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2人でリヴァイアサン大祭

ハムスター刑事・シシィ
魔剣・アモン

■リヴァイアサン大祭2012『* 愛する人と、あたたかい我が家へ *』

「えへへー♪ 今日はいっぱい遊んで、疲れたけど……楽しかったね!」
 ちょこまかと落ち着きの無いほど元気な少女の名はシシィ。オレンジの髪とピンクの瞳の少女で、小動物のような愛らしさだ。
 恋人とリヴァイアサン大祭をたっぷり堪能した帰り、弾むような声が幸せに満ちていた。
 思い返すは、夜空を雄大に泳いでいた星霊の姿。
 シシィは恋人と繋いだ手をぎゅっと握りつつうっとりと呟き、そして頬を赤らめる。
「今年のリヴァイアサンも綺麗で凄かったー。……なによりアモン先生と一緒に見られた、し……」
 ほう、と息をつくとふわっと踊る白。恥ずかしくて語尾がか細くなってしまうのも好きな人と一緒だから無理もない。
 ぎゅっと恋人と繋いだ手を握り返す少年の名はアモン。金髪に瞳も金色、凛とした顔立ちをしている。
「そうだね。シシィと一緒だから、特別に綺麗に見えたかな」
 手を繋ぐだけで照れて戸惑っているのがひしひしと伝わってきて初々しいなと思う。アモンはそんなシシィを微笑ましく見守りつつ歩いていた。
 雪が降り積もる街の夜道。
 こうして2人で歩いていれば寒さが気にならないくらい暖かな気持ちになる。手袋越しでも互いの熱が伝わってぽかぽかだ。
 それに不思議と雪の積もった日はとても静かで、会話がふと途切れるとさくさくと雪を踏む音が聞こえる。世界に2人だけのような、それでも少しも心細くない。
 今日は大切な人と過ごす一年に一度の特別な日、リヴァイアサン大祭。
 その夜は更けていくが、恋人と過ごす時間はまだ残っている。
 アモンがシシィと繋いでいるのと反対の手には、これから聖夜をゆっくり祝うための準備をした買い物袋。柔らかな瞳でシシィを見やる。
「これからは2人だけの時間だから、お家でゆっくりしようか」
「うんっ!」
 瞬間ぱあっと笑顔になる。
「今夜はすっごいプレゼントもあるんだから、期待しててねっ♪」
 にっこり微笑むシシィ。
 大丈夫かなとアモンは苦笑するが、優しく見守る姿勢は変わらない。
「……は、張り切るのも程々に、ね……」
 雪の上に2人分の足跡を残し家路を急ぐ恋人達の夜は、こうして更けていくのだった。
イラストレーター名:梅谷千草