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2人でリヴァイアサン大祭

狂オシキ戦闘快楽・カミリア
灰白小鳩・ロシェ

■リヴァイアサン大祭2012『Snowy memory〜奇跡が灯る夜〜』

 静かな夜。
 純白の雪は静かに降り積もり、家々の窓から漏れる暖かな灯。木々にも雪は降り積もり、すっかり雪化粧をしていた。
 村全体が厳かな、それでいて温かい雰囲気に包まれている。
 さく、さく、と雪の上を歩く微かな音と、2人の足跡だけが続いていた。
「……いい夜だね……ロシェ」
 優しい夜景をその瞳に映すカミリアが、静かに呟く。
「うん、綺麗で……冬の夜なのに何処か温かい……不思議ですね」
 雪で滑らぬように、カミリアの手を引いて、先を歩くロシェが穏やかに口を開いた。
「あ、階段です。気をつけて下さい」
 ロシェが注意を促しながらゆっくりと、少しずつ階段を上る。
「フフ……こうしてるとロシェの方が背が高いみた……い?」
 カミリアが少し楽しそうに声を弾ませた。
 普段は、カミリアの方が頭1つ分以上は背が高い。しかし、階段を先に上がっているロシェの頭をカミリアが見るのには、視線を少し上げなければならなくなっていた。
(「……偶には、届いた気になっても、良いのかな」)
 ロシェは、自分より年上のカミリアだが、背伸びをしようとは思っていない。最近『綺麗』より『可愛い』と感じる事が多いが、それでも、経験の差にはまだ届かない事がある。だから、たまには――、
「……」
 ふいに振り返ったロシェが愛おしそうに微笑んだ。薄灰色の瞳で見つめられたカミリアが息をのむ。
 ロシェは、カミリアの顔を両手で優しく包んで、くちづけを贈った。
「……っ」
 少し驚いたカミリアが軽く目を見開いて、嬉しさと幸福感に頬を染める。
 ゆっくりと唇が離れ、至近距離で見つめ合う2人。
「……素敵な夜をアリガト……ロシェ……」
 頬を染めたカミリアが、少女のように微笑んだ。
「素敵な夜を、有難う」
 ロシェは、同じ想いを抱いていた事に幸せそうに微笑み返す。
 今度はカミリアから、ロシェに唇を重ねた。
(「護るよ、カミリア」)
 ロシェは気負いなく、強く誓う。重ねられている唇も、その腕も、少女のような愛しいカミリアを護る、と――。
イラストレーター名:TAKI