■リヴァイアサン大祭2013『久遠の絆の約束』
「かけがえのない大切な人として――これからも、傍にいて下さい」「リオネルさん……。はい、末永く仲良くして下さいね!」
リオネルが想いを告げ、キヨが満面の笑みに一筋の涙を流して応えた。
――あれから早2年前。
(「やっと……やっと、けじめをつけられる……」)
リオネルが多忙を極め、キヨとの時間もすれ違う日々。順風満帆とは言えず、先の見えない状態が続いていた。それでも、ずっと待ち続けてくれていた最愛の人。
「お待たせしてしまってすみません。あの時と変わらず、私の愛はあなたと共にあります」
雪が降り積もり、辺り一面を銀世界に変えた広い場所。
真っ白なタキシードを着たリオネルが静かに、けれど強い意志の込められた言葉を紡ぐ。
「……リオネルさん……」
その言葉に、純白のウェディングドレスを纏い、薄いヴェールに隠されたキヨの目尻に涙が浮かんでいた。
他には誰もいない、2人だけの大切な結婚式。
「どうか……これからも私と共に、歩んでくれますか……?」
リオネルが銀色に輝く指輪を取り出して、そっとキヨの左手の薬指にはめながら微笑む。
「……はい……はい、勿論です……! こちらこそ……こちらこそ、仲良くして下さい……!」
キヨも幸せそうに微笑んで、指輪をリオネルの左手の薬指にはめた。
「……」
「……」
お互いに黙って見つめ合い、静寂に包まれた幸せな白銀の空間。降り続く雪はどこまでも優しく――。
リオネルが、すっとキヨの顔を隠すヴェールをめくり、直接その愛しい顔を、瞳をまっすぐ見つめた。キヨはそれをしっかり受け止め、そっと瞳を閉じる。リオネルはゆっくりと顔を寄せ、そして柔らかいキヨの唇に久遠の約束を誓った。
ゆっくりとリオネルの顔が離れると、キヨの目から一筋の幸福な雫が流れ落ちた。
「愛しています……」
「私もです……!」
降り続く雪の空を悠然と舞うリヴァイアサン。
その姿はまるで、2人を祝福して雪を降らせているかのように――。