■リヴァイアサン大祭2013『悠久のやすらぎ』
「今年は色々あったけど、貴方と一緒に過ごせて嬉しかったです」ローラントは1年を振り返り、ずっと傍にいてくれた愛しい妻に微笑みかける。
激しい戦いでたくさん心配もかけた。そして、色々と頑張ってくれたのも知っている。そんな彼女と結ばれ、こうして共に居られる幸せを噛み締めていた。
「私もとっても嬉しかったよ!」
夫の言葉ににっこりと微笑むファラーナ。
ローラントは、微笑むファラーナの頬に手を添えて、その唇に優しいキスを落とした。たくさんの想いを込めて。
「来年もこうして一緒に過ごせますように」
静かに唇を離すと、柔らかく微笑んだローラント。
「うん、ずっと一緒にいようね♪」
ファラーナはローラントに抱きつき、その胸に頭を埋める。
「……今日は二人っきりで、特別な夜ですし、ね……」
そして、少し恥ずかしそうに呟き、少女のように甘えた。
ローラントが、「少し外を見ませんか?」とファラーナを誘い、2人はバルコニーに出た。
外は純白の雪がふわふわと降り注ぎ、一面の銀世界が広がっている。
「寒くないですか?」
そう言ったローラントが、ファラーナと自分を一緒に1枚の大きなブランケットで包んだ。
「ちょっと寒いけど、こうしてるとあったかいね♪」
気遣ってくれるローラントの優しさと、その体温がファラーナに温もりを与える。
「あ! 兎!」
のんびりと雪景色を楽しんでいると、ファラーナがぴょこぴょこ動く可愛らしい2匹の兎に瞳を輝かせた。
「雪兎ですね。番いでしょうか? 仲が良いですね」
寄り添うにように体をぴったりとくっつけている兎達。その姿に和むローラント。
(「今は忙しいですが、そのうち落ち着いたら子供が欲しいですね……」)
瞳を輝かせるファラーナの横顔を見ながら、ぼんやりと未来に想いを馳せる。
「ファラーナは子供が好きですか? 子供は何人欲しいですか?」
ローラントは、その横顔に柔らかく尋ねた。
「子供はたくさん欲しいな♪ ローラントは?」
くるっと傍らのローラントに振り返り、優しい眼差しでじっと見つめる。
「私も欲しいですね。ファラーナに似て元気で可愛い娘とか」
ローラントは優しく微笑むと、ふわりとファラーナを抱きしめた。
しんしんと降り続く雪はどこまでも優しく、見上げれば悠然と空を泳ぐ星霊リヴァイアサン。
特別な夜は柔らかく2人を包み込んだ――。