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2人でリヴァイアサン大祭

ルミナスフェザー・ユリス
狂気の天秤・ヒム

■リヴァイアサン大祭2013『Holy Snowy Night.』

 輝くように彩られたツリー。
 ルミナスフェザー・ユリス(c11177)と狂気の天秤・ヒム(c16638)の二人は、街中を歩いているうちに、そのツリーの前にたどり着いていた。
「綺麗……ですね」
「ああ、そうだな」
 街中を歩いている間、暖かい物を食べることくらいしか、二人はお金を使っていなかった。
 ヒムは少し、節約しすぎたかと心の中で呟く。
 それでもユリスは喜んでくれたし、彼女の願うままにいくつもの店を冷やかしていた。
 そんな店の中で、偶然見かけてしまったもの。
 それは、大切な彼から渡されたプレゼントを受け取り、笑顔を浮かべる少女の姿だった。
 同じ笑顔をユリスにもして欲しかったなと、今更ながら思い浮かべた。
 その笑顔を見るためなら、少し出資しても問題なかったのに……。
 彼女は結局、何も選ばなかった。
 気を使わせてしまったのだろうかと感じる。
 だが、彼女の様子を見ていると、やはり、欲しいと思うものがなかったようにも思えるが……。
 なら、これでよかったのだろうか?
 そう思っていたときだった。
「どうかしたんですか?」
「え? ああ、何でもない」
 ふいにユリスに声をかけられ、ヒムはバツの悪そうな顔を浮かべる。
「変なヒムさん」
 くすっと笑うユリスに、ヒムも笑みを浮かべる。
 ふと、白いものが目の前を過ぎったように見えた。
「雪……」
「雪ですよ、ヒムさん」
 そうか、先ほど見かけた白いもの。それは雪だった。
 やけに肌寒いと思っていたら、雪が降るほどに冷えていたのか。
 そう思いながら、ヒムは彼女をそっと引き寄せた。
 ユリスは少し驚いたように体を僅かに震わせたが、それだけだった。
「ツリーが……もっと綺麗に見えますね」
「ああ、そうだな」
 そして、ヒムは彼女の手に自分の手を重ねる。
 たまには、こういうのもいいだろう。
 そう思いながら。
「暖かい……」
「そうか?」
 そういうヒムの顔は、自然に微笑んでいて。
 雪が降る中、二人は、ゆっくりと綺麗なツリーを見上げる。
 こういうのも、たまにはいいと感じながら……。
イラストレーター名:乱翠