■リヴァイアサン大祭２０１２『Sweet Sweets night』
「わあ、御馳走いっぱい。美味しそうなのじゃ……！」綺麗に飾り付けられたテーブルの上には、ホカホカ湯気を立てる豪華な料理達がずらりと並んでいる。
リューウェンとラヴィスローズは、リヴァイアサン大祭を祝うためのパーティを行おうと朝から準備をしていた。
リューウェンが調理を担当し、ラヴィスローズは部屋の飾りつけ。
出来上がったばかりのごちそうの数々に、頬を染めて大喜びのラヴィスローズ。
彼女のお腹の中の星霊達も、ぐぅぐぅと元気に自己主張。
そんなはらぺこ少女の様子を微笑ましげに目を細めつつ、リューウェンが取り出して見せたのは。
「わぁ……！」
チョコレートで作られた白と黒のウサギが飾られた、きらびやかな手作りケーキ。
ティルムシュタットの製菓市で仕入れた食材を使った、特別な逸品である。
「ラヴィスローズ殿の為だけに作ったのだが……召し上がって頂けるだろうか？」
大好きな青年のあたたかな微笑みと共に差し出されたケーキに、薔薇色の瞳をまんまるに見開く少女。
「妾の為に……？」
「チョコ兎は……その……以前の仮装をモチーフにしてみた次第だ」
隠しきれない気恥ずかしさに頬を赤くして告げるリューウェン。
青年のその様子に、ラヴィスローズは笑顔の花を満開に咲かせてぎゅうっと抱きつく。
「……嬉しい……！ ありがと、リュー殿！」
「わ、わ……っ！？」
無邪気な喜びを全身で表現するラヴィスローズだが、リューウェンの方は可愛らしい少女の急接近に大慌て。
動揺のあまり、思わずケーキを落としそうになってあたふたと。
「その……た……食べるとしようか？」
「うん！ 妾ね、白い兎さんが食べたい！」
満面の笑みで告げるラヴィスローズに微笑みかけながら、なんとか無事にケーキをテーブルに乗せてパーティ開始。
リューウェンとラヴィスローズ。
友達以上恋人未満なふたりの関係は、まだまだ先は長いけれど。
楽しいお祭り仲良く一緒に過ごし、また一歩、たしかに進んだのだった。
