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2人でリヴァイアサン大祭

銀に煌めく星灯り・ラテリコス
アクエリオの星・リィナ

■リヴァイアサン大祭2012『聖夜の雪見酒』

 一年に一度のその日。
 エルフヘイムの星霊建築を支えるリヴァイアサンが夜空を舞い、雪が降り続くだけでなく、様々な奇跡が起こり人々もその神秘的な日に大切な相手と過ごしたり、世界の平和を祈ったり、思い思いに過ごすのだ。
 その日、エルフヘイムのある山の中にある温泉を訪れたラテリコスとリィナは、雪が積もりなだらかな稜線を見渡せる山の、穴場のようなその場所で二人っきりで過ごすことを楽しみに準備をしてきた。
 針葉樹が立ち並ぶ先に、真っ白な湯気を立てる小さな温泉。
 リィナは青いラインと水玉模様のビキニ、ラテリコスはフリル付の桃色のビキニをまとい、暖かな湯にそっと身体を浸した。
 ラテリコスも20歳になりお酒が飲めるようになったので、徳利と杯を載せた盆も浮かべて。
 女の子同士だけど、夏には式も挙げて永遠を誓った二人。のんびり雪見酒というわけだ。
 とはいえ、酒の匂いをかぐだけで酔っぱらう程弱いので、ラテリコスは少しだけ。
 一方のリィナはザルというほど酒豪だがラテリコスと一緒に暮らすようになってからは飲めない彼女のために自重していたようだ。
 それがこの日は特別な日なので久々に杯を重ね飲んでいた。
「さ、どうぞ、リィナさん」
「ありがとう」
 ラテリコスにお酌をしてもらって飲むと一段と美味しい気がする。そう実感しつつリィナは酒を飲み干し、お返しにと杯を差し出す。
「リコも一口飲むー?」
「じゃあ、一口だけ……」
 注がれた酒がふわりと甘い香りを立ち上らせ、そこへ雪がひとひら落ちてすぐ消える。
 遠慮がちに唇をつけてその味を舌に乗せると、あっという間に身体に染みこんでいきすぐにほろ酔いになってしまう。
 湯の熱さだけでなく酒と、パートナーへの想いも手伝って頬を紅に染めたラテリコスは明るく笑いながらリィナに甘える。
 それを抱きとめ、そっと彼女の銀の髪を撫でてやる。
「まったく、リコは甘えん坊なんだから」
 微笑みながら、その唇に軽くキス。
「リィナさんの前でだけ……だもん」
 拗ねたような口調だけれど嬉しさを隠せないのは、特別で、大好きな相手と一緒だから。
 真っ赤になってぎゅっと抱きついてくるラテリコスを、リィナも幸せな気持ちを満喫しつつ抱き返したのだった。
イラストレーター名:青空皐月