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2人でリヴァイアサン大祭

自由と冒険を求めて・ルシア
元気の申し子・パノーニャ

■リヴァイアサン大祭2013『ハピネス・リヴァイアサン・デート』

「メリー・リヴァイアサン!」
「めりーりヴぁいあさんでござるゥ〜♪」
 今日は年に一度のリヴァイアサン大祭。ルシアとパノーニャは酒場で2人だけのパーティをする事にした。この酒場はお祭りに合わせた料理をたくさん出してくれる酒場なのである。
 2人の目の前には、たくさんの豪華な料理が並ぶ。
「ウマーー♪ ルシア殿これもウマ〜でござるよォー!」
 右手にはフォーク、左手にはチキンを持って、元気いっぱいのパノーニャ。その小さい体のどこにそんなに入るのだろう、と誰もが不思議に思うくらいパノーニャはよく食べる。大人の3倍は食べるのだ。
「ふふ……」
 その様子をルシアが目を細めて幸せそうに眺める。酒場なので他にも大勢の客があり、特有の騒がしさがあるが、それでもこの2人はどこかのんびりとしている。
「見て下さい、リヴァイアサンが飛んでいますよ」
 窓の外を見上げたルシアが穏やかにパノーニャに声をかけた。
「おー!! りヴぁいあさんでござるゥ♪ 乗ってみたいでござーるゥ!」
 一度手を休めて、どれどれ? と窓の外を見たパノーニャが歓声を上げる。ルシアは穏やかに微笑みながら、年に一度の特別なこの日をパノーニャと一緒に過ごせる幸せを噛み締めていた。
「ルシア殿はいつもニコニコしてるでござるゥ! はなまるでござるゥ♪ またいっしょに拙者とご飯を食べに行こうでござるねェ?」
 窓の外からルシアに向き直ったパノーニャは、明るく元気に笑う。
(「僕がニコニコしてるのは、パノと一緒だからなんですよ」)
 そんな幸せな声は口からは出ず、ルシアの更に幸せそうに柔らかくなった表情に出た。そして、
「えぇ、約束です。色々な街に回って、色々食べに行きましょう」
 幸せな約束をする。瞳を輝かせながら元気に料理を平らげるパノーニャは見ていてとても気持ち良いから。そして、とても可愛いから。
「わほーい! 針千本でござるよォーー♪」
 パノーニャは本当に嬉しそうに大喜びした。

 ――さすがに2人じゃ食べきれないだろう、という量のご馳走が並んでいたテーブル。
 だが、2人が帰った後には、綺麗になった皿しか残っていなかったという――。
イラストレーター名:碧海るあ