■リヴァイアサン大祭2012『足取り軽く』
雪がふわりふわりと舞い積もる、今日はリヴァイアサン大祭。白く装い、いつもとは違う、とっておきの顔をしている街並みを、とっておきのコートを身に着け、花の飾りでお洒落をして歩く、女の子二人。
甘い恋人同士の時間、大切な家族で過ごすやさしい時間……過ごし方は色々あるけれど、互いを姉妹のように慕う二人で過ごす夜だって立派な乙女のデートだ。
めざすは、大祭の夜だけの限定でおいしいお菓子たち。
「ニノンおねえちゃん、いいにおいがするね。何から食べに行こう?」
「最初はかるーく喫茶店で食べちゃお。それから、甘いものとか甘いものとかー」
美味しい物を求めて駆けてゆく先は、お菓子とか食事とかお菓子とかお菓子とか。
色気よりも食い気な2人だけど、その楽しそうな雰囲気は凍てつく寒さも気にならないくらい幸せそう。雪になぞらえた今夜だけのホワイトショコラも美味しいし、コクの深いデミグラスソースが美味しいシチューも捨てがたい。食べたいものはたくさんあるけど、乙女的には食べられる量には限りがあるから、悩みは尽きない。
「でも、二人だから半分こすれば、色んな種類がたくさん食べれるね」
「そうだね、二人でわけっこすれば色々食べれて素敵なのね」
ルミナが思いついた素敵なことにニノンは笑って頷いて。
白いショコラと薄紅のショコラの星霊の形をした焼きカステラを半分こ。
「あ、ねえねえ。ちょっと女の子っぽく雑貨屋さんとか、見に行ってみない?」
ニノンが指さしたのは、大祭用にかわいらしく飾り付けられたお店の窓。
花より団子な二人だけれど、かわいいもの、素敵なものが好きなのも女の子。それが、大好きなおねえちゃんからのお誘いとあれば、ルミナに「ノー」なんていえるはずもない。
覗いたお店でみつけたのは、お祭りの夜と同じくらいのとっておき。迷って悩んで、やっぱり最初に二人揃ってひとめぼれしたマフラーを買い、ほんわか気分でお店を出た。
「えへへー。ニノンおねえちゃんとお揃いだねー」
「そうだね、お揃いね」
ニノンが嬉しそうに頷いてくれたから、ルミナはもっと嬉しくなって手を伸ばした。
さむいさむい雪降る夜だけれど、つないだ手からぬくもりが伝わるから大丈夫。
おそろいのあたたかな色したマフラーは、二人の心と同じ色。