■リヴァイアサン大祭2013『寄り添う二人 と 寄り添う2匹?』
夜。フィオリスと、リィナ。少女二人が、一つの寝床をともにしている。
そして、ベッドの端でも、小さな二つの寝姿。……クロとティーネ。丸くなって眠っているクロの尻尾を枕にして、ティーネはぐっすり。
そして、リィナもぐっすり。
目が覚めたフィオリスは、半身を起こし……一匹と一人へと、そしてリィナへと目をやった。
「むにゃ……」
リィナの寝顔。見ているだけで、幸せそうな寝顔。
その寝顔を見ているだけで……自然と、頬がゆるんでしまう。
寝床は一つ。毛布も大きなものを一つ。それにくるまれている二人は、ともに生まれたままの姿。
そのせいで、リィナの体温がフィオリスの方にも伝わり、とても温かい。一緒に伝わってくるリィナの匂いが……ぬくもりを更に強くしてくれる。
少し恥ずかしかったけど……このぬくもりのせいで、寒さは微塵も感じない。
リヴァイアサン大祭を夕方から楽しんだ後。夜になったらフィオリスは自室で、リィナと一緒に眠る事に。
「……ちょっと前には、大喧嘩したのに」
けれど、一匹と一人、クロとティーネのおかげで仲直りをすることができた。
それだけでなく、自分の本当の気持ち……リィナへの気持ちにも気付けた。
……自分は、リィナが大好きだという事。彼女の事が、愛しくてたまらないという事。それをはっきりと、気付き、認める事ができた。
「あ……」
思い出してしまった。
ベッドに入る前、服を脱いだリィナの素肌を見てしまった時の事を。
自分も服を脱ぎ、リィナに素肌を見られてしまった時の事を。そして……。
思わず、顔が熱くなってしまう。フィオリスは、そんな自分の恥ずかしさを紛らわそうと、リィナの髪へと手を伸ばした。
長く綺麗な髪だったのに、今では短く切ってしまっている。けど……ショートカットのこの髪型も、充分似合ってる。充分、綺麗。
愛しげに髪を愛撫しつつ、リィナの顔を見ていると、伝わってきた。
不安など何もないと、今がとても、幸せだと。
そして、そんな彼女を見ていると……彼女が幸せだと思うと、自分も幸せな気分になってくる。
「リィナ……」
フィオリスがそうつぶやくと、リィナは再び寝言を。
「……フィオ……大好きだよぉ……」
「え……」
またも、恥ずかしさに顔が熱くなってしまった。耳まで赤く火照ってしまう。
「……もう、リィナったら……」
仕返しとばかりに、フィオリスは眠っているリィナの頬に……そっと、口づけした。
嬉しそうに、リィナの顔がゆるむ。どんな夢を見ているのだろう。
再び、毛布に潜り込み……フィオリスは、リィナとともに目を閉じた。
……今度こそ、この関係を壊さないようにしたい。
そして、今は……今夜のこの時間を、大事に過ごしたい。
「わたしも……大好きだよ、リィナ……」
ぬくもりに包まれながら、フィオリスは……リィナとともに夢の中へと沈んでいった。