■リヴァイアサン大祭2013『記念日』
エルフヘイムの、ちょっと豪華な宿屋の部屋。レビとレイは並んでソファに座り、共にリヴァイアサン大祭を楽しんでいた。「メリーリヴァイアサンです、レビ様」
「メリーリヴァイアサン、レイ」
にっこり笑って、2人はプレゼントを交換する。
「開けてもいいですか?」
「勿論」
レビが頷いたのを見て、レイはドキドキしながらプレゼントの包装を解く。
中から姿を現したのは、上質な生地で仕立てられたロングコートだった。
「私が贔屓にしている仕立て屋で用意したものです」
感動したようにコートを見つめるレイに、レビが言った。
「わあ……」
大好きな相手からのプレゼント。青空よりも深く、海の蒼よりも澄んだ色をした、素敵な素敵な贈り物。
しかも彼がいつも服を仕立てているお店のものということは、ある意味お揃いだ。
嬉しくて、レイはコートをぎゅっと抱きしめた。
「レビ様、ありがとうございます!」
「どういたしまして。私も、開けてみて良いですか?」
「はい!」
早速コートを羽織るレイの隣で、レビは綺麗に包装されたプレゼントを開ける。
レイからレビへのプレゼントは、両サイドに黒のチェック模様が入った、深緑色の手編みマフラーだった。
勿論、レイがレビのために地道に編んだものである。
「これ、貴女が編んだのですか」
「は、はい」
レイの返事に、今度はレビが感動する番だった。
「私には手作りなど似合わないだろうと思っていたのですが、実際こうして手に取ってみると……いいものですね」
レビはふわりとマフラーを首に巻いてみる。
「それに、とても暖かい。上手く言えないが……とにかく幸せだ。売っているどのマフラーよりも嬉しいですね」
「本当ですか? 喜んでもらえて嬉しいです!」
レビの言葉に、ますます笑顔になるレイ。
そんなレイを見て、レビはそっと彼女の両手を取った。きょとんとしてレビを見上げる彼女を、真っ直ぐに見つめる。
そして耳まで真っ赤になりながら、レビはレイへの想いを伝えた。
「……ありがとうございます、レイ。ええと、その。大好き……ですよ」
照れて言えないでいた、彼女への気持ち。
レイは一瞬言われたことがわからずに硬直したが、やがて意味を理解すると、沸騰するように真っ赤になった。
「レビ様……!」
一目惚れしてからずっとレビを慕っていたレイと、いつの間にかレイを意識するようになっていたレビ。2人の気持ちが通い合う。
今日は大切な人同士が絆を確かめ合うリヴァイアサン大祭。
レビとレイにとっても、大好きな人と互いの心が繋がった、特別な日だ。