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2人でリヴァイアサン大祭

元気一直線・シオン
頼れないダメなおいちゃん・グランダム

■リヴァイアサン大祭2012『今年最後の師弟大奮起!2012』

 しんしんと降る、粉雪。
 嬉しそうな顔の女の子の赤い頬は、きっと寒さの所為ではなく。
 隣の優しげな男の子の細められた目は、きっと雪明かりが眩しい所為ではない。
 メリー・リヴァイアサン。
 そこかしこで聞こえる祝いの言葉が、耳に優しく溶けていく、町の片隅……。

 ざ、とブーツで積もる雪を踏み締める、女の姿。
「独り身の寂しさを知らぬ者たちめ……」
 ざ、とその後ろへ現れた、男の鋭い瞳。
「やはり俺達が上げにゃぁな……嫉妬の叫びを!」
 しゅばっ、と取り出したるは、両手にひとつずつの生クリームたっぷりのケーキ(注:ちゃっかり『メリー・リヴァイアサン』のチョコレートプレートも添えてある)。

 カップルでしょうか? ──いいえ、(互いに独り身の)師弟です。
 お祝いでしょうか? ──いいえ、嫉妬です!!

「末永く!!」
「爆発させてやろうカップル達よ!」
 女──シオンが叫び、男──グランダムが続く。走り出す、駆け込む、雑踏の中!

「「リヴァ充爆発しろォオオォオ!!」」

 心から千切れるような叫びと共に、躍り込むカップル共の中!
 食らえ祝いと書いて呪いと読むケーキを! これは試練だ愛の試練だ乗り越えてみせろちくしょう乗り越えんじゃねぇぇえ!
 支離滅裂な主張を混ぜる嫉妬テロリストの闖入に、当然カップル達は阿鼻叫喚。
「ぎゃああああ!」
「いやー! なんなのー!」
「やめろー!」
「「問答無用!!」」
 べしゃー。
 慈悲も容赦もなくケーキ『爆撃』を重ねて、師弟は心から満ち足りた笑顔で、左の拳をグッ、と握った。

「俺たちを!」
「誰だと!」
「「思ってやがるッッ!!」」

「……」
「……いや、知らねーよ! いっそ教えろ……ぶっ!」
 呆然と地に伏せて見上げるカップル達、我に返って叫んだ勇気あるイケメンには再度の『爆撃』をお見舞いして、ふたりはにやり、笑み交わす。
「まだまだ行くぜ、弟子よ!」
「了解、師匠ッ!」
 駆け出す華やかな繁華街。上がる悲鳴。
 彼ら師弟の、いつも通りの嫉妬・平常運転。

 メリー・リヴァイアサン。
 ……──彼らにも、幸あれ。
イラストレーター名:ワジマ ユウスケ