■リヴァイアサン大祭2013『二人の雪まつり』
リヴァイアサン大祭の日、オルノースとエリアルは雪の積もった広場へとやってきた。「雪が積もってるならアソばないワケにはイカない」
早速オルノースは広場へ駆け出し、エリアルも楽しそうにそれに続く。
「何を作ろうかしら。……そうだ、オルといったら、やっぱり幸せの壺ですね♪」
そう決めると、エリアルは雪を集めだした。
一方でオルノースは、せっせと雪を積み上げている。
「エリアルの雪像をツクるなーう♪ エリアルは別名兎っかり教祖、この像は教祖サマの像と名付けよう」
雪を上手に整えて、オルノースは見事なエリアルの雪像を作り上げた。
「似てるかな? ……うん! よし、ツギはメンマや兎もツクろうっと」
雪像を見て満足そうに頷き、次の作品へと取り掛かる。
エリアルの方も、大きな壷の雪像を完成させてにっこりとした。
「うん、なかなかの力作! オルは何を……って、巨大な私の像!?」
いつの間にか、横で作られていた自分の雪像に驚く。
「じゃあ、私はオルの雪だるまも作ります♪」
今度は雪玉を作り、ころころと転がして雪だるまを作り始めるエリアル。
「おっ、エリアル俺の雪だるまツクってるんだ? じゃあ俺も……」
それに気付いたオルノースも、雪玉で何かを作り出した。
形になっていくとわかる。彼が作っているのは、エリアルの雪だるまだ。
エリアルは大きくなった雪玉を、オルノースの作る雪だるまの隣に持ってきた。
「近づけて置いちゃいましょ♪」
雪を盛って、削って。
「じゃーん、エリアル雪だるまー♪」
「うん、兎耳のオル、格好よく出来ました♪」
ほとんど同時に完成したお互いの雪だるまは、どちらもとても可愛く、よく出来ていた。
「いやー、イイのがツクれたね?」
「うん、二人とも上手に出来ました!」
2人の雪だるまは笑顔で仲良く並んでいる。
「……っと、そうそう」
エリアルを見て、オルノースは大きな赤いマフラーを取り出した。
「じゃーん♪ 大祭のプレゼントだよ! 林檎色まフラー」
「……わ! 綺麗なマフラー! 良いんです?」
「もちろん。コレを2人で巻けばきっとぬくぬくだね?」
「ありがとう、オル♪」
エリアルは喜びオルノースに抱きついて、彼の顔を見上げた。
「じゃあ、早速二人で巻きましょ♪ でも、その前に……」
エリアルは黄緑のマフラーを取り出し、雪だるまに巻こうとする。
しかし思ったよりも雪だるまが大きかったせいで、そのマフラーは雪だるま達には少し短かい。
「それなら」
オルノースは雪を再び集めると、2人の雪だるまに大きな雪のマフラーをさせた。
そして、黄緑のマフラーを自分とエリアルで一緒に巻く。
「どうかな?」
「これでお揃いですね、どちらの私達もヌクヌクです♪」
エリアルは彼にもらった赤いマフラーを抱きしめながら、嬉しそうに言う。
マフラーを分け合って心も温かい。オルノースとエリアルは、顔を見合わせて笑った。