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2人でリヴァイアサン大祭

銀弓の狙撃手・リェル
ソードハープの魔曲使い・フェリシス

■リヴァイアサン大祭2013『だーれだ? って、あれ、リェル?』

 この日はデート。楽しいデート。
 と、うかれ気分で彼……リェルは、フェリシスと待ち合わせ中。少しばかり時間早めに待ち合わせ場所に到着し、彼女を、婚約者たる愛しい女性を待っている。
 きっとあの子は、時間通りに来てくれるだろう。
 恥ずかしがり屋なのに、露出度が高い服が好みらしく、いつもそんな服を着てくる。だからおそらく、今回もそんな服だろう。
 でも、季節を考えるとちょっと寒いだろうから、着込んでいるマントであったかくくるんであげるつもりだ。
 ああ、楽しみだなあ。どんな服装なのかな? 彼女が着るものなら、なんでも似合うだろうから、今から楽しみだよ……。
 などと、心の中でわくわくしてたら。
 ぽよん。
 そんな擬音が響いた(ような気がした)。それとともに、柔らかで弾力有る何かに、背後から押され、地面に倒れてしまうはめに。

「……あれ? リェル?」
「いたたた……って、フェリシス?」
 と、気が付き後ろを振り返ると。
 なぜか慌てふためいてる美少女が約一名。
「あ、あの……。リェルの事……見つけたから……後ろから『だーれだ?』って、やろうとしたら……その……えと……」
 起こそうと駆けつけたのは、リェルの待ち人。フェリシス。
 ああ、なるほどと、リェルは納得した。
 
 後からフェリシスから聞いたが、つまりはこういう事。
 待ち合わせにと、フェリシスは先を急いでいたら。途中で他のカップルが「後ろから抱き付いて目隠しして『だーれだ?』」ってやってるのを見た。
 なので、「私もやってみようかな」と思い、自分を見つけて、後ろから抱き付いて「だーれだ?」とやろうと走って飛びついたら。
 自前の豊かな双丘、大きな二つの果実、要は巨乳な彼女のおっぱいが、自分を背中から押し倒し。結果、このような状態に。
「あ、あの、その……ご、ごめんなさい! 私、こんな……」
「いたた……いえ、もういいですから」
 泣きそうな彼女に、リェルは何でもないよと伝えるが、当のフェリシスはそれでは気のすまない様子。
 というか、その姿。期待にたがわぬ露出度の高い……リヴァイアサン大祭の、『子供にプレゼント配る人』の赤い服。ミニスカートで太もも露出、肩も露出、胸元も露出し、素肌率がかなり高いそれ。
「で、でも……ごめんなさい! なんでもいう事を聞くから、許してください!」
 泣きそうな顔で、そんな事を言うフェリシス。それを見たリェルは、ちょっと考え、答えた。
「何でも言う事を聞く、ですか。じゃあ……」
 後で、暖かな部屋で……その姿で膝枕してください。
 そう伝えると、彼女は恥ずかしそうに顔を赤くする。
「え、ええっ?」
「だめですか?」
「……はい、わかりました」
「顔が赤いですよ。と言うか、嬉しそうですね」
 そのまま立ち上がり、リェルは彼女をマントでくるむ。更に赤く、嬉しそうな顔のフェリシス。
「さ、それじゃあ行きましょう。リヴァイアサン大祭に!」
イラストレーター名:金子卓生