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2人でリヴァイアサン大祭

三節棍の赤い群竜士・アヤカ
深窓魔想紋章士・レフルティーヴァ

■リヴァイアサン大祭2013『悪友とメリーリヴァイアサン!』

「はーっ……楽しかったね、リヴァイアサン大祭」
 一日歩き回ったアヤカは、疲れを覚えてため息を一つ。彼女はこの時期にふさわしく、プレゼントを配る赤い服の人……の衣装を身に着けていた。
「……まあ、悪くはなかったですわ」
 アヤカと同じテーブルに着いているレフルは、しぶしぶといった口調で、アヤカに同意した。こちらの衣装は、肩にショールをかけた、普通のそれ。しかし頭につけたバンダナには、トナカイのような角が付いていた。

 彼女、レフルティーヴァは、このリヴァイアサン大祭を男性と過ごしたかった様子だったが、アヤカが半ば強引に誘ったため、仕方なく付き合ってくれたのだ。
 が、心底嫌だったわけではない。なぜなら……。
「まあ、なんだかんだ言って、楽しそうで良かったよ、レフル」
「あら、アヤカ様ったら、楽しくないなんて言いました? 色々なお店や、大道芸や、色んなものを見て回るのが、楽しくないわけがないでしょう?」
 アヤカとともに大祭を回ったレフルは、まんざらでもないといった様相を見せてくれていたのだ。あっちこっちの出店を回るたびに笑顔を見せ、大道芸にびっくりした顔をして見入り、美しいオブジェに感心し、どたばたする道化芝居に大笑い。
「それに、アヤカ様の方こそ、私よりずっと楽しんでおられたんじゃなくて?」
「えへへー、わかる?」
 そう、アヤカもまた、リヴァイアサン大祭を楽しんでいた。レフルが一緒だったから、その楽しさも倍増。それを実感しつつ、祭りを回ったのだ。
 そして今。一通り回った後に自宅に戻り、こうやって二人でのパーティを。
 卓上に広げられているのは、薪をかたどったノエルケーキをはじめとした、数多くのお菓子。それらを口にすると、口の中に甘さが広がると同時に、大祭での楽しい思い出が再び広がっていくかのよう。
 飲み物が注がれたグラスを傾けつつ、レフルは笑顔をアヤカに向けた。
「……なんて、な。サンキュー、アヤカ」
 そして、砕けた口調でグラスを掲げる。
 それに答えようと、アヤカもまたグラスを掲げた。
「それじゃあ……メリーリヴァイアサン! ルティ!」
「メリーリヴァイアサン! アヤカ!」
 グラスを打ち鳴らし、二人はその中身を飲み干す。
 まだまだリヴァイアサン大祭は終わらない。この楽しい時間を、そう簡単には終わらせたくない。後夜祭はこれから!

 切り分けたケーキを口に運び、アヤカはその甘さと楽しさとを感じ取った。
 そして、感謝した。ルティとこの時間を分け合える幸運に。
イラストレーター名:綾瀬みゆき