■リヴァイアサン大祭2012『プレゼント交換なぅ♪』
パルは、ずらっと並ぶ服を、これ可愛い、こっちも可愛い、等と言いながら楽しそうに瞳を輝かせている。「これかわい〜♪ いつもと違う感じだけど、かわいーロリーには似合うよねぇ♪」
水色が基調になっている上品なお姫様風のドレスを取り出して、ロリーが着たところを想像し、「うんうん、似合う似合う♪」と笑顔を広げた。
「真っ赤な宝石ねぇ……」
(「赤狐、よね」)
ロリーは、パルを思い浮かべながら、どういう服にしようか、じっくり悩んでいる。
「これなんか似合うでしょうか……」
普段、楽しみながら悪戯をするパルには、よく似合うだろう、と小悪魔風な黒と白のフリルがふんだんに使われた可愛らしいゴスロリ服を選んだ。
今日はリヴァイアサン大祭。お互いに服をプレゼントし合おう、となって別行動でプレゼントする服を選んだ2人。
自宅に戻ってきた後に、お互いに買ってきた買い物袋を渡し合った。
「素敵♪ これなら、さっき買ってきたネックレス似合いそう♪」
ロリーは、袋から出てきたお姫様風のドレスに嬉しそうな笑みを広げ、密かに買ってきた赤いネックレスを追加でつけてみた。
「えっと……このリボンで留めてみればいいんだよね……」
そして、大きな鏡の前で、髪のセットをパルに手伝って貰っている。
「うん……ありがとう。あとは、このティアラをつけて……」
赤いネックレスに合わせて、赤い宝石のはめ込まれたティアラを乗せた。
「う〜ん……背中のリボン……届かない……」
ロリーの髪型のセットが落ち着いたパルは、今度は自分の服の着替えに取り掛かって――苦戦している。
「もう……」
自分のセットが終わったロリーがパルの背後に回って、背中のリボンをピンッと張って綺麗に結んだ。
「ありがと♪ 変な所ないかな……」
ロリーに手伝ってもらって着替えを完了させたパルが、鏡の前でくるりと回って確認する。
「大丈夫。似合ってて凄く可愛い」
ロリーは満足げに微笑んだ。
パルは、改めてロリーをじっくり見る。よく育ってしまった胸部の為、胸元だけ、やや大胆になってしまったが、赤いネックレスもアクセントになって、黒い髪によく似合っていた。
「ロリーすっごくかわい〜♪」
予想以上な可愛らしさに満面の笑みを浮かべ、ぎゅ〜っと抱きしめる。
「ふふ……」
ロリーも、抱きしめられながら、まんざらではない様子を見せて微笑んだ。
「ロリーには絶対似合うと思ったんだよねぇ♪」
「パルこそ男の子なのに、そんなに可愛くなるなんてー」
お互いにすりすりしながら、可愛らしさを褒め合い、夜は更けていく――。