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2人でリヴァイアサン大祭

天嶺戀花・マグノリア
夜の戦吼・フート

■リヴァイアサン大祭2012『君と願う、幸いの時間。』

「綺麗な眺めじゃのう」
 マグノリアは巨大な雪のアーチの上からの景色に感嘆の声を漏らす。
 雪と共に空を優雅に舞う星霊リヴァイアサン。眼下の町並みや遠くの森林を一望できる素晴らしい眺めだ。
 今日は年に1度のリヴァイアサン大祭。エルフヘイム各地で様々な楽しい催しが開かれている。
 今マグノリアがいるこの場所は、ポルテ村の大樹から隣のタブリエ村の大樹まで続く、空に架かる白く透き通った雪のアーチの上。今日1日だけのオープンカフェが開かれているのだ。
 テーブルの上には沢山のお菓子とお茶。そして、兎のぬいぐるみをちょこんと座らせてある。
「眺めも綺麗だが、マグノリアの方がもっと綺麗だ。愛してるぜ」
 温かな湯気を立ち上らせるティーカップを持ったフートが微笑んだ。――いつものように。
 フートがマグノリアを口説いているシーンというのは珍しくはない。珍しくないどころか、よく見受けられる。そのシーンでのマグノリアはいつもさらりと受け流していた。
 フートは、いつものようにさらりと受け流されるのだろうと思っていが、
「……私もね、大好きよ、フート」
 少し頬を赤らめて、真っ直ぐフートを見つめるマグノリア。
 先程と口調が変わっている。マグノリアが本音で話すときは口調が変わる事を知っているフートは驚きに目を見開く。その言葉の内容が本音なのだと。
「いつも逃げてばかりでごめんね……」
 フートの温かい手が、何時の日か熱を伝えなくなるかもしれない。それがマグノリアには恐ろしくて逃げ続けていた。何度口説かれようと受け流し続けていたのだ。
 しかし、怯えてばかりでは何も得られない。手を伸ばさなければ掴めない。
「ほら見て」
 マグノリアが雪に染まった木々を指して、フートは何かあるのかとそちらを見る。
(「……恥ずかしいけれど……」)
 その瞬間、フートの頬に柔らかい感触が触れた。
「!?」
 フートは一瞬何が起きたのか分からなかった。が、頬に感じる感触は紛れもなく唇の感触で。
「貴方の隣に、誰よりも傍に居て、貴方を護ってみせる」
 静かに唇の感触が遠ざかっていくと同時に、しっかりとした誓いの言葉がフートの耳たぶを打つ。
 マグノリアは覚悟を新たにした。贈った口付けと共に――。
イラストレーター名:吉野るん