■リヴァイアサン大祭2013『二人だけの時間 〜幸せに包まれて〜』
窓の外では、しんしんと雪が降り続いている。エルフヘイムの街を、真っ白に染め上げていく。今日一日、この雪は降りやむことはない。なぜなら今日は年に一度のリヴァイアサン大祭。大切な人同士の絆を確かめ合う特別な日。真白い雪の降り積もったとある屋根の下では、ひときわ甘い時間が流れていた。
ベッドの上で、レイジはフェリーナをそっと抱き寄せた。一枚のシーツに二人で包まると、お互いの温もりを近くに感じられて、自然と心も体もほぐれていく。
一年に一度やってくるリヴァイアサン大祭だが、二人にとっては二年ぶり。去年は訳あって一緒に過ごせなかった。けれども今年は違う。ずっと側にいられる。それが何よりも嬉しかった。一秒も無駄にしたくなくて、肩を寄せ合い温もりを分かち合う。
ベッドサイドのランプが、そんな二人の姿を薄闇の中に淡く浮かび上がらせている。
辺りは静かだ。
互いの呼吸が、やけにはっきりと聞こえる。
まばたきの音さえしそうだ。
そのせいか、普段よりも近くに互いの存在を感じた。
「こうしてると温かいな」
レイジとシーツに包まれ、フェリーナがつぶやいた。
伏せられた青い瞳は、とろんと甘く溶けている。
普段は男らしく振る舞っているフェリーナだが、レイジの前では柔らかい表情をのぞかせる。頬をほんのり桃色に染め、恥かしそうに笑んでさえみせる。
そんなフェリーナの一瞬の表情が、レイジの胸を熱く焦がした。
とにかく愛おしくて、レイジはひときわ強くフェリーナを抱き寄せた。その柔らかな銀髪に頬を寄せると、ふわりと甘い香りが鼻先を撫でた。
心地よい感覚に、レイジはそっと目を閉じる。そうすると、先ほどよりもフェリーナを近くに感じることができた。
「こうしてずっと抱きしめていたいな」
大切な人と過ごせる幸せを噛みしめ、心からそう思った。
しんしんと雪が降り積もるように、レイジとフェリーナは想いを重ね、確かめ合う。
特別な言葉はいらない。
一枚のシーツと、お互いの温もりがあれば十分だった。
なぜなら今日は年に一度のリヴァイアサン大祭。
大切な人同士の絆を確かめ合う、特別な日だから。
レイジとフェリーナの絆は確かに、この日、固く結ばれた。