■リヴァイアサン大祭2013『* お家でリヴァイアサン大祭 *』
リヴァイアサン大祭は1年に1度の特別な日だ。多くの人々が思い思いの時間を過ごしている。例えば家族と過ごす人もいるだろう。友人と過ごす人もいるだろう。1人で静かな時間を過ごす人もいるだろう。そして、恋人と過ごすこともあるだろう。そしてここにもまた、幸せな時間を過ごす2人の姿があった。アモンとシシィは2人で料理を作り、テーブルへと並べていく。特別なこの日に向けて準備して完成した料理たち。それはこの日を鮮やかに彩ってくれる。
「えへへー。すっごく美味しそうに出来たんだよー♪」
並んでいく鮮やかな料理を前にして、シシィはふわりとした笑みを浮かべてしまう。大切な相手と作ったそれは、今までのどんな料理より美味しそうに見えた。
「そうだね。シシィもいっぱいお手伝いしてくれたからね」
アモンも笑みを浮かべ、嬉しそうにしているシシィの頭を撫でる。撫でればふわりとした髪の感触が返ってきて、それはシシィの今の気持ちが現れているようだと思って笑みを深くした。
「さあ、冷めないうちに食べようか」
そのままにしておくと、いつまでも嬉しそうに料理を眺めていそうなシシィに声をかけなおし、アモンはソファーに腰を下ろす。するとシシィはとことこと近づき、自然にアモンの膝へと座った。
「食べさせて食べさせてー!」
甘えるようにシシィはアモンへとねだる。大切な人だから、こうして甘えたくなる。大切で信じられる相手だから、こういう特別な日に遠慮はしない。
「はいはい。今日は特別な日だからね」
アモンもまた可愛らしい相手へとすることに抵抗は無い。膝に乗った相手を落とさないように気をつけながらフォークで料理を切り取り、器用にシシィの口元へと持っていく。
「はい、どうぞシシィ」
「あーん♪」
シシィはとろけそうな笑みを浮かべながら料理を食べる。それは思ったとおり、今までの何よりも美味しく感じられた。
「アモン先生もあーん♪」
んーっと手を伸ばしシシィもアモンと同じように料理を切り取りアモンの口へと運ぶ。
「んっ……美味しいねシシィ」
互いに微笑み合い、幸せな一時を感じ合う。互いの温もりも分かる距離で向かい合いかわす言葉と料理。誰にも邪魔されることも無く、特別な日を過ごす。
2人で過ごすこの時間は世界の誰よりも幸せだった。