■リヴァイアサン大祭2013『プレゼントは…確かな愛』
「カタリナのお弁当楽しみだな」「ふふ、ダーリンの為に頑張ったのよ」
お祭りムードで賑やかな街を歩くティムスとカタリナ。
普段忙しくしている2人であるが、夫婦仲良くデートだ。ちょっとだけわがままを言って、子供達の事は周りの人達にお願いしてきた。今日は特別な日だから。
――そう、今日は待ちに待ったリヴァイアサン大祭。1日中降り続く雪は柔らかく、空には星霊リヴァイアサンが悠然と泳ぐ姿を見られる、大切な人同士の絆を確かめ合う特別な日。
(「この幸せがいつまでも続きますように」)
賑やかな街をじっくり眺めながらカタリナは祈る。戒律が消え、人々に幸せが訪れた街。
「ワインも買ったし、ケーキも買ったし……じゃ、行こうか」
両手に荷物を持ったティムスが、楽しげに笑いかける。
「うん」
カタリナも微笑んで頷いた。
「綺麗ー……」
満天の星空に圧倒されたカタリナが溜息混じりに呟く。
ここは町からも遠くはない辺境の土地。のんびり散歩を楽しみながら到着した頃には、日が暮れていた。
「でしょ?」
ティムスが自信たっぷりな表情で微笑む。
今日の為にティムスが探し出しておいた、星空が綺麗に見える小高い丘。満天の星空の上に、今日は純白の雪がふわふわ舞っている。
「じゃ、お弁当にしましょう?」
「うん」
カタリナが微笑みかけると、ティムスが荷物からピクニックシートを取り出して敷いた。そこにカタリナが手際よく弁当を広げる。その間にティムスは買ってきたワインを取り出してコルクを抜き、グラスに注いだ。
「「乾杯」」
ワインで乾杯して、他愛のない日常の話をしながら、カタリナが用意した弁当を楽しむ2人。
「やっぱり夜は冷えるね」
アルコールが入って、2人の顔がうっすら赤くなって気持ちよくなり出した頃、ティムスが手で自分の肩を擦る。
「じゃあ……一緒に巻きましょう?」
カタリナが長いマフラーを取り出した。まず丁寧にティムスに巻いて、長く余らせた方を自分に巻く。
「あったかい……ありがとう、カタリナ」
マフラーも勿論だが、カタリナの気遣いが一番あったかい、そう思うと自然とティムスの表情は柔らかくなった。そのまま、ちゅっと軽く感謝のキスを贈る。
「私もダーリンのお陰であったかいわ。ありがとうダーリン」
カタリナも、伝わるティムスのぬくもりを感じ、キスを贈り返した。
確かな愛を感じあう2人。
楽しいことにも出会えそう。つらいことも乗り越えられる。
一緒にいられる幸せ。
それが何よりのリヴァイアサン大祭のプレゼント――。