■リヴァイアサン大祭2013『pour toujours』
静かに降り続く雪は、星の海をを悠然と泳ぐリヴァイアサンからの祝福のよう――。二人だけの結婚式を終えて外に出たコーキネアは、そっと手を伸ばし、傍らに立つレアがその手に掌を重ね、式場を背に夜空を仰ぐ。
3年前、旅団の皆と出かけたリヴァイアサン大祭で知り合った2人。
コーキネアは、雪の中楽しそうに遊ぶレアをずっと見ていた。
降り続く雪は、その時の事を思い出させる。
「くすっ……」
3年前に想いを馳せていたコーキネアの耳に、リアの小さな可愛い笑い声が入ってきた。
「どうした?」
軽く首を傾げたコーキネアの優しい声。
「なんでもない」
レアは柔らかく微笑む。
(「言葉を、笑顔を交わす度に高鳴る鼓動が気づかれちゃいそうで、余計ドキドキしてたっけ……」)
レアも3年前の事を思い出していたのだ。
改めてレアを見つめるコーキネア。
(「何度見てもレアのドレス姿は綺麗だけど、今夜のレアは最高に綺麗だ……」)
心地良い秋晴れの日、2人は、服飾産業が盛んな町で開かれた催し――婚礼衣装を1日借りられるという催しで、擬似結婚式に参加、予行演習をしている。
その時初めて見るレアのウェディングドレス姿に見惚れたコーキネアだが、本番である今夜の彼女は、前にも増して最高に綺麗だったのだ。
(「予行演習で見てるはずなのに、いつもと違う服のコーキネアくんは格好良いいな……」)
レアも普段と印象の違う彼に魅入ってしまう。
「最高の花嫁を貰えるなんて、俺は最高に幸せだ」
うっとりと呟くコーキネア。
「私も、最高の花婿の元に行けて……最高に、幸せよ」
レアも幸せそうに微笑んだ。
「病める時も健やかなる時も、一生を掛けて、全力で幸せにしてみせる」
式でも誓ったが、改めて、真っ直ぐにレアを見つめて、力強く誓う。
「悲しみの時も喜びの時も、一生を掛けて、全霊で愛するわ」
コーキネアからの誓いの言葉に、レアも微笑んで誓いの言葉を返した。
「愛してる、これからもずっと」
「うん、これからもずっと……ずっと、あなたの傍に」
見つめ合い、静かに重なる唇と想い。
それは、2人を見守るリヴァイアサンからの祝福を受けながら、確かな絆となった――。