■リヴァイアサン大祭2014『永遠の誓い』
挙式は、レイの故郷であるエルフヘイムで行われた。「貴女に永遠の愛を誓います」
レビの言葉に、レイは微笑みを浮かべて応える。
「いかなる時も貴方を支えること、傍にいること、愛し続けることを誓います」
決して大きな式ではないからこそ、二人の誓いの言葉は確かに響いた。
互いの左手薬指にぴったりの指輪は銀細工のシンプルなもの。レイの指に指輪を通すレビは、そっと呟いた。
「ずっと幸せにします。だから、私について来なさい。いいですね?」
命じるような言葉にレイが顔を上げれば、レビの顔は真っ赤に染まっている。
「大好きです、レビ様。ずっと、ずっと傍にいます」
返すレイもレビに負けないほど、耳まで赤くなっていた。
指輪の交換の後に続くケーキカットではかつての約束通り、レイの好きな苺のショートケーキが用意されていた。粉砂糖で化粧をした苺は、まるで外の雪景色のようだった。
式を終えて外に出れば、満天の星空と降りしきる雪、空を舞うリヴァイアサンが2人を出迎える。雪とドレス用の靴に不慣れなレイは躓いてしまうが、すぐにレビがレイの腰に腕を回して支えた。
レビの腕が腰を抱いてもレイはいつものように真っ赤にはならず、穏やかに笑んで目を閉じるだけだった。レイに応えるように、レビは口づけをする。
レイがレビに一目惚れをしてから二年の時が経った。レビの世話を焼き続けたレイに、普段は素っ気なくても大切な贈り物は欠かさなかったレビ……そうして、いつしか2人の距離は縮んでいった。
レビが自分の気持ちに気付いたのは昨年のリヴァイアサン大祭の時のこと。そして今、2人は永遠の誓いを果たした。
一目惚れをしたレビと今、結婚に辿り着くことが出来たなんて夢のようだとレイは思った。夢ならば醒めないで欲しいとも。
しかし、レイの隣にはレビが立っていて、レイを見て微笑んでいる。レイの手の中にはレビの手があり、レビの温度をしっかりと伝えているし、互いの左手薬指には揃いの指輪が輝いている。
夢ではない。そう実感して、レイは微笑みをこぼした。