■リヴァイアサン大祭2012『二人、空を見上げて』
「……アヤカさんの剛速球ちょっと怖かったんだよ」「遊びでも負けたくなかったし♪」
ステラが少し苦笑気味に口を開くと、アヤカが勝気な笑みを広げた。
まだ日の高いうちに、色々見て回っていた2人に真っ白な雪原が目に入った。そこで「雪合戦しよう!」と雪玉を投げ合ったのを思い出す2人。
「……少し寒くなってきたね」
アヤカは自分の二の腕を擦る。
「もう夜になっちゃったしね」
ステラも露出してる自分の腕を擦った。
2人の吐く息も白く、寒さのせいで頬も少し赤くなっている。
今日はリヴァイアサン大祭。雪原で雪合戦、温泉に変わる泉に蜜の流れる小川、アヤカとステラは存分に楽しみまくった。
そして、気がつけば、すっかり日が沈んでいる。
「でも、雪合戦で体が冷えちゃった後の温泉、気持ち良かったね」
雪合戦で白熱した後、2人は温泉で体を温める事にしたのだ。
「そうだね、久し振りにのんびりできたね」
温泉の気持ちよさを思い出すようにアヤカが口を開き、ステラも笑顔で同意する。
「その後行った蜜の川! 美味しかったー!」
甘い物が大好きなステラが思い出して幸せそうに続けた。
流れる蜜を指で掬って一舐めした時に広がった幸福感。ステラにはその感動がまだ残っている。
「ステラは本当に甘い物好きだよね」
幸せそうに感動するステラを思い出したアヤカが、くすっと小さく笑った。「大好きだよ!」と、にっこり笑うステラ。
幸せそうな笑顔を浮かべたステラが、ふと空を見上げる。
雪の舞う夜空を、星霊リヴァイアサンが自由に駆け巡っていた。
「今年もホワイトリヴァイアサンだね!」
ステラが元気にアヤカに笑いかけると、アヤカも空を見上げる。その光景に2人で暫し見入っていた。
「ステラは元気だね♪」
「アヤカさんこそ!」
アヤカが、横のステラに笑いかけると、ステラも笑い返す。
「うん、私たち似た者同士だ!」
吐く息は白く、頬が赤くなるほどの寒空の下でも元気いっぱいな2人。
手を繋ぎ、歓声を上げながら、ずっと空を見上げていた。