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2人でリヴァイアサン大祭

プレナイト・ソフィー
春潤す雨の・テオ

■リヴァイアサン大祭2012『記されし楽譜』

 優しく雪が降り続く森の中、ソフィーは目を輝かせて茜色の空を見上げる。
 一日中雪が降り続き、星霊リヴァイアサンが半実体化して大空を舞う、という話は知っていても、目の当たりにするのは生まれて初めてで。
 レジスタンスの村に匿われるまで、ずっと暗い地下室で過ごしていたソフィー。ずっと見てみたいと思っていた。その憧れていた光景が目の前に広がっている。いつも眉を八の字にしておどおどしているソフィーだが、こうして『喜』という感情を顔全面に押し出すのは珍しい。
「テオ、テオ。あれが、リヴァイアサンさん、なのね!」
 眩しそうに目を細め、空に手を伸ばして楽しげにはしゃぐソフィー。
 ――シャラ……。
 伸ばす右手の腕輪が揺れる。蒼玉の双眸を持ったリヴァイアサンを模した白銀の腕輪。
「そうだね、あれが星霊リヴァイアサン」
 白銀の腕輪の贈り主であるテオは、横目で上空を見ながら、ソフィーの頭を優しく撫でた。
(「エルフへイムを発って、もう約二年といった所だろうか……」)
 ソフィーを匿っていた村の守人だったテオは、エンドブレイカーとして覚醒した彼女の身を案じて、旅に同行している。
 リヴァイアサン大祭の光景を見た事がないというソフィーに、いつか見せてあげたいと思っていた。
(「嗚呼、本当に良かった」)
 瞳をキラキラ輝かせるソフィーを見て、胸に噛み締める。
「大丈夫だよソフィー。今日は一日ずっと見れるから」
 テオは、自然と優しくなる眼差しで微笑んだ。
「ねぇ、テオ」
「ん?」
 ソフィーに呼ばれて、テオは彼女を見遣る。
「あのね、去年描いてくれたのとそっくりさんなのよ!」
(「あー……」)
 テオは1年前、ソフィーにねだられてリヴァイアサンの――絵心があるとは到底思えない絵を描いた事を思い出した。
「そ、そうかな?」
 苦笑を浮かべたテオに「うん」と満面の笑みで頷くソフィー。
(「でも、彼女が今を楽しんでくれている」)
 ソフィーの笑顔を見ればそれが充分伝わる。
(「それだけで充分か……」)
 テオは満ち足りた笑顔を浮かべて、改めてソフィーの頭を優しく撫でた。
イラストレーター名:いちのせかいん