒すまいと耐える。
「むぅ……嬉しいような悲しいような……」
 悪戯に成功したはいいけれど、思ったような反応をしてくれなかったのが少し残念で複雑なパーフ。
「お返し……だぜ」
 レイは、照れながらもお返しのキスをする。二人とも顔を赤く染めて見つめ合った。
 クロノス大祭の夜は始まったばかりである。
イラストレーター名:氷月レイ