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2人でリヴァイアサン大祭

射干玉の夜の姫君・シルフィア
紅水晶・フィーア

■リヴァイアサン大祭2012『心の流れゆく場所〜雪解けの2年〜』

「フィーア。渡したいものがある」
 ソファに座ったシルフィアが、静かな声でフィーアを隣へと誘う。
「?」
 微笑みながら横に座ったフィーアは、普段と違うシルフィアの様子に小首を傾げた。
 シルフィアは、懐から掌に収まる程度の深いピンク色をした小箱を取り出す。その中身をフィーアに見せるように開いた。
 小箱の中には、淡いピンクの台座に、ダイヤの指輪が銀の輝きを放っている。中石の左右にも小さなダイヤが4つ並ぶ、レール留めの指輪。
「私はこれからも、何度もフィーアに迷惑を掛けるだろう。何度もフィーアを困らせ、怒らせるだろう。呆れるかもしれない。嫌になるかもしれない」
 感情の篭らない事務的な口調で、淡々と告げるシルフィアはそこで一度言葉を区切った。
「……」
 フィーアは続く言葉を静かに待つ。言葉は事務的で淡々としていても、緊張で表情は強張り、恥ずかしそうに頬が紅潮しているシルフィアの言葉を。
「……だがそれでも、私の我儘だと知っていても、私はフィーアと共に歩んでいきたい」
 続けられた言葉にも抑揚はなく、淡々としていたが、視線は真っ直ぐフィーアを見つめていた。
「シルフィア……うん、喜んで。これからも一緒に進んでいきましょ♪」
 フィーアは満面の笑みを浮かべる。頬を染め、緊張に顔を強張らせて、事務的に紡がれたプロポーズの言葉に。
「……」
 緊張の糸が緩んだシルフィアは、小さく息を吐いた。
 恥ずかしいと思う内心を悟られぬように、感情を抑えて『男』として振る舞い、告げたプロポーズの言葉。
「どう?」
 息を吐いたシルフィアに、嬉しそうなフィーアの声が耳に入る。
 フィーアが自分の顔の横に、左手の甲を見せるようにかざして微笑んでいた。その微笑みは、まるでシルフィアの緊張を解すかのように柔らかい。
 かざした左手の薬指には、シルフィアが今贈ったばかりのダイヤの指輪が輝いている。
「よく似合う」
 シルフィアは満足げに微笑んだ。先程まで緊張に表情を強張らせてたとは思えないくらい自然な微笑みで。
イラストレーター名:藤丸あお