ステータス画面

2人でリヴァイアサン大祭

鴉羽・ゼロ
花の詩・シャルロット

■リヴァイアサン大祭2012『手の中の、ぬくもり』

 この日は誰もが、リヴァイアサン大祭に魅せられる。
 それは、ゼロとシャルロットの二人も例外ではない。いつもの寒空も、今日ばかりはいつもと違い、どこか特別な気分になる。現にゼロと一緒にいるシャルロットも、いつも以上にデートを楽しんでいる様子。
 雪がちらつく中。町を臨む丘に二人がたどり着くと、シャルロットは笑顔をゼロに向けてきた。
 その微笑みを見ると、寒さなど気にしていないようだ。頬を上気させ、……ゼロを見つめてくる。
「ねえ、見て。町の明かりが……とっても、きれいだよう?」
「ああ、きれいだな。シャル」
 彼女の仕草に、ゼロもまた胸が高鳴った。いつも通りのふわりとした口調に雰囲気。柔らかな物腰は、ゼロに安らぎを与えてくれるが……今宵の彼女は、また別の一面を見せてくれるかのよう。
 彼女のふと見せる、微笑んだ横顔。それはまるで、リヴァイアサン大祭において、星雲がかけてくれた魔法。
 目前の少女の魔法に、自分はかかってしまったのだろう。
「……ねえ」
「……なあ」
 互いに、同時に声が出た。
 それは、互いへの贈り物の交換。互いの包みを見て、微笑み、そして……互いにうなずいた。

 贈り物は、贈る時はもちろんだが、受取る時も同様に緊張するもの。それが愛しき相手からのものならば、緊張するのは当然。
 互いに送り、互いに受け取り、そして……互いに開ける事に。
「……ほう、こいつは……」
 先に開けたゼロは、シャルロットからもらったそれを手に取り、寒空にかざした。
 町明りに照らされるは、銀のリングと黒い石。それらが連なったネックレス。
「この二つ、寄り添ってるとこが俺達みたいだな」そう言ったゼロは、自分が笑顔を浮かべているのに気付いた。嬉しさを隠せぬ、明るい笑顔を。
 ありがとう。その一言を口にすると、シャルロットもまた嬉しそうに様相を崩す。
 次は、ゼロからの贈り物。小さな箱を開くと、そこには金色の輝きが。
 その指輪に施されるは、睡蓮の花の意匠。
 シャルロットの笑顔を見て、ゼロは安堵を覚えた。良かった、気に入ってくれたようだ。
「……えっと、その……」
「ん?」
「……指輪…………つけて、くれる?」
 その言葉に、ゼロは跪き……うやうやしく彼女の手を取る事で答えた。
「いいぜ。お姫様の仰せのままに」
 愛しき姫へと、忠節を誓う騎士がごとく。ゼロは愛しき少女へと、その薬指に指輪をはめた。
「……ありがとう。とっても……嬉しい……きゃっ!」
 驚いた声を上げたのは、立ち上がったゼロが抱きしめたから。
 嬉しそうにしている彼女。そんな彼女がたまらなく、愛おしい。
 今宵は、特別な一日。もしもシャルがそう思ってくれてるなら、ゼロにとってこれ以上嬉しい事は無い。
「ずっと……」
 ずっと、一緒にいような。
 ゼロの囁きが、シャルロットへと染みる。
 しかし、寒さは感じなかった。互いへの愛おしさが……二人をいつまでも、暖かく包み込んでいた。
イラストレーター名:もえ太