ステータス画面

2人でリヴァイアサン大祭

橙黄音色・リチェリー
赤髪の運び屋・シヴィル

■リヴァイアサン大祭2012『絆を感じ過ごす温かな時間』

 リヴァイアサン大祭のこの日、窓の外の景色は一面の銀世界に染まる。しんしんと雪が降り積もってゆく外では、吐息すら白く凍ってしまうけれど……。
「外は寒いけど室内はぽかぽか……贅沢な幸せー」
「去年一昨年は外だったしな……へへ、ちょっと新鮮だ」
 あたたかな部屋の中、星霊が舞う外を見上げるリチェリーは微笑んだ。愛する妻の笑顔に釣られる様にシヴィルも笑みを返す。
「薪も補充したしお湯も沸いたし……星霊が齎してくれた素敵な光景を窓辺でゆっくり眺めよう!」
「っと、寒さは窓から来るぜ? これ着てな」
 そっと掛けられた白いストールから伝わる夫の心使いと温もりが嬉しくて、リチェリーの笑みが深くなる。
「はい、こっちのコーヒーがシヴィル君の分」
 シヴィルが受け取ったマグカップは、リチェリーの手に在るもう1つと同じデザイン。
 小さく首を傾げた夫に、えへへと笑う。
「一緒に住んでからも使えたら良いなって思ってお揃いのマグカップを用意してみたんだ。住む場所とか色々頑張って貰ってるもんね……お疲れ様。有難う」
「どういたしまして……ってのも変な感じだ。俺達が暮らしてく場所だからな、出来るだけのことすんのは当たり前さ。その家に越したら、まずは一緒にお茶しようぜ。このマグカップで、な」
 二人で過ごす大切な家についての頼もしい夫の言葉に瞳を細める。
 シヴィルのことだから、有言実行、交わした約束は忘れずきっと叶えてくれる。
 今までも、これからも。
「ねね、一番最初に2人でお出掛けしたのもエルフヘイムだったね。懐かしいし……今もこうして一緒に過ごせる事、幸せだなぁ」
 左手の薬指を飾る指輪をそっと撫で、雪舞う外を眺めていた目を傍らの夫へ移す。星を集めたように煌めく環は彼と自分を結ぶ縁の輪。
「来年もこれからも宜しくお願いします! ……あなた」
 末永くの想いを込めた挨拶を、そっと大切に囁くように大切な人へ紡ぐ大切な呼び方で告げる。
 言ってから、リチェリーは、ぼっと頬を染め目を逸らした。
 呼ばれたシヴィルは瞳を瞬かせたが、特別なたった一人の妻・リチェリーからの特別な呼び名がすとんと心に届き……。
「……なぁリチェ、今のもっかい頼む」
「だ、駄目ー!」
「もっかい言ってくれよ。なぁリチェ、なぁって!」
 不意打ちでなく、もう一度。
 改めてもう1度と請われれば、じわりじわりと恥ずかしさが込み上げてきて、赤らむ頬を抑え、追いすがるシヴィルから顔を反らす。
「記念日に一回しか言わないよっ」
 大切な呼び方だから、特別な日だけのとっておき。
 ふわり、ふわり、降り積もる雪のように……想い出、温もりを積み重ねて。
イラストレーター名:ひろしお