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2人でリヴァイアサン大祭

もふもふ・カイジュ
月夜の静寂・サヤ

■リヴァイアサン大祭2012『二人の思いで〜初めてのリヴァイアサン大祭〜』

「二人でお出かけするのも、久しぶりですね……」
 カイジュの言葉が、リヴァイアサン大祭の喧騒の空気の中、サヤの耳へと響く。
「……そうだね……もっといっぱい、色んな場所に…‥お出かけしたいね」
 サヤの言葉も、カイジュへと向けられる。
 同じ旅団の二人。しかしそれでも、やはり二人で出かけるのは嬉しいもの。
 ふと、空を仰ぎ見ると。寒空からきらめく欠片がいくつも降ってきた。
 それは、白き結晶。まるで小さな宝石に見えるそれらは、ふわりふわりとたゆたうように天空から舞い降り、地上のあちこちへと降り立ち、消えていく。まるで天から降り立った、小さな天使たちのよう。
「……きれい、だね……」
 サヤの言葉に、カイジュはうなずいた。

 久々に二人で出かける事になり、カイジュの胸中は高鳴っていた。おそらく、サヤもそうだろう。加えて、大祭自体の参加はサヤは初めて。
 カイジュ自身もドキドキしているのだ。サヤもまた、ドキドキしていないわけがないだろう。
 このまま、ずっとふたりでいたい。寒いけれども、この心地良さをもっとカイジュは味わっていたかった。

 ぎゅっ。

「あっ……」
 サヤが、驚いた声を出した。
 カイジュもまた、自分に驚いていた。気が付くと、サヤの、彼女の手を握っていたのだ。
(「エルフの方々がしたように……絆が続くように……」)
 心の中で、己の想いをさらに強めるように、心の中でカイジュは言葉を紡ぐ。
「カイジュ……さん?」
 沈黙が気になったのか、サヤが言葉をかける。
 その言葉に返答する代わりに、カイジュはサヤの肩へと手をやり、優しく……抱きよせた。
「あっ……」
 再び、サヤが驚きの声を。
 だが今度は、どこか……嬉しさが含まれている。少なくとも、カイジュはそう感じた。
「願掛けを……」
 しばらくして、カイジュの口から言葉が紡がれる。
「末永く……一緒に居られるように……願掛けを、しておきますです」
 その言葉を聞いたためか、それともカイジュに抱き寄せられているためか。
 サヤの顔が、火照るかのように、赤くなっていた。

 寒空が落とす、白き結晶。その数が、徐々に多くなってくる。
 二人の周囲に漂うは、まるで陽炎のような揺らめき。雪の寒さのためか、それとも心の熱さのためか。
「サヤさん」
 カイジュが、いたわるように声をかけた。
「……寒いですけれど、もう少し……二人でいても、いいでしょうか……?」
「……うん……」
 小さく、しかしはっきりと呟いたサヤは……そのまま、体を預けるように、カイジュへと寄り添う。
「……こうすると……もっと暖かいよ……」
 本当だ、暖かい。
 胸いっぱいに広がっていく。満たされていく。暖かさが、幸せな気持ちが。
(「ボク今……すごく幸せ……だよ」)
 サヤが心の中で、そうつぶやいているような、そんな気がした。
 
 そこには深々と、降り続いていた。雪と、暖かな気持ちとが。
イラストレーター名:トシトキコ